treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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気になるThinkPhoneとWindows10の昔話

モトローラから発売された「Lenovo ThinkPhone by Motorola」をご存じでしょうか。
その記事を読んでいた時に、昔を思い出すことがありました。昔話です。

気になった記事

気になったのはLenovoとMicrosoftが共同して開発したThinkPhoneに関する機能の記事でした。

■スマホの負け組“マイクロソフト”、「10年越しの完成形」爆誕、敗者復活となるか?
https://www.sbbit.jp/article/cont1/126230

ThinkPhoneというのはモトローラが親会社であるLenovo ThinkPadの開発部門と共同開発したスマートフォンで、AndroidをOSとして採用、ハードウェアにはThinkPadを意識したデザインが取り入れられています。とはいえ1月の発表以降、日本の発売は未定のままだったと記憶しています。

記事を読むと、ThinkPhoneを小型PCのように使うことが出来るユニークな機能が新たに開発されたという内容が報じられています。

概要は、ThinkPhoneをモニタ接続するとWindows365へのアクセスが開始され、PCを使っているかのような作業が可能になるというものです。
ThinkPhone内にWindowsが搭載されているわけでなく、クラウド上のWindows365に接続してPC操作を実現しているところがポイントになりそうです。Microsoft Entra(旧名Azure AD)でサインインをしているのもポイントになりそうです。

「Windows 7 ケータイ F-07C」っぽい

OSを内蔵しているか、OSはクラウド上にあってリモート接続しているか、という違いはあるものの、考え方は「携帯電話でWindowsのフル機能を使う」という点で、昔その道の人たちに人気を集めた「Windows 7 ケータイ F-07C」に似ていると思いました。

F-07Cは携帯電話にPCと同一のWindows 7 Home PremiumをインストールしたれっきとしたWindowsPCとして利用可能なデバイスです。この時代に携帯電話サイズのデバイスではWindowsCEとかWindowsMobileというPDA用のOSが採用されていましたが、フル機能のWindows7が搭載されたという点がかなり目を引きました。

期間限定のライセンスだったとはいえOffice Professional 2010も搭載していたので、フル機能のWindowsPCが携帯電話サイズのデバイスで使える唯一無二の存在でした。

元々WindowsXP時代には、FMVシリーズのLOOX Uで小型PCを開発している実績があるメーカーだったこともあって、とうとうここまで極めたか、という印象を持ったものです。

残念なのはこれ以降、iPhoneやAndroidといったスマートフォンの進化がめざましく、さらにネットブックが流行したこともあってか、フル機能のWindows搭載小型PCはF-07Cが最初で最後だったように記憶しています。これが残念。

なんだか「Windows 10 Continuum」っぽい

F-07Cから時は流れて2015年、スマートフォン分野で出遅れたMicrosoftがWindows10 Mobileに「Continuum」という機能を実装して、携帯電話サイズのデバイスを小型ドック一つでPC化できる、という使い方を公開しました。

Microsoft Display Dockという小型のドックにモニタ、キーボード、マウスといったPC作業に必要となるデバイスを接続しておき、このドックにWindows10 Mobileが接続されたときに、Windows10 Mobileはデスクトップ版のWindows10のように使用することが出来るというものです。この機能を「Continuum」といい当時はかなり期待されていました。


※画像はContinuumと関係ありません。

F-07Cのようなフル機能のWindows小型デバイスにはどこかしら無理矢理感があったのに対して、Continuumの対象となるWindows10 Mobileは無料版Officeが搭載されていて、「スマートフォンの小さい画面ではビューアとして閲覧用」、「作成や編集はContinuum経由でPCを操作するように」という使い分けが出来ると期待されたものです。

でもContinuumって結局はマイナーで終わってしまいました。理由はまったく分からないのですが、AndroidやiPhoneと競わなきゃいけない後発のMicrosoftの製品が、Windows&Officeで独占しているPCという分野の置き換えを目玉としたのが問題だったのかなという気がしなくもないです。

考え方は魅力的だったけど…

PCメーカはデバイスにフル機能のWindows&Officeを内蔵することで小型PCの究極を目指して、MicrosoftはWindowsというOSそのものの構造を変えて小型PCを世に広めようとしましたが、いずれも長くは続かなかったという結果に終わっています。これが魅力的なのって少数派なのかも。(私は魅力的に感じますが)

物欲は刺激されるけど、実際に使うシチュエーションは…、というのが小型PCのポイントになるのかもしれません。加えて現在iPhoneやAndroidがハード・ソフト共に進化した現状である程度はできるようになっている、ここに割って入るってなかなか難しいのかも。