Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024の試用版を試してみたので、Office LTSCバージョンも試してみました。
Microsoft Office LTSC 2024は2024年の上半期(たぶん4月18日)にプレビュー版が公開されています。これを試してみます。
インストール環境としては前回で試した評価版のWindows 11 IoT Enterprise LTSC 2024をせっかくなので使ってインストールしてみることにしました。
追記:(2024-09-18)
2024年9月16日Microsoft Office LTSC 2024がリリース、翌月10月に買い切り版(永続版ライセンスの)Office 2024発売予定のようです。(追記ここまで)
インストーラをダウンロード
インストールは旧来のISOファイルではなく、Office展開ツール(ODT)を使ってC2Rのsetup.exeをダウンロードし、応答ファイルの.xmlファイルを用意する必要があります。
早速ダウンロードしました。
※(インストールに必要な)Office Deployment Toolダウンロード
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
※Microsoft ダウンロードセンターからダウンロードする「officedeploymenttool_17830-20162.exe」が必要になります。
この後の手順や、インストール前にインストール環境を(インストール可能かどうか)確認する情報源として、以下のページが役に立ちます。
※Office LTSC プレビューをインストールする
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/ltsc/preview/install-ltsc-preview
インストール準備
ダウンロードしたODT「officedeploymenttool_17830-20162.exe」を使ってインストール準備を進めていきます。前述のようにMicrosoft Office LTSC 2024はISOやインストール.msiではないため、ODT(展開ツール)から生成されるsetup.exeを使うことになります。
実際のインストールは、
※Office LTSC 2021 を展開する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/ltsc/2021/deploy
も確認しながら、インストールに必要な「configuration.xml」の作成から実施していきます。
ODTが使用する.xmlファイルでインストールするOffice(今回はMicrosoft Office LTSC 2024)を指定したり、インストールに使うプロダクトキーやインストーラが要求する手動入力の情報を用意しておくことになります。以前は応答ファイルと呼ばれていたファイルと同じだと思います。
<Office LTSC プレビューをインストールする - Office | Microsoft Learn>に掲載されていたサンプルconfiguration.xmlファイル
--------------------------------------------------------------
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="PerpetualVL2024">
<Product ID="ProPlus2024Volume" PIDKEY="#####-#####-#####-#####-#####" >
<Language ID="en-us" />
</Product>
<Product ID="VisioPro2024Volume" PIDKEY="#####-#####-#####-#####-#####">
<Language ID="en-us" />
</Product>
<Product ID="ProjectPro2024Volume" PIDKEY="#####-#####-#####-#####-#####" >
<Language ID="en-us" />
</Product>
</Add>
<RemoveMSI />
<Property Name="AUTOACTIVATE" Value="1" />
</Configuration>
--------------------------------------------------------------
これを修正していきます。
まず、インストール対象はOfficeだけなので「Product ID="VisioPro2024Volume"」と「Product ID="ProjectPro2024Volume"」行は削除します。
インストール対象の「Product ID="ProPlus2024Volume"」行は<https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/ltsc/preview/install-ltsc-preview>に記載のある、「MAK を使用してアクティブ化する」のプロダクトキーを記載しておきます。
<Language ID="en-us" />は<Language ID="ja-JP"/>に書き換えました。日本語版を希望。
カスタマイズ後のサンプルconfiguration.xmlファイル
--------------------------------------------------------------
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="PerpetualVL2024">
<Product ID="ProPlus2024Volume" PIDKEY="Y63J7-9RNDJ-GD3BV-BDKBP-HH966">
<Language ID="ja-JP"/>
</Product>
</Add>
<RemoveMSI/>
<Property Name="AUTOACTIVATE" Value="1"/>
</Configuration>
--------------------------------------------------------------
PIDKEYの箇所に入力したプロダクトキーは「Office LTSC プレビューをインストールする<Office LTSC プレビューをインストールする - Office | Microsoft Learn>」に記載のある「MAK を使用してアクティブ化する」箇所で提示されている「商用プレビュー用 Office LTSC 2024」のMAKライセンス認証のプロダクトキー「Y63J7-9RNDJ-GD3BV-BDKBP-HH966」を記入しました。VisioやProjectのプレビュー版も同時にインストールするなら、これも追加しておいてもいいかもしてません。
ODT経由でOfficeインストールファイルをダウンロードする。
ここまでの手順を完了後、以下のようになります。
さっそくODTを実行。
チェックを入れて「Continue」をクリック、次の画面で、
ダウンロード先を選択します。「ダウンロード」フォルダを選択しました。
すぐに、
この画面が表示され、フォルダに、
「configuration-Office365-x64.xml」と「setup.exe」がダウンロードされます。
あとは、この「setup.exe」を使ってインストールを進めていけばいいようです。
前述の<Office LTSC 2021 を展開する - Office | Microsoft Learn>にあった手順をやってみます。
オフラインインストールファイルをダウンロードしてみる
「Office LTSC 2021 のインストール ファイルをダウンロードする」にあったコマンドライン「setup.exe /download configuration.xml」を実行してみました。
すると、
このように、「Office」フォルダが生成され、その中にインストールファイル一式がダウンロードされました。これをサーバの共有フォルダに配置してインストールができそうです。
ただ、今回はいろいろやってみる趣旨でもあるので、
「Office 展開ツールを使用して Office LTSC 2021 をインストールする」にあったコマンドライン「setup.exe /configure configuration.xml」で、直接インストールもやってみました。
C2Rインストールをやってみる
前述のようにコマンドライン「setup.exe /configure configuration.xml」を実行すると、画面中央に、
これが表示されます。待ちです。
しばらくすると、
この画面になって、インストールが進行していきます。
待っていると、
インストールが完了しました。
画面にはMicrosoft365 Officeと記載がありますが、.xmlファイルで指定したLTSC版のOfficeがちゃんとインストールされています。
このようにちゃんとインストールされていました。
起動してみる
初回起動でライセンスへの同意が要求されます。
この他、プライバシー関連のメッセージ表示もされます。
画面上の「閉じる」で閉じると、見慣れたOffice画面が起動しています。
Word画面です。
左上のウインドウタイトルが「Word Preview」となっていること以外は、製品版のWordとそう大差なさそうです。
Excelの画面です。
これも製品版と同様に使えます。プレビュー版で新しいOfficeを評価してみましょう。