かなり今更なWMICという技術ですが、ちょっと検証してみることがあったのでご報告です。
Windows11の最新バージョンでは既に非推奨となっている機能なのでご注意ください。
始めに
WMICコマンドは過去のWindowsバージョンでWindowsの管理に使われていたコマンド(とサブコマンドのセット)です。
現在ではWMICコマンドで取得可能なWMI情報はPowerShellの「Get-WmiObject」を使うことがおおいためWMICコマンドの出番は少なくなっています。
WMICとは
Windows Management Instrumentation CommandLineの略で、頭文字を取ってWMICと呼ばれています。
Windows Management Instrumentation(=WMI)の情報を取得したり、それらの情報を元にWindowsの管理を実施するコマンドベースのインターフェースがWMICです。
コマンドラインの有用性が見直しされた以前の世代のWindowsで、Windowsそのものを管理する(情報収集や設定実施などに使う)ために搭載された機能です。
■WMIC: WMI コマンドライン ユーティリティ
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/wmisdk/wmic
■Windows Management Instrumentation コマンドラインの使用
https://learn.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/windows/it-pro/windows-server-2003/cc779482(v=ws.10)
ただし、WMICコマンドはWindows11で非推奨機能となっており、24H2の新規インストール時には既定では無効化(有効になっていないのでWMICコマンドがない状態)されています。23H2以前のWindows11から24H2へアップグレードした環境ではWMICコマンドは利用可能です。今回はWMICコマンドが利用可能な環境であることが前提となります。
WMICのコマンドプロンプトを開く
コマンドプロンプトを開いて「wmic」と入力します。

C:\temp>wmic
wmic:root\cli>
コマンドプロンプトが「wmic:root\cli>」となれば、WMICのコマンド受け付けができる状態になっています。
このプロンプト「wmic:root\cli>」に続けてコマンドを入力していきます。
WMICコマンドでアプリケーション一覧を確認する
「wmic:root\cli>」のプロンプトで以下のように入力します。
product get name
するとインストール済のアプリケーションのリストが表示されます。

ただ、全部のアプリケーションが表示されるわけではなさそう。
PowerShellで同じリストを表示させるときは、
Get-WmiObject Win32_Product | Select-Object Name,Vendor,Version,Caption
と入力して実行します。

こっちの方が表示される情報が多くて、使える情報が多いかも。
WMICコマンドでPCのシリアル番号を調べる
PCのシリアル番号を収集するときは
wmic:root\cli>csproduct get identifyingnumber
とします。
「IdentifyingNumber」に続いてPCのシリアル番号が画面表示されます。

PowerShellで同じ情報を表示させるときは、
Get-WmiObject -Class Win32_bios | Select SerialNumber
と入力して実行します。

「Get-WmiObject -Class Win32_bios」はBIOS情報を一括表示するコマンドレットです。
WMICコマンドでアンインストール
前述の「product get name」で情報が取得できるアプリケーションならWMICコマンド経由でのアンインストールが可能です。テスト環境でやってみました。
この環境で、

「product get name」で取得できる、

Adobe Readerをアンインストールしてみます。
アンインストールは、
「product where name="Adobe Acrobat Reader - Japanese" call uninstall」
と入力します。
「name=」に続ける名前は、「product get name」で取得したアプリケーションの名称をコピー&ペーストで貼り付けし、それに続けて「call uninstall」でアンインストールを指示できます。
また、「product get name」までは通常のコマンドプロンプトで実行可能ですが、アンインストールは「管理者:コマンドプロンプト」でのWMICコマンド実行が必要になります。別途コマンドプロンプトを管理者として実行し、WMICコマンドを実行します。
コマンドを実行すると、

このように、
「(\\%COMPUTERNAME%\ROOT\CIMV2:Win32_Product.IdentifyingNumber="{%アプリケーションのGUID%}",Name="Adobe Acrobat Reader - Japanese",Version="25.001.20432")->Uninstall() を実行しますか(Y/N/?)?」
と表示されるので、「Y」と入力してEnterキーを押下します。
しばらくすると、

このような画面が表示され、アンインストール処理が完了ししました。どうやら「ReturnValue = 0;」で終了を判断するようです。権限が不足した通常のコマンドプロンプトで実行したところ、
※失敗の場合の画面
このように、「ReturnValue = 1603;」で終了しており、実際のアンインストールは実行されていませんでした。(権限不足で失敗と考えられます。)
コントロールパネル「プログラムと機能」画面(appwiz.cpl)から確認したところ、

インストールされていたAdobe Readerをアンインストールできていることが確認できました。
いままでは「Uninstall String」を使ったアンインストールの実行しかやったことがなかったので、WMICを使った別の角度でのアンインストールというのは初めてやってみました。