treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ノートPCは持ち運べるコンソール環境になるのかも

本日はちょっとした雑談を。
(記事ができてない、とも言う)

Windows 365がリリース

去る8月2日Microsoftが新サービス「Windows 365」をリリースしました。
Azure Virtual Desktopと重複するようなサービスをわざわざ新サービスとしてリリースしているのですが、ライセンス面や月額の料金が使った分だけ従量課金となるAzure Virtual Desktopと違って、Windows 365はスペック固定の月額固定料金となる点が相違します。

昨今のパンデミックによるテレワーク環境の進化への需要に応えたという感じがしています。月額固定料金で分りやすいWindows 365がこれから徐々に浸透していきそう。

しかし、本記事では、特にこの辺のサービスに触れるわけではありません。

メインPC環境とモバイル環境の今と昔

主に自分の使い方を軸にした話になるのですが、PCがメイン環境とモバイル環境で二台を使い分けている前提において、最近ノートPCに要求するものが昔と変化していることを感じます。

昔は、どっちにもそれなりの性能が要求されていました。そして双方のデバイスで共通して使うデータをどのように持ち運ぶかが課題でした。例えば、
・モバイルPCの内蔵HDD内に事前に使用するファイルを(どうにかして)保存しておく
・USBメモリで持ち運ぶデータを保存しておく
・CFカードやSDカードなどをPCに入れっぱなしで、メインPCとデータ交換
というデータの受け渡しによって、
出先でやる作業だけをモバイルPCでこなしつつ、帰社(帰宅)したらメインPCにデータを移して続きをやる
という使い方でした。

その場合、データは「メインPC⇔モバイルPC」で行き来するのですが、インストールするソフトウェアは二台間で同じソフトウェアをインストールしておき、作業環境としては利用する複数台で統一しておく必要があります。
そのため、軽作業がメインだろうと思われるモバイルPCにも、昔はある程度の性能が要求されていました。メインPCの環境と同じ作業を同じソフトウェアで実行するためにはモバイルPCの環境にも同じ(ある程度似通った、が正しいかも)ソフトウェアが動作する性能が要求される、これが定石でした。

それがちょっと変わってきた

徐々にこれはLAN内のNASによって置き換えられましたが、基本はNASを介して二台のデバイスでデータを受け渡しするのは同じことでした。

しかし最近は、格安SIMでモバイルで利用するためのネットワーク環境も安価に高速な通信が利用可能ですし、VPNも個人で利用可能なくらいにフリーソフト・オープンソースが充実したり、ルータの付属機能としてVPNが選べる機種が安価に提供されていたり、と個人でもVPNが気軽に利用可能な状況にある昨今です。

ネットワークさえ繋がっていればリモートデスクトップ接続で外出先からメインPCをそのまま利用することができる、便利になったものです。

こうなるとメイン環境となるPCがいつでもどこでも利用できるのがベスト、という考え方に変わってきます。
さらにモバイルPCそのものはシンクライアントのような仕様に近くなり、「VPN接続ができて」「リモートデスクトップ接続が使える」だけの機能があればよい、という仕様に。

この考え方のもと、モバイルの利用用途となるノートPCは、
持ち運べる(バッテリ駆動する)コンソール
として利用するケースが多くなってきました。

コンソールとして重要なこと

やはり

  • 操作に困らない程度に見やすい画面解像度
  • キータイプしやすいキーボード
  • カーソル操作がしやすいポインティングデバイス

が重要になってきます。

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ThinkPadを結構な年月利用していることもあって、7列の(クラシック)キーボードとトラックポイントが一番しっくりきます。(これは慣れの問題だという側面が強いですが)
ただ、7列キーボードはもう新製品には搭載されていませんが。

自分が一番入力効率の高いキーボードと、自分が一番操作しやすい(操作する効率の良い)ポインティングデバイスがベストな環境だ、ってことです。

そして、これらがバッテリで駆動し、ソフトウェア的に要求されるのは

  1. VPNで自身のインフラに接続できること
  2. リモートデスクトップ接続でメイン環境のPCが操作できること

の二点が最低限必要となります。

ただ、最低限必要な要件を満たせば、それ以上の要件はあまり重要ではありません。つまりモバイルPCにそれほどの性能が要求されないところもポイントになります。

思ったこと

そうなると、最近時間を見つけてちょっとづつやっているRemminaを中心としたLinux環境がモバイルPCに一番合っているような感じがしてきます。

メインPCはWindows(Windows10/Windows11)を用意し、必要な性能や常用するソフトはここに集約、
外出先でPCを利用する場合にはリモートデスクトップ接続とVPNだけが利用可能なモバイルPCを持ち出してメインPCに接続して環境を利用する

という利用方法をするともうモバイルで利用するノートPCはほぼコンソール環境でしかないような。

Windows 365でWindowsというOS自体がサービス化されてしまったことで、そのうちメインPC環境までクラウド化されて、がらんどうのモバイルPCからリモートデスクトップ接続経由で利用するクラウド上のWindows環境だけで日々の業務が成立しちゃう、なんて未来もあるのかも、と思ったある日の夜。