ちょっと気になったことをなんとなく調べてみて、なんとなく考えてみたことの記録です。
内容は非サポートPCでのWindows11利用について思ったことです。
今年の大型アップデート=24H2
Windows11リリースから一年に一回の大型アップデートとなり、今年24H2が秋にリリースすると言われています。
Windows11 24H2でCPU要件にSSE4a/SSE4.2が追加。Intel Coreプロセッサ以降のCPUじゃないとOSが起動しないようになったようです。
参考:
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/1568276.html
Google Chromeでよく聞く話ですが、CPUの内部命令セットを要件にすることで徐々にサポートPCの足切りを実施しています。Windows11のこの発表も似たような感じだと思いました。
とはいえWindows11では元々要件外のPCの話なので、非サポートPCでWindows11を使っていたら大型アップデートでこういうことになる、という話でしかありません。
非サポートPCの推測
Microsoftの公式には、最小のシステム要件を満たしていないPCにWindows11をインストールするにあたり、免責事項が提示されています。
■最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールする
ここに(以下抜粋)
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最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールした場合、以下の免責事項が適用されます。
この PC は、Windows 11 を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性が高く、より高品質のエクスペリエンスを保証するのに役立ちます。 この PC に Windows 11 をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。 Windows 11 のインストールを続行すると、PC はサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る資格がなくなります。 互換性の欠如による PC の損傷は、製造元の保証の対象外です。
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とあります。
よくMicrosoftが「非サポートPCでのWindows11環境ではWindows Updateが突如受け取れなくなることがあります。」という感じの注意喚起をしているのですが、おそらくWindows Updateの月例更新のことでなく、大型アップデートのことのような印象を(24H2の話を聞いた際に)受けました。
ちょっと興味が出たので、CPUの詳細を調べてみることにしました。
CPUの詳細をCPU-Zで調べる
CPUの詳細といえばCPU-Zです。以前に<https://blog.treedown.net/entry/2019/09/06/003000>にて命令セットを調べたように、今回もやってみます。
例えば、ThinkPad T440搭載のi5 4300Uを確認してみます。
Intel Core i5 4300U(Haswell ULT)
「Instructions sets」とある箇所に、
MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, EM64T, VT-x, AES, AVX, AVX2, FMA3
と表記がありました。
ここから二世代進んでThinkPad T460搭載のi5 6300Uと比べてみます。
Intel Core i5 6300U(Skylake-U/Y)
MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, EM64T, VT-x, AES, AVX, AVX2, FMA3, TSX
i5 4300Uとの違いは「TSX」の有無のようです。
TSXはハードウェアトランザクションメモリーを実現するテクノロジーと説明があります。
■インテル® プロセッサーのインテル® Transactional Synchronization Extensions (インテル® TSX) メモリーとパフォーマンス・モニタリング・アップデート
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000059422/processors.html
別のPCのほぼ同世代i5 i5-7Y57と比べてみましたが同じでした。
Intel Core i5 i5-7Y57(Kaby Lake-R)
MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, EM64T, VT-x, AES, AVX, AVX2, FMA3, TSX
このCPU搭載PCはThinkPad T460と同様と考えることができそうです。
もうちょっと古いCPUで比較に差が出るか確認してみました。Sandy Bridge世代のi5 2540Mと見比べてみます。
Intel Core i5-2540M(Sandy Bridge)
MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, EM64T, VT-x, AES, AVX
「TSX」の他、「AVX2」と「FMA3」もなくなりました。
AVX2は、従来のAVXでは128ビットまで可能だった整数演算が、二倍の256ビットまで拡張された命令セットです。
FMA3は、AVXで行う演算のなかで一部をFMAという命令セットで一回で処理するために使う命令セットのようです。
どちらもHaswell世代から搭載された命令セットなので、Sandy Bridge世代には搭載されていないのは納得。
意外とSandy Bridge世代でも結構命令セットがカバーされていました。
おまけで、昔取得したCore2Duo L7500の結果も貼っておきます。
MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, EM64T, VT-x
Core iになってからの搭載になる「SSE4.1」や「SSE4.2」が表示されなくなりました。
非サポートPCでWindows11使用には知識が必要
Windows11 24H2ではCPU要件にSSE4.2が追加され、要件の対象外PCではOS起動不可、ということが今後も別の命令セットで発生することはありそうです。
Windows10でも一部のAtomプロセッサ搭載PCが、大型アップデートの対象外になったことがあった記憶があります。
こういう情報が随時公開されるという保証もないのが非サポートPCでのWindows11利用ということだと思いました。
CPUをちょっと詳しく知っておくと、こういう点でも勉強になります。