treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ThinkPad X13の故障で対処をする

ThinkPad X13 Gen4に問題が発生したので、中を開けてSSDの無事を確認することになりました。
実施した内容をご報告です。

問題発生

「飲料をこぼしてしまいました。」

こう連絡が入ったのはある日の夕方、ユーザの使用する1台のThinkPad X13 Gen4で水かぶりが発生したらしい、そんな連絡でした。

飲料、ということで純粋な水と違って単純に乾かせばOKということでもなさそうです。なんだか良くない感じがします。

とりあえず、その連絡を受けた時には電源をOFFにし、しっかり乾燥させる(PC内に入り込んだ水分がなくなるまで事前乾燥で乾かすという意味で)必要があることを伝えて、代替機で業務実施という話になりました。

しかし、その後に乾燥されたかどうか不明なところで何度か電源投入を試みてしまったようで、「PCの電源が入らない」という話が出てきました。(たぶんまだ乾燥してないと思うけどなぁ。と思ったけど敢えて発言は控えておきました。)

結論としてメーカ修理が必要になったということで、せめてPC内のSSDからデータは救出できないかを確認することになりました。

裏蓋を取り外す

ThinkPad X13 Gen4(以下ThinkPad X13と表記)からSSDを取り出してデータが取り出せるかをやってみました。

まず作業前に、ハードウェア保守マニュアルをダウンロードし、内容を確認しながら作業を実施していきました。
■Lenovo:ThinkPad X13 Gen 4 (マシンタイプ 21EX, 21EY) ノートブック:ガイドとマニュアル
https://pcsupport.lenovo.com/jp/ja/products/laptops-and-netbooks/thinkpad-x-series-laptops/thinkpad-x13-gen-4-type-21ex-21ey/document-userguide

※ThinkPad X13 Gen4はマシンタイプによって複数の種類があるのでサポートページから該当するマシンタイプを選択して、ドキュメントページを参照するようにします。

ハードウェア保守マニュアルのベースカバーアセンブリの取り外し手順から実施していきます。

裏返したThinkPad X13からネジを外していきます。

ネジは紛失防止のためベースカバーアセンブリから外れないようになっています。内部のシステムボードから外れていれば大丈夫です。

ネジが外れるほどに緩んだ状態で、爪で固定されたベースカバーアセンブリを取り外していきます。
ハードウェア保守マニュアルを見る限りでは、

このようにヒンジ側の爪から外していくような感じの表記が見えます。そこで、

この向きで爪を外していくことにしました。爪を折らないように何とかベースカバーアセンブリが外せました。

SSDを取り出す

ベースカバーアセンブリを取り外すと、システムボードとシステムボードに搭載された部品たちが姿を現します。

中央のCPUファンの下にあるのがSSDです。NVMeのM.2.SSDで、メーカはWD、型番はSN740 NVMでした。

ネジを外して、SSDを取り外しました。順調です。

以前別の用件でNVMeのM.2 SSDからデータ回収するために購入していた
「玄人志向 STANDARDシリーズ PCI-Express x4接続 M.2スロット増設インターフェースボード M.2-PCIE」
<https://amzn.to/4dq80EZ>

を使ってデータ救出用のデスクトップPCに接続しました。

SSD認識、データ救出

ディスクの管理(diskmgmt.msc)で確認してみたところ、NTFSのパーティションのひとつとして無事認識されました。

PCIe経由で接続されたSSDのほうが優先されるのか、システムパーティション(C:\)として使用しているディスクよりも若いディスク0(のD:\)として認識しました。

エクスプローラでファイルにアクセスができるので、SSD自体は問題なく(少なくとも救出したいユーザデータが書き込まれている領域では)無事データの読み書きができました。外付けドライブとして認識したくだんのSSDからデータの救出を実施することができました。

事後処理

データの回収が完了したので、修理に出すためにSSD全体のデータ消去を実施するかどうかをユーザに確認するようにします。(まだ未実施)

ひとまず水かぶりで起動しなくなったPCのSSDということで、データの読み書きも不能になっている可能性もありましたが、今回は何とかSSDはデータを保持していたので、データの回収は成功しました。不幸中の幸いでした。