treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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古いThinkPadをコンソール化できたら使えそうな気がする

最近考えていた、なんとなくの雑談。
気に入ったノートPCのディスプレイとキーボードだけ使えたら、役に立つと思う人もいるかと思いました。

なんとなく思っていること

こないだの話「ノートPCは持ち運べるコンソール環境になるのかも」の斜め上のはなし。

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質実剛健なノートPCであるThinkPadは、スペックが陳腐化してとても最近のOSでは動作しない状況でも、軽量Linuxなどに乗り換えるとタイプライター程度の通常利用には困らないくらいの使い方ができてしまいます。(もちろん個体差はありますけど)

軽量LinuxとRemminaの組み合わせ

古いThinkPadを活用の一環もあって、時間を見つけてちょくちょくRemminaを含めて軽量LinuxをThinkPadにインストールしては試しています。

リモートデスクトップ接続ならホスト側がしっかりWindows(エディションはPro以上)で動作していれば、RDPクライアント側は何だって大丈夫ということで、次期Windowsの動作要件から見捨てられたようなスペックのThinkPadでも軽作業なら難なくこなすことができてしまいます。(当然ですが、できないこともあります。)

これを、もう一歩進めた、ノートPCをサーバコンソールのように使う方法ってないの?という素朴な疑問から始まりました。

ノートPCはコンソールにならない(と思っていた)

例えばRaspberry Piをヘッドレス運用する、という環境で、メンテナンスや再インストール、初期キッティングのときだけ接続するディスプレイとキーボード(マウス)という操作デバイス。
あったほうが便利なのは間違いないのですが、一時的にしか使わないものなので、結局ネットワーク経由で何とかしてしまう人がほとんど。

サーバメンテナンスのときも19インチラックにマウントされているようなサーバじゃないところでは、ディスプレイにキーボードとマウスが用意されているとは限らない、そんな環境も多いです。

じゃあ、サーバコンソールのようにバッテリ駆動するThinkPadがヘッドレス運用されているサーバやRaspberry Piのコンソールになってくれたら、とても便利じゃない?と思っていたのですが、世の中はそううまくいかないものです。

結局、Raspberry PiならHDMI入力、一般的なIAサーバならアナログVGAやDVI端子などの入力端子が要求され、ThinkPadを含む通常のノートPCでは映像出力端子しか標準装備されていません。ネットワーク経由以外でノートPCのモニタに別PCの画面を表示させる、という芸当は出来ない、という結論でいったん落着いていました。

いくつかの例外

世の中にはニッチな製品もあるようで、この映像入力端子を備えたノートPCは富士通からLIFEBOOKシリーズの一部で提供されています。
本記事現在では、LIFEBOOK CHシリーズというPCが該当します。

LIFEBOOK CHシリーズ製品トップ
https://www.fmworld.net/fmv/ch/
 ここ↑の仕様をみるURL↓
https://www.fmworld.net/fmv/ch/2106/spec/?from=ch_float

仕様には「HDMI入力/HDMI出力端子×1」と記載があり、アナログVGA(アナログRGBと記載)出力も対応したHDMI入出力端子が搭載されていることが見て取れます。

Lenovo製品でも2021年8月6日発売のYoga Tab 13という製品でMicro HDMI入力端子を搭載したAndroidタブレットという変わり種の商品ということで、静かに注目を集めました。

Yoga Tab 13製品情報
https://www.lenovo.com/jp/ja/tablets/android-tablets/yoga-tablets-series/Lenovo-Yoga-Tab-13/p/WMD00000469

Yoga Tab 13はもう三年早く世に送り出されていたら、(モバイルモニタを購入する前なら)購入していた製品だなぁ、と思っていました。

とはいえ、こういった、外部からの入力を受け付ける前提での設計がノートPCでされていないと、ノートPCをコンソール化することはできないんだなぁと思っていました。

古いThinkPadをコンソール化する"コンソールキット"

ところが、この"古いThinkPadを別のPCのコンソールとして使う"ことを実現してくれる製品があることが分かりました。

そういえば、昔、隣の席のネットワークエンジニアがKVMをIP化する、とかシリアルポートの信号をイーサネット化してLAN経由でシリアルコンソールを操作する機械(確か記憶では"Spiderシリーズ"のどれかだったような気が)とか使っていたなぁ、似たようなのでコンソールをノートPCにINする機械ってないのかなぁ、なんて思いながら情報収集しているとAmazonが「あるよ。」って。

その一つが「StarTech.com」という会社の「NOTECONS02」というコンソールキット。

www.startech.com

見た目以外の違いが分からないけど、上位版っぽいのも

www.startech.com

ありました。

  

これをノートPCにUSB接続すると、外部のコンピュータからの映像出力やデータの入出力を受け取って、手元のノートPCの画面に表示したり、手元のノートPCのキーボードから操作できる、という純粋なコンソール化を実現してくれるようです。

他にも、別メーカの製品として「ATEN」という会社の「CV211CP」というコンソールキット。

www.aten.com

こっちは価格が先のNOTECONS02より安価なのが魅力です。

あと、D-Sub(アナログVGA)の接続に加えて、HDMIなどのデジタル端子も変換アダプタで利用できる点も魅力。

変換コネクタが付属しているくらいの差はありますが、どちらもできることは同じ。

Linux/Windows両対応を謳っており、将来的にLinux化が確実なThinkPadを含めて利用可能なことは魅力です。

ノートPC上にインストールされたアプリケーションの力を使って、USB経由にて接続されたPCやサーバ本体からの映像出力を受け取り、アプリ内に表示してくれます。(つまりネイティブじゃなくOS上で動作するアプリケーション画面内に、操作対象のヘッドレス運用端末の画面が表示される。)

キーボードやマウスの操作はUSB経由で本体に送り込まれる=USBキーボード/USBマウスとして認識される、ということになります。

そしてどっちも、"操作される側"には何もインストールしなくてよい、と言う点が魅力です。OS上で動作するわけではないため、"操作される側"のBIOS(UEFI)の操作からできちゃうようです。

どっちがイイの?

今回課題としていた用途では、メンテナンスやキッティングなどの一時的な作業を想定して、古いThinkPadをコンソール化できないか?という狙いだったので、
ATEN CV211CPが要望に合っていそうな感じがします。

ただ、恒常的にコンソール化して常時接続するような環境でもし使うようなことがあるとしたら、「レガシーデバイスや産業用端末に対応」と特徴に記載のある、NOTECONS02Xのほうがいいのかもしれません。ATMやキオスク端末をコンソール的に使うPCから操作する前提で設計されているようですし。

うーん、一つくらい欲しいなぁ、と思いますが、なかなかのお値段。迷います。

追加:Raspberry Piで

これらのKVM専用アダプタを見ていたのですが、Raspberry Piの拡張ボードに似たような機能を実現してくれる情報も発見しました。

fabcross.jp

これも、なかなかに魅力的に思えます。ただ、拡張ボードのキット(海外から発送なので送料もそれなりに掛かります。)に加えて、別売りのRaspberry Pi(メモリ2GB以上のRaspberry Pi 4が必要)本体とSD、USBケーブル、HDMIケーブルに電源ユニット、と必要な金額を足していくと、KVMコンソールに迫る予算が必要になりそうな感じがします。それなら既製品セットを購入した方が良いのかも、と思うところも。

でも、Raspberry PiでKVM over IPを実現する技術ってなかなか興味を惹かれます。将来のためにこういう選択肢もあるということは覚えておこうと思います。