treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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GPD Pocket4のKVMモジュールを標準機能で使ってみる

やりたかったけどしばらくできていなかったGPD Pocket4活用、今回KVMモジュール経由で他のPCの画面とキーボードをGPD Pocket4で表示し操作してみました。

前準備:HDMI入力用ソフトウェアセットアップ

KVMモジュールの活用に必要となるソフトウェア(デバイスドライバ)に該当する

HDMI_IN_Setup.msi

をインストールします。GPD Pocket4標準付属のソフトウェアです。

インストールはGPD現地の言葉で記載されるインストーラを「次へ」ボタンをクリックして進めていきます。

図は二回目のインストーラ起動の画面なので初回では表示されない画面となります。

特に選択をするようなところはないので、最後まで進めていけばインストールが完了します。

GPD Pocket 4 HDMI IN Toolを使う

インストールが完了すると、「HDMI IN」という名称のショートカットが生成されました。

これがGPD Pocket 4 HDMI IN Toolと思われます。早速起動してみました。

起動すると、

画面にHDMI IN v2.1.9の画面が表示されました。画面の案内に従って、ここで映像用のHDMIケーブルとキーボード操作用のUSB Type-Cケーブルを接続することになりそうです。

早速画面を接続してみました。(手前がGPD Pocket4)

画面を接続すると(おそらくHDMIからの映像入力信号を検出すると)HDMI INのアプリが全画面表示となりGPD Pocket 4のディスプレイ表示やキーボード操作がすべて、HDMIケーブル&USBケーブルで接続した先のPCのものになりました。

別のPCの表示と操作を手元のGPD Pocket4でやっているのですが、GPD Pocket4の操作をしているかのような操作感でKVMモジュール経由の他のPCを操作することができます。

デバイスはどう認識しているか

デバイスの認識について確認してみました。

まずキーボード(USB Type-C to Type-Aのケーブルで接続)は、GPD Pocket4が英語配列のキーボードですが、接続先のキーボードが日本語配列だった場合、日本語キーボードとして認識されました。このためGPD Pocket4のキーボードに刻印されている表示と異なるキーが入力されることになります。なので、簡単な操作なら十分使えると思いますが、記号の入力には多少苦労するかもしれません。

また画面は「Generic Monitor(HDMI Capture)」と認識していました。HDMI経由で接続したモバイルモニタと同様の動きをしてくれます。

ディスプレイの設定画面で、

「表示画面を複製する」でも「表示画面を拡張する」にしても、正常に動作してくれました。サーバルームの持ち運べるコンソールとして使う、という宣伝文句に嘘偽りなしといえそうです。ラックマウントのサーバの操作にも使えそうな感じがしました。全画面表示で外付けのモニタとキーボードを使っている感覚で使えます。

外付けキーボード(Bluetoothキーボード)はどうなる?

ここで、前回<GPD Pocket4でBluetooth接続の日本語キーボードを使う - treedown’s Report>認識させたBluetoothキーボードをGPD Pocket4で使うとどうなるかを確認してみました。

結論から言ってしまうと、GPD Pocket4内蔵のキーボードしかKVMモジュール経由での操作に使うことはできませんでした。

HDMI INアプリは全画面表示してあたかも操作対象のコンソールになっているような動きをしてくれますが、Bluetoothキーボードは直接KVMモジュールとやり取りができないため、HDMI INアプリ外の操作にしか使えません。(図中赤枠外の操作のみ)

HDMI INアプリで操作している他のPCはHDMIケーブルで接続することで信号を交換する画面と、USBケーブルで接続することで内蔵キーボードの入力データを送り込むことしか出来ない、という結論です。

※)ウインドウ表示にするとこの辺りの区別が分かりやすかったです。

HDMIアプリをウインドウ表示にすると、一見してVNCのような感じでBluetoothキーボードでも操作できそうなのですが、このウインドウ内の操作は内蔵キーボードでしかできないということですね。

ちなみにHDMI INアプリを閉じて(終了して)も、キーボードの操作自体はKVMモジュール経由で接続しているPC側の操作用になります。つまりKVMモジュール経由で接続している他のPCからUSBケーブルを取り外して、信号を受け取らないようにしないと内蔵キーボードではGPD Pocket4の操作ができません。(Bluetoothキーボードはこの使い分けにいいかもしれないと思いました。)

他のソフトウェアでも画面を開くことができる

ビデオフィードを取得できるソフトウェアであれば、今回使用したHDMI INアプリを使わなくても画面が取得可能です。

例えばVLC Palyerを使ってみました。

VLCのメニューから「メディア」⇒「キャプチャーデバイスを開く」を選択、

画面はデフォルト(DirectShow)のまま「再生」をクリックしてみました。


(※ビデオデバイス名の箇所で明示的にHDMI Captureを選択するのでも良いと思います。)

画面表示されます。

ちょっと荒いのですがたぶん設定で調整が必要なんだと思います。OBS Studioを使って画面表示している事例が多いので、恐らくVLC PlayerとかHDMI INを使わずOBS Studioを使うという人が多数派なのかもしれません。

KVMモジュール便利

ここまでで試してみたKVMモジュール経由でのPC操作ですが、想定していた(求めてきた)機能や性能は満たしてくれていました。

出先でRaspberry Piセットアップやコンソール操作などを想定していた機能ですが、これなら十分要求を満たしてくれそうです。(キーボードが日本語⇔英語レイアウトなのはどうするか考えたほうがよさそうですが)

このKVMモジュールで提供される機能は他のPCにはないGPD Pocketならではの機能なので、モバイルモニタの代替がモバイルPCでできるようになるというだけで荷物が減るというのは助かります。