前回「ノートアプリJoplinを使ってみる」でJoplinを導入してみましたが、そのときやっていなかったEvernoteのデータ移行を改めてやってみたのでご報告です。
Evernoteの無料プラン制限
Evernoteの無料プランは2023年12月に利用可能な制限事項が改定されました。内容としては今更な感じもしますがちょっと復習します。
https://help.evernote.com/hc/en-us/articles/23565231682323-Understanding-Evernote-Free-Plan-Limits-50-Notes-and-1-Notebook-Explained
※日本語
https://help.evernote.com/hc/ja/articles/23565231682323-Evernote-Free%E3%81%AE%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%A8%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E5%88%B6%E9%99%90-2023%E5%B9%B412%E6%9C%88
無料ユーザは、ノートブック×1、ノート×50のみ利用可能となり、それ以上の利用には有償プランの契約が必要になりました。
この制限を超えてEvernoteにノートやノートブックを保存している以前からのユーザは"新規に作成できない"状態で、既存のデータを(表示/編集/エクスポートなどで)利用することができる状態になっています。
つまり、現状でほぼアーカイブ状態になっている、そんなEvernoteデータをJoplinに移行してみるという内容が今回の作業です。
Evernoteのデータ移行
今回は、前回の「ノートアプリJoplinを使ってみる」とは別環境にテスト的に同期しないJoplin環境を用意してみました。
まずは、Evernoteからデータをエクスポートします。
Evernoteのノートブックを右クリックして、
メニューから「ノートをエクスポート」をクリックします。
エクスポート形式の選択が別画面で表示され、
選択肢の中から「ENEX形式=".enex"」でのエクスポートを選択します。
※必要に応じて、画面中の「オプション」ボタンから、エクスポート項目の指定もできます。デフォルトで全て選択されていたのでそのままエクスポートしてみました。
選択したら画面中の「エクスポート」ボタンをクリックします。
ファイルの保存先を指定するとエクスポートが完了します。
保存先には、「ノートブック名.enex」ファイルがノートブック別に生成されました。
Evernoteデータをインポート
ここからJoplin画面での操作になります。
Evernoteからエクスポートした.enex形式のファイルをインポートしていきます。
Joplinのメニューから「ファイル」⇒「インポート」を選択します。
インポートデータの形式を選択することになるのですが、ENEX-Evernoteエクスポートファイルには「HTMLとしてインポート」と「Markdownとしてインポート」の二つの選択肢が用意されていて、どちらにしようか迷います。
ひとまず、「HTMLとしてインポート」を選択して試しにノートをインポートしてみることにしました。
実際にインポートしてみた結果、特にエラーもなく、Evernoteで表現されていたノートがそのままJoplinで表示されることが確認できました。ただ、編集には(HTMLとしてインポートしたから)HTMLの記述方式での編集が必要となっています。
試しに、まったく同じノートブックを「Markdownとしてインポート」でJoplinへインポートし、同じノートの見え方を比べてみました。
編集画面領域はMarkdown記法が適用され、HTMLとは異なる編集画面となっています。
テキストベースのノートは「Markdownとしてインポート」の方が扱いやすい(HTMLタグが編集画面にないので)ような印象がありましたが、「HTMLとしてインポート」と比べて「Markdownとしてインポート」の方がノートブックのレイアウトが崩れているノートが多いような印象がありました。
どっちを選んだらいい?
ENEX形式(.enexファイル)インポートの際の判断基準を考えてみました。
「HTMLとしてインポート」を選択する場合
- 見た目重視=書式設定を維持したい=閲覧中心のノートが多い
- HTML編集に自信がある=編集にはHTMLタグの知識が必要になりそう
「Markdownとしてインポート」を選択する場合
- Joplinにインポートしたノートを編集する可能性がある=Markdownは編集が容易
- HTMLタグとMarkdown記法のどちらも知らない=Markdownの方が容易
つまり、繰り返しになりますが、インポートしたノートを(すぐにでも将来的にでも)編集したい場合にはMarkdownにしておいたほうが良いと言えそうです。
インポートしたノートを編集せず閲覧するだけ(例:Webクリップのノートブックだから)で記事内のテキストが検索できたり、Evernoteで付けたタグで情報を引き出すだけが目的のノートブックであればHTMLとしてインポートを選択しておいたほうがEvernoteで閲覧していたノートの見た目そのままを再現してくれるので、移行と考えると適していると言えそうです。
今更Evernoteからの移行、というわけでもないけど
今回はEvernoteエクスポートファイルをJoplinにインポートしてみました。
Evernoteの無料プランで制限が厳しくなる前にOneNoteに移行していたこともあり、やや旬を逃した内容となってしまいましたが、Evernoteの無料プランで(現在の制限を超えた過去の)既存データをいつまで保持してくれるかは不明なこともあり、ローカルアプリケーションであるJoplin環境にアーカイブとして保存しておくだけでも安心感があります。(Evernote上でデータ削除されたとしても、JoplinのローカルデータにEvernoteからエクスポートしたデータが保存されていればバックアップになるので)
Joplinに使い慣れてきたら、OneNoteが不具合で微妙な動作をする時、Joplinが新たな選択肢になってくれるかもしれません。