ちょっとした雑談。それは遠い90年代の話。
その頃はまだパソコンは一般的なデバイスでなく一部のマニアの所有物でした。当然ですが、スマートフォンすらなく、携帯電話も珍しい(一部お金持ちが車載電話を使っている)ような時代でした。
90年代ある日の会話
就職活動中のこと、二年制で一足先に就職して働いていた友人と話をして情報収集をすることがありました。
「そういえばワープロ、何使ってる?」
「一太郎かなぁ、中学・高校から一太郎だよね。」
「じゃあ、表計算ソフトは何使ってる?」
「Lotus1-2-3、でしょ?これも高校からずーっと同じだよ。」
「オマエは甘いな!」
友人から一言。
「もう、そんな時代は終わっているんだよ。これからはワープロならWordだし表計算ソフトならExcelを使えないと就職には有利に働かないぞ。」
「え?そうなん?そんなん関係あるもの?」
「大ありだよ。きょうびLotus1-2-3が使えるからって就職で有利にはならんぞ。でもExcelなら別だ、有利に働く。時代遅れだよ。」
何の根拠か、というのはあまりよく分からなかったが、ひとまず先に就職活動を終えた先人の話を聞いておくようにしていました。
話はOS環境に及ぶ
「オマエさ、まだMS-DOS環境使ってるだろ?」
うーん、確かに。その頃はPC-9821NeというノートPCと同時に用意したMS-DOS 6.2を使っていました。
「それは、もう古い!時代はWindowsだぞ。」
「従って、日本語入力もATOKを利用している場合ではない、MS-IMEに変えるほうがいい。就職活動を有利に進めたいのなら、だ。」
あくまでもこの友人の主観ですが、当時はまるごと信じてしまいました。
※のちに、これほどの温度感ってわけじゃないってのを知ることになります。
90年代半ばにはWindows95の大ヒットによってMicrosoftはOfficeのシェアも大幅に伸ばしており、世の中Microsoft Officeは使えて当たり前の世の中になっていきました。
一方で、過去にスタンダードと思われていた日本語ワープロなら一太郎、お絵かきソフト花子、表計算ならLotus1-2-3という定番はどうもマイナー側になっているようでした。
このときは別に世の中の定番なんて知らないし、インターネットによる情報収集も一般的ではなかった時代なので世の中の動向なんて口コミで伝え聞くくらいしか情報源はなかったものです。
しかし、20年以上の時を経て
今年2019年、久々にMS-IMEから戻ってきたATOKメインの日本語入力環境を使い始めています。
使ってみればスムーズな日本語入力そのもの、うーんやはり日本語入力環境は日本人が日本人のために作ってくれた製品を使うのが一番満足度が高いのね、と改めて思いました。(※MS-IMEの開発は日本語環境でも外国にシフトして長いらしいです。又聞きですが。)
会社勤めをしているときには社のPCはおしなべてMS-IMEだったのでATOKを使えるような状況ではなかったわけです。(環境は全社統一の仕様になるので)
情報システム部門としてはMS-IMEに精通することも要求されるので、自分の環境はMS-IMEで統一しておくほうが価値が高かったのですが、フリーになって現状、あまりMS-IMEにこだわる必要性も低くなってきた状況もあり、さらにMS-IMEの質の低下が身にしみて実感(実害が出るようになった、って方が正しいかも)するようになったところで、有償であるATOKへの切り替えは満足度の高い切り替えとなりました。
MS-IMEのように日本語環境はOSやOfficeの付属品=無償で使える=これ一択、という公式が自分の中にありましたが、これからは
「能動的に日本語環境は選択していく」
という時代なのかもしれません。有料のATOKをわざわざ導入するか、という点は仕事にもよるとは思うけど、導入してみて実感したのはATOKは入力が快適です。
だからって一太郎に戻るか、といわれると、それはちょっと辛いかな。