Outlookが起動しなくなった、という連絡を受けて対処することになったので、調査したこととか切り分けに試したことをご報告します。
追記:(2026-01-20):
Windows Updateと関連している問題の可能性もあるのですが、現状では関係性は不明です。今回は純粋に.pstファイルの破損と結論づけましたが、同時期のWindows Updateで同じ症状が発生しているケースでもあります。気になる場合には別記事<2026年1月のWindows Update - treedown’s Report>の文末に記載の追記部分もご確認ください。
症状
連絡としてきたのは「Outlookが起動しなくなった」という連絡です。実際はもうちょっとざっくりした話でしたが、もうちょっと聞いてみると「最初は起動していたがOutlookが動作しなくなって閉じたらOutlookが起動しなくなった」という話でした。
対象のPCはWindows 11 ProでOffice 365 Pro PlusのOutlook(classic)をPOP受信で使っているメール環境です。問題になることが多いセキュリティソフトはWindows Defenderなので今回は考慮外とします。
対象のPCを確認してみたところ、確かにOutlookのアイコンをクリックしても起動しなくなっていました。
タスクマネージャを開くと、

このように起動していないOutlookのプロセスが表示されています。これを、

タスクの終了でいったん削除すると、Outlook自体は起動してきます。
起動してくるOutlookは、数分程度起動したままにすると、

このように(応答なし)と表示が出て、Outlookが動作を停止してしまいます。
応答なしとなったOutlookは画面が閉じても前述のようにタスクマネージャ上では起動したままになっていて、この状態ではOutlookは起動しないという動きを見せています。
Outlookをセーフモードで起動してみる
まずOutlookをセーフモードで起動してみて、通常起動との差を確認してみることにしました。以前にも<Outlookがクラッシュする?=現在は解消したらしい - treedown’s Report>をはじめとしてOutlookの不具合の時はこれで切り分けができることがあります。
コマンド<"C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\OUTLOOK.EXE" /safe>を実行することで、Outlookをセーフモードで起動することができます。
タスクマネージャの詳細タブでプロセスを見ながらやってみると、「OUTLOOK.EXE」プロセスが一つ存在していて、OUTLOOK.EXE /safeを実行すると、OUTLOOK.EXEプロセスが二つにになりますが、一つは数秒経過するとプロセスがなくなります。
ん?ああ、プロセスが残っていると起動しないのでした。うっかりしていました。
タスクマネージャからOUTLOOK.EXEをタスクの終了で終了し、プロセスとしてOUTLOOK.EXEは存在していない状態で、もう一度/safe付きのOutlook起動を試してみます。
結果は、セーフモードでも同じタイミングで応答なしとなることもあれば、「×」ボタンで閉じてOutlookは正常に閉じたと思った(応答なし、にはならなくて正常に閉じたと思われます。)Outlookがタスクマネージャの詳細画面にOUTLOOK.EXEプロセスの表示は残して正常に終了しない、という症状になりました。
セーフモードか通常起動かで動作の差異はなさそうです。
アドインを無効にしてみる
次にOutlookのアドインが問題になっているかもと考えて、アドインを無効にしてみました。
起動してしばらくは動作するので、応答なしになる前に素早くOutlookの画面からオプション画面を開きます。

オプション画面から「アドイン」を選択、画面下の「管理:」とある箇所の「設定」をクリックします。
クリックすると、

この画面が開くので、有効を示すチェックボックスを外していきます。

全部アドインを外しました。
これで、

このように「アクティブでないアプリケーションアドイン」にアドインの一覧が表示され、アドインがすべて無効になった状態でOutlookの動作を確認してみることができます。
結論は、症状が再発したので、アドインは関係ない(かもしれない)という結論ですが、アドインが(この画面のように)無効のまましばらく調査を継続しました。
プロファイルを作り直してみる
Outlookのプロファイルを作り直してみて、動作を確認してみることにしました。
最近のOutlook(classic)はコントロールパネルの「Mail(Microsoft Outlook)」から開くほうが操作がやりやすいです。

開いた画面から「プロファイルの表示」を選択して、プロファイルの画面を開きます。

プロファイルはデフォルトの(プロファイル名:Outlook)のみとなっています。ここで「追加」をクリックして

新しいプロファイル(テスト用にTestProfileにしました。)を作成して

自動的に表示されるアカウントの追加で、問題が発生しているユーザのメール設定を入力していきます。メールデータを失わないために、途中の設定で

「サーバーにメッセージのコピーを置く」はデフォルト有効だけど有効なことを確認しつつ、「サーバから削除する ○日後」のチェックを外しておきます。(全部サーバに残るようにアカウント設定を作っておく、テストなので。)
新たにプロファイルを作成し(既存のプロファイルはそのままの状態で残し)て、Outlook上にもう一つメール環境を用意したところ、Outlook起動後にしばらく待っても応答なしにならないし、「×」ボタンで閉じようとしたときに応答なしになっていた症状も発生することなく、Outlookを終了するとタスクマネージャからOUTLOOK.EXEプロセスが消えるのを確認、これを複数回実行しても症状が発生しないことまで確認ができました。
と、いうことはプロファイル作り直しでOKだったということ?
もう一山ある、PSTファイル
しかし、肝心のユーザが使用するオリジナルの.pstファイルを再生成したプロファイルで使おうとしたら、応答なしの症状が再発してきました。
旧プロファイルで使っていた.pstファイルを追加して読み込まれるようにすればいいと考えていたのですが、そうでもないようです。
Outlookのプロファイルを別途(テスト用にTESTprofileという名前で)作成した際、.PSTファイルも<%mailaddres% - TESTprofile.pst>という名前で新規に生成されています。
つまりプロファイルも.pstファイルも新規作成されているので、応答なしの症状が発生しなくなった、と考えると、旧環境の問題は.pstファイルの破損が原因じゃないかとの考えに至りました。
そこで「受信トレイ修復ツール」を使って.pstファイルをチェックしてみます。
受信トレイ修復ツール
破損した.pstファイルをチェックして修復してくれるツールです。(ただし、万が一のため、これを実施する前にオリジナルのPSTファイルはコピーしてバックアップを複数用意しておきましょう。ツールによってPSTファイルが読めなくなるかもしれませんから。)
起動パス:
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
実行すると、

Microsoft Outlook 受信トレイ修復ツールが起動してきます。
ここで、応答なしを引き起こすと考えられるオリジナルのユーザ用PSTファイルを指定します。
「開始」をクリックし、

エラー検出後に「修復」を選択します。画面を取り忘れたのですがこのあと修復完了のメッセージ「修復が完了しました」が表示され、.logファイルが生成されていました。ログファイル内に「Failed to add row to the FLT, irow = 00, RowID = 000000」というメッセージが多数記録されていたので何かエラーがあったのだと思われます。
また、修復した.pstファイルは破損したファイルと容量が異なっていたので、何かしらの修復が動作したと思えます。
修復した.pstファイルを配置して、すでに作成済みの新規プロファイルでOutlookを起動します。
結果は、この修復が効いたようで、Outlookは時間経過でも応答なしにならず、「×」ボタンで閉じる動作なども問題なく終了(タスクマネージャにプロセスが残存しない)することが確認できました。
アドインを戻して終了
PST破損が原因だった=いま修復済みの.pstファイルだから応答なしが発生しない、と考えられますが、アドオンはまだ戻していないので、アドオンを元に戻した検証をやる必要はあります。
最後に、アドインが以前のまますべて有効化された状態のOutlookでも、応答なしにならず通常動作することを確認できました。
結論としてあれこれ調べて遠回りしてしまった感じはあるものの、今回の問題は.pstファイルの破損、ということで結論が出ました。何とか対処完了です。