GoogleがChromeOSでできなかったことを実現するために、PC用のOSを将来的にリリースする予定だというニュースを目にしました。
このニュースをみて思ったことをご報告です。
Googleのニュース
GoogleがPC向けのOSをリリースするというニュースを目にしました。
Googleが2026年に”PC向けOS”をリリースへ、ChromeOSとAndroidを統合し「Gemini」が中心に - ケータイ Watch
<https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/ishikawa/2050964.html>
PC向けのOS?既にChromeOSがあるじゃないかと思っていたのですが、どうもChromeOSをさらに発展させて、PC向けのOSを次の段階に進めようという動きに見えました。

内容が、ChromeOSとAndroidを統合したPC向けの新しいOSをリリースする方向性だという内容が記載されていました。
なんとなくWindows Phoneのときを思い出す
このニュースを読んだときに、何か昔WindowsPhoneに同じようなことを期待したな、と過去の自分を思い出しました。
WindowsPhoneは過去にMicrosoftがリリースしたスマートフォン向けのOSで、Windows8.1やWindows10と統合された環境を目指して過去のWindows CEから発展させたモバイルデバイス向けのOSとしてかつてはiOSやAndroidと並ぶ存在でした。
しかし、WindowsCEの過去の資産を切り捨てて勝負に出たモバイルOSでしたが、先行するAndroidやiOSに追い付くことなく市場から姿を消す結果となりました。PCとスマートフォンを統合しようとしてMicrosoftが失敗した過去があることで、今回のGoogleの動きは少し心配になる面もあるかなと頭に浮かんできました。
WindowsPhoneの失敗ポイント
WindowsPhoneのユーザだったこともあって、ある程度は失敗だったポイントは把握しています。
既に先行していたAndroidやiOSに比べてアプリの数が圧倒的に少なく、それをカバーするためにPC版の(Win32とかx86アプリと言われる)Windowsのアプリケーションをそのうち使えるようにするのかなと勝手に思っていたのですが、(最終的にそういうこともなく)あくまでWindowsCEの後継であるWindowsPhoneでは、定番と言われるジャンルのアプリでもその数は不足していたと言えます。
私は開発者でなくユーザの立場ですが、それでも併用するAndroidやiOSに比べると、あちらでできるのにこちらでできない、ということはそれなりに遭遇しました。
それでもWindowsCE時代にカシオペアというPDAを使っていたこともあるので、WindowsCE時代のアプリに互換性が出てくれば、なんて考えた時期もあるのですが、どうやらWindowsCEとはまったく互換性がなく、基盤となる技術が異なっていたためそれもできなかったようです。(WindowsPhoneとなってからはWindowsCE時代のWin32 APIベースを完全に廃止していたため、新しいSilverlight/.NETベースで再開発が必要になっていたらしいです。)
以前のWindowsCEやWindowsモバイル環境を切り捨てて、新しいWindowsPhoneという形でWindows10Mobileとして出発したWindowsPhoneでしたが、過去を切り捨てた上で既存の市場には既にAndroidとiOSという競争相手が大多数のユーザを獲得しているという状況では、WindowsPhoneが伸びる要素がなかったように思えます。
GoogleとMicrosoftが似ている?
ちょっと思ったのが、GoogleとMicrosoftはどちらもソフトウェアを主軸にハードウェアメーカにAndroidなりWindowsなりを提供する立場です。なんか今回のGoogleがPC向けOSをリリースする予定というニュースには以前のMicrosoft:WindowsPhoneと重なって見えるという。
AplleがiPhoneやMacBookをメーカとして設計・製作・製造しながら、そのOSであるiOSやMacOSも開発しているのに対して、MicrosoftはPC向けのWindowsを開発してPCメーカに提供しているのと、Googleがスマートフォン向けのAndroidを開発してスマートフォンメーカに提供しているのは、「統合された環境を自社で全て設計しているか」というポイントでMicrosoftやGoogleはハードウェアは他社で分業している点が共通しています。(ただMicrosoftはSurfaceシリーズがあるし、GoogleはPixelシリーズを自社開発しているので、以前とは状況が異なるというのもあります。)
今回の動き(新しいChromeOSでAndroidと統合されたPC向けOSを開発しリリースする)は、Microsoftと似た立場であるGoogleが、MicrosoftがWindowsPhoneで犯した失敗をなぞらないか、ちょっと心配です。
とはいえ期待したい
ここまでで、既に過去の話となったWindowsPhoneの失敗から心配な話をしていたものの、それでも個人的には期待したいと思うところもあって、今のところは期待と不安が半々というところです。
AndroidアプリがPCというデバイスで使えるようになるというのは便利だと思いますし、既存のChromeOSやLinux以上に存在感がある選択肢が増えるというのは、PCというデバイスの可能性を広げてくれそうな感じがします。できればChromeOS Flexのように無償で利用可能な選択肢もChromeOS時代と同様に新OSで残しておいてくれるとなお嬉しいですね。
以前<最近Chrome OS Flexが気になる - treedown’s Report>にて、公式のChromeOS Flexでも公式ながらGoogle Playアプリは使えないようで残念と思ったものですが、これがいよいよAndroidと統合されてくれば、ChromeOS上でAndroid向けアプリの使用ができることになります。
内容によってはLinuxを超える選択肢になるかもしれないですし、Googleがどのようにこれを進めていくのか見守りたいと思います。