treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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DebianのGUI環境を評価してみる

Debian 12 bookwormリリースということもあって、改めてDebian で選択可能なGUI環境を触ってみましたのでご報告です。

ほとんど個人のメモです。

インストール時に選択できるGUI環境

Windowsと違ってLinuxではディストリビューションの選択と共に、インストール時にどのようなGUI環境を選択するかもPCの使い勝手を左右する選択肢となっています。

OSインストールの際に、どんなGUI環境を使用するか選択できます。

いつも同じ(手堅く)GUI環境を選択しているのですが、どういう基準で選んでいるかを書き出してみることにしました。

GNOME(グノーム/ノーム)

DebianといえばGnomeが長いこと標準環境でした。個人的にはGnome3から積極的に選ばなくなったGUIです。

標準デスクトップ環境=GnomeだけあってLinuxデスクトップ環境の進化という意味ではGnomeの進化がそのまま該当しそうです。ただ個人的にmacOSのUIに寄っていったあたりから直感的に使いにくくなってしまいました。Windowsユーザなもので。

あと、マシンパワーが要求されます。ストレージがHDDだとか古いPCでCPUが貧弱だと動作が緩慢。

Xfce(エックスエフシーイー)

軽量さと直感的な使いやすさを兼ね備えた人気デスクトップ環境です。Ubuntuユーザが好んでいる印象のデスクトップ環境というイメージです。

これだけはちょっと使ったことがなくてなんとも言えない感じです。良さそうではあるので、そのうち使って見る機会はあるかもしれません。

KDE/KDE Plasma(ケーディーイー)

Core iシリーズになってからのプロセッサを搭載したPCにインストールするなら選択しようかなと思うデスクトップ環境です。
Windowsっぽい環境で使いやすそう。

個人的にはTDE(Trinity Desktop Environment)環境で動作するQ4OSを使っていたこともあるのでKDEよりTDEのほうがなじみがあります。WindowsXPっぽい外見に仕上げることができました。

Cinnamon(シナモン)

Linux Mintのために開発されたデスクトップ環境です。そこから他のディストリビューションに採用され、Debianでも選択できるようになりました。

個人的にある程度スペックがあればCinnamonを選択しています。KDEより軽いけどMATEよりちょっと重い印象です。例えば、初期のNUC(CPUがIntel Celeron847)ではちょっと動きが悪いけど動かないほどではない感じ。
参考:Debianのxrdp環境を整備してCinnamonとMATEを比べる - treedown’s Report

MATE(マテ)

Gnome 2でいいんだ、という世間の声を形にしたGUIだと個人的には思っているデスクトップ環境です。

Core2Duoの世代でもマズマズ動作してくれます。軽いけど使いやすいバランスが取れていると感じるデスクトップ環境だと思います。Cinnamonデスクトップ同様Linux Mintと関係性の深いGUIです。個人的にはなにもこだわりがないときはMATEを使っておく感じです。

脱線する小話ですが、昔PC98シリーズに98MATE(キューハチメイト)という機種があったけど、DebianでMATEとなるとマテと読みます。マテ茶が名前の由来となったそうです。

LXDE(エルエックスディーイー)

最軽量デスクトップ環境の双璧。ここまでのデスクトップ環境ではPentium M世代のCPUを搭載したPCでは使用に耐えうる感じではないのですが、LXDEならそんな旧世代PCでもDebianがまずまず動作してくれます。

画面はThinkPad X40にインストールしてあるDebian 11 bullseyeです。ちょっと持ち運んでRemminaでWindowsデスクトップにRDP接続するくらいの使い方なら、DebianのLXDE環境がちょうどいい感じです。
ただ将来を考えると次のLXQtに分がありそうです。

LXQt(エルエックスキューティー)

最軽量デスクトップ環境の双璧。Pentium M世代のPCで使うならLXDEかこのLXQtの二択になりそうです。
LXDEの後継バージョンがLXQtなので、同じものといえば同じものですが、Debianでは別物としてインストール画面に表示されます。(GTKベースで動作するLXDEとQtベースで動作するLXQtは別物ということだと思います。)

画面はThinkPad X31にインストールしてあるDebian 11 bullseyeのLXQt環境です。ハードウェアが調子悪いのですが、ハードウェアに問題なければこの世代のPCでも軽快に動作してくれます。

まとめ・お勧め

個人的なデスクトップ環境の選択基準です。

Windows10世代のCoreiシリーズのPCならKDEやCinnamonデスクトップを使います。Windows10と同様のスペックならどれでも満足に動作してくれそうです。

Coreiシリーズの初期タイプ(例えばSandy Bridge世代)ならCinnamonデスクトップが扱いやすいかなという印象です。

これが、Core 2 Duo/Core Duoになるとちょっと処理能力が落ちるのでMATEを選択したほうがいいかなという感じです。この世代だとメモリも4GB程度でしょうしMATEがちょうど良い選択肢になりそうです。

これ以下の性能となるPentium M世代だと選択肢はLXDE/LXQtです。Core DuoでCinnamonデスクトップを使うとちょっと引っ掛かるような使用感になるのと同様に、PentiumM世代ではMATEデスクトップではちょっと引っ掛かるような使用感です。Debian GNU/Linuxは軽量なOSですが選択するデスクトップ環境によっては性能が要求されてしまいます。最も性能が要求されないデスクトップ環境がLXDE/LXQtです。単機能に絞るなら結構動きます。