treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

※https化しました。その影響でしばらくリンク切れなどがあるかもしれませんが徐々に修正していきます。 リンク切れなどのお気づきの点がございましたらコメントなどでご指摘いただけますと助かります。

24H2でポイントになりそうなCopilot+ PCを調べてみる

Windows11の次期大型アップデート24H2の話題が活性化していますが、なんだか不安に思うところもあって、24H2のキーワードとなっている「Copilot+ PC」って何者かを調べてみることにしました。CSの勉強という感じです。

動機

不安になった記事は以下
■Windows 11 バージョン24H2に対応した更新プログラム「KB5039239」がリリースされる、ただしバージョン24H2を使えるのはCopilot+ PCのみ
https://gigazine.net/news/20240618-windows-11-build-26100-863/

24H2の動作に「Copilot+ PC」というキーワードが深く関わっていることが記事になっています。

ワードパッドが削除される話は以前<Windowsワードパッドが非推奨(Deprecated)となりAbiWord検討 - treedown’s Report>にて収集していたのですが、非推奨となった機能が削除される他にもいろいろと変更点がありそうです。

「Copilot+ PC」の要件であるNPUとは

「Copilot+ PC」は一言で表現すると、NPUベースのPCといえます。
ではNPUは何かというとNeural Processing Unitの略で、AIの処理を高速化するために設計されたプロセッサの名称となっています。

CPUがPCの処理全般、中央処理装置と呼ばれるのに対して、GPU(Graphics Processing Unit)は3Dグラフィックといった画像処理を行うときにCPUのような演算処理を担当します。
この関係と同じように、AI処理に特化して演算処理を実施するプロセッサとして、NPU(Neural Processing Unit)が搭載されたPCが今後主流になると言われています。

AIの処理は従来CPUやGPUで行ってきたのですが、NPUが搭載されることで、CPUやGPUで実行していた処理はNPUが肩代わりすることになります。
NPUというAI処理に特化した専用プロセッサが処理を実行することによって高速に消費電力も少なく実行できるようになるということのようです。

改めて「Copilot+ PC」とは

一定の性能(40TOPs)のあるNPUを搭載したPCで、AI処理の為に設計されたPCを「Copilot+ PC」と呼称しているようです。

Microsoft CopilotはMicrosoftがいま力を入れているAI機能で、Windows11(一部Windows10にも)には標準搭載されています。

いままでAI処理はクラウドに送信して結果だけクラウドから受け取るといった利用方法が主だったように思いますが、NPU搭載PCでローカル上のデータ処理だけでAIの処理が実行できるということのようです。

そして、NPUを搭載することで、AI処理の推奨環境としてハードウェアから対応したものを「Copilot+ PC」と称するようです。

Windows11 24H2

話は戻って、動機となった24H2は「Copilot+ PC」じゃないといけないのかと言えば、そうじゃなさそう。タイトルにつられて余計な心配をしてしまったようです。

Windows 11 24H2がリリースしたのはCopilot+ PC向けのWindows11の24H2が2024年6月18日のリリース、Copilot+ PCでない一般のWindows11PC向けには2024年9月~10月のリリース予定(従来通りの秋の大型アップデート)となる、ということのようです。

ただ、ちょっと気になる英語の記事もあって、

https://betanews.com/2024/06/18/microsoft-launches-windows-11-24h2-for-copilot-pcs-creating-a-confused-multi-tier-system-of-windows-users/

ここにMicrosoftの引用があるのですが、

https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/june-15-2024-kb5039239-os-build-26100-863-863c855f-b154-4991-b0dd-f2fc0b7bfe0b#ID0ELBD=Windows_Update&xcust=2-1-2370043-1-0-0&sref=https://www.pcworld.com/article/2370043

それが上記へのリンクで、ここには

--------------------------------------------------------------
Important: Windows 11, version 24H2 is targeting Copilot+ PCs devices and devices that were previously using Windows Insider 24H2 builds.

重要: Windows 11 バージョン 24H2 は、以前に Windows Insider 24H2 ビルドを使用していた Copilot+ PC デバイスとデバイスを対象としています。
--------------------------------------------------------------

という記載が見て取れます。

「Copilot+ PC」が24H2の対象という読み方もできますし、AIフル機能使いたいなら「Copilot+ PC」を必要とする(ようになる)という読み方もできなくはない、紛らわしい書き方です。

今回は大丈夫でも…、将来に不安

たぶんこの時点で性急な変更にならないだろうと予想しますが、将来的にAI機能をフル搭載してきたWindowsがリリースされると仮定すると、その内に一定の性能があるNPUを搭載した「Copilot+ PC」以外は次期Windowsにアップグレードできない、というようなこともあるかもしれません。

別にAIそんな使っていないんだけどなぁという環境も多く見掛けますので、Windows側でAIの強制がされると、また足切りの条件が厳しくなるなぁとちょっと不安が先立ちます。
Windows10からそうなのですが、そこじゃない感じが強い最近のMicrosoft Windowsがどこに向かっていくのか、注視しておきたい24H2のリリースになりそうです。
※現状Windows11 24H2はRelease Previewの段階でまだリリースしていません。