treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Office2016からMS365サービスに接続できなくなる日

パッケージ版などで買い切りのOfficeからMicrosoft365サービスに接続がサポートされなくなる日、というのが2023年中に迎えるのでご報告です。
個人的に関係している内容ですが見落としていました。

オンラインサービスへの接続に関する制限

Windows8.1やOffice2013のサポート終了に気を取られすぎて、すっかり見落としていたのですが、Microsoft 365(Office 365)の各種サービスへ接続可能なOfficeデスクトップアプリケーションのサポートが終了する永続版Office製品がありました。
以前にちょっと調べていた<MS製品のサポートやアップデートに変化あり? - treedown’s Report>の内容です。

■Office のバージョンと Microsoft 365 サービスへの接続
https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/endofsupport/microsoft-365-services-connectivity

その期限というのが2023年の10月、あと10ヶ月しかありません。うーんどうしよう。

対象となるMicrosoft 365(Office 365)の各種サービスというのは以下

  • Exchange Online
  • SharePoint Online
  • OneDrive for Bsiness

と、いったMicrosoft 365(旧Office 365)でオンラインで提供される機能です。

現在PC環境ではOffice2016をメインで使用しているのですが、同時にOutlook2016でExchange Onlineを利用していることから対処を検討する必要がある、という状況です。ちなみにメインストリームサポートフェーズだけで終了するOffice2019もOffice2016と同じ状況にあります。Office2019にすればなんとかなるというわけではないらしい。

過去のルール変更

元々は買い切り版となるOfficeパッケージ版から365の各種オンラインサービスへの接続をサポートする期間は、ポリシー変更によって「メインストリームサポートの5年間のみとする」という決定(というか方針変更というか)が2017年に公表されていました。同時にOffice 365 ProPlusをインストール可能なシステム要件の変更も公表しWindows8.1をサポート外にする期限なども公表しています。

■参考:Office 365 ProPlus に関する更新
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/blog/2017/04/20/office-365-proplus-updates/

これが、かなりシビアな足切りだったため、猶予期間を長めに取るという方針変更を翌年2018年に実施、Office2016から365オンラインサービスへの接続のサポート期限を2023年10月までサポートするという内容に変更となりました。
※ただ、この時点で永続版Officeの延長サポートフェーズにある製品から365オンラインサービスへの接続は非推奨となっています。

対象となる環境

このOffice2016でExchange Onlineなどを利用している環境は二種類あります。

まずはWindows 10 Pro(SACとかCBと呼ばれていた通常のWindows10)にOffice2016の永続版ライセンス製品がインストールされた環境。


次に、Windows 10の長期リリース版となるLTSB/LTSCに同じくOffice2016の永続版ライセンス製品がインストールされた環境。


問題になるのはこっちの移行のハードルです。

両方とも継続してWindows環境のOfficeと365オンラインサービスを使用するにはどうすればいいか?という条件で案を考えていきます。

案1:Microsoft365(旧Office 365)プランを変更する

Exchange Online等を利用している「Office 365 Business Essentials」プランは現在「Microsoft 365 Business Basic」という新プランに名称変更しておりこれにはOfficeデスクトップアプリケーションが含まれていません。

これを「Microsoft 365 Business Standard(旧名:Office 365 Business Premium)」にプラン変更して、既存のExchange Online等を利用しているプランにOfficeデスクトップアプリケーションを追加する、というのがスマートな対処になりそうです。

ただ、この場合、Windows10 LTSB(LTSC)環境ではOffice 365 ProPlusをインストールできない、という仕様が引っ掛かってしまうので対象の環境の片方しか条件である継続した利用を満たせないことになってしまいます。
※この制約は以前に<Windows10 LTSCの制約を調べ直した - treedown’s Report>で調べた内容です。

そうなると、Windows10 LTSB環境は(ライセンスがある前提で)Windows10 Proにインストールし直してからOfficeの更新、ということになるのですが、これだともう完全に環境再構築であと3年しか使うことができない環境にそれだけの手間が掛けられるのかという判断になります。

案2:Office Personal 2021永続版を購入する

OSのLTSBにはOfficeのLTSCということで、この案。

前述のサイトでも表記されていたのですがOffice 2021(LTSC)は2026年10月13日まで接続がサポートされるため、OSがWindows10 LTSB/LTSC環境ではOffice Personal 2021を購入して旧Office2016から入替えするという方法です。継続してWindows10のLTSB環境を使い続けるならこの選択肢しかなさそう。
Windows10 2016 LTSBの延長サポートフェーズの終了日は2026年10月13日とOffice2021(LTSC)と同じ終了日なので、環境を使い切る意味では非常にしっくりくる延命策です。

ちなみにOffice 2021(LTSC)のオンラインサービス接続サポート終了日である2026年10月13日は、Office 2021(LTSC)製品自体のメインストリームサポートフェーズ終了日とまったく同じです。(延長サポートフェーズは2021から提供されなくなりました。)

先立つものがないので、出費を最小限に抑えるとすると、Office 2021(LTSC)Personalを検討、価格はMicrosoftストアのコード版で\33,000程度の価格になっています。
https://www.microsoft.com/ja-JP/microsoft-365/p/office-personal-2021/CFQ7TTC0HHJB?activetab=pivot:%E6%A6%82%E8%A6%81tab

※ちなみにOffice Home & Business 2021は\39,000くらい
https://www.microsoft.com/ja-JP/microsoft-365/p/office-home-business-2021/CFQ7TTC0HPN4?activetab=pivot:%E6%A6%82%E8%A6%81tab

これくらいの出費はやむを得ないか。

ちなみに永続版は「2台のWindowsPCで使用できる」ライセンスなので、同一ユーザのデスクトップとノートPCである今回の環境は両方満たせることになります。PowerPointとAccessはしばらくOffice2016のものを使い続けることにして、2026年10月より前にMicrosoft365(旧Office 365)プランを変更しOffice 365 ProPlusデスクトップアプリケーションに移行する、という方向性になります。

現状のPCをそのまま活かすならこの案が一番変更点が少なくていいような気がしてきました。

さらにコストを削減するとしたら、Outlookだけを2021に入替えるという手も。
結局今回だけでいえばExchange Online=Outlookだけの問題なので、これだけなら、\15,000程度で済むのですが、将来的に考えるとPersonalくらいがちょうど良いような気もします。

※追記(2023-01-10):

以前の<Windows10 LTSCの制約を調べ直した - treedown’s Report>で記載していましたが、Office 2021(LTSC)のシステム要件は、ここ(リンク)に記載があるように、「Windows 11、Windows 10、Windows 10 LTSC 2021、Windows 10 LTSC 2019、Windows Server 2022、または Windows Server 2019」となっています。今回の対象環境であるLTSB 2016ではこの案は適用できない可能性が高そうです。(※追記ここまで)

案3:PCを買い換える

Office 2021(LTSC)購入が\33,000~\39,000とそれなりに費用が掛かることに加えて、Windows11のリリースから1年ちょっと経過していることを考えると、いきなり最終形であるWindows11+Microsoft365のOffice 365 ProPlusという環境に移行をしてしまう、という良いタイミングなんじゃないかという考え方もあるなぁと思い始めてきました。

Office 2021(LTSC)Personalを購入する金額にもうちょっと上乗せすることで一台PCが購入出来てしまうくらいの金額というのが主な動機です。

ひとまず、10月までの間で将来的にどうしようか考えつつ、どの方法を採るか判断していこうと思います。