ThinkPad X13 Gen4のセットアップ時にIntel Active Management Technology(以下IntelAMT)の設定で躓いたので未来の自分用の記録です。
ThinkPad X13 Gen4
今回新しいThinkPad X13 Gen4の初期セットアップをすることになりました。
昔のs30は横に張り出していましたが、このThinkPadはWebカメラを高性能化した影響でベゼル上部に出っ張りのようなデザインとなっています。(なんとなくs30を思い出してしまいました。)
おっと、今回はこのThinkPad X13 Gen4のIntelAMT設定の話です。
設定は同じ、動きが違う
IntelAMTは少し前からインテルvProの一機能としてバージョンを重ねています。
設定画面は変化していますが、基本的な設定は昔と変わらないので、新しいThinkPad X13 Gen4でもいつも通り設定を実施して有効化を確認しました。
しばらく前からThinkPad X13のようなB5モバイルのシリーズにはRJ-45コネクタは内蔵しておらず、外付けのアタッチメントが使用されています。
前回、
ThinkPad X13 Gen2のSSD換装してOS再インストール - treedown’s Report
X13 Gen2の時も同じように問題なくIntelAMT設定が完了できていました。
しかし、今回のGen4ではIntel MEの画面が様変わりしていた影響なのか、AMTの有線LANではIPをDHCPから取得しないという動きで困りました。
接続できないので、最初は設定できなかったのかと思いましたが、PC内で<http://localhost:16992>とすると自分自身のIntelAMT設定画面を確認することが出来ます。(※ちなみにこの世代からTLS強制となって他PCからのアクセスには<https://%IPAddress%:16993>と従来とポート番号が変わっていました。)この画面で確認したところ、IP address欄が「0.0.0.0」となっていました。うーん。
試しに、SSIDを設定してWi-Fi経由なら取得できる(AMT上でSSIDの設定を実施すれば可能)というところまでは確認できたので、IntelAMTの設定自体は間違っていなさそうです。
画面中、IP address欄が「0.0.0.0」の箇所が有線LAN経由でアクセスするIntelAMTのIPが表示される箇所です。
Wireless IP address欄が「192.168.xx.xx」となっている箇所は追加で設定したSSID経由でWi-Fiネットワークに接続しています。(こっちはDHCPからIPアドレスが取得できています。)
有線LAN経由でIntelAMTへアクセス出来ない理由を探すことになりました。
調べてみる
ひとまず基本に立ち返り、ユーザガイドを一読してみます。
ThinkPad X13 Gen4 ユーザガイド
https://download.lenovo.com/pccbbs/mobiles_pdf/x13_gen4_x13yoga_gen4_ug_ja.pdf
特に、原因を解説してくれる情報は見つかりませんでした。
NICかな…。
使っているNICは、新品購入時に付属の「Lenovo USB Type-C - イーサネットアダプター」
Lenovo USB Type-C - イーサネットアダプター | レノボ・ ジャパン
前に作業したX13 Gen2ではドッキングステーション用の専用コネクタに接続するNICだったのですが、Gen4ではUSB Type-Cと汎用品のような形状です。ドッキングコネクタも本体側では専用端子が廃止されているので、この形状なのかなと思っていました。
で、この専用NICは「MACアドレスパススルー」という機能が備わっていることがサードパーティ製と相違している大きな一点です。これによってvPro対応のThinkPadならIntelAMTに対応します。
いろいろ探していると、UEFI(BIOS)にて、それらしい設定を見つけたので有効化してみることにしました。。
その設定は「MAC Address Pass Through」(マックアドレスパススルー)という設定。
デフォルトではこの設定が「Off」となっていました。もしかしてこれなのか?と早速「On」に設定して再起動。
しかし、これでもDHCPからIPアドレスは取得できませんでした。手詰まり。
結論
結局、いろいろ試したのですが、有効化できませんでした。
結論として下記ページ
■RJ-45ポートが実装されていないThinkPadでEthernetを使用する
https://techblog-lenovo.com/2023/02/16/thinkpad-rj-45-connection-through-usb-type-c/
ここにUSB Type-C経由のNICはS5(状態:電源オフ)からの機能をサポートしていないことが記載されています。
(※以下抜粋)
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Wake on LAN(WoL)への対応
Wake on LAN(WoL)とは、ネットワークを介してコンピュータの電源を遠隔で投入する技術のことです。RJ-45ポートを持たないCommercial ThinkPadにおいてUSB Type-Cポートを介してEthernet接続を行う場合、対応するドッキングステーションと共に使用する場合のみ、S5(電源断)からのWoLがサポートされます。Lenovo USB Type-C – イーサネットアダプターやトラベルハブは電源断時に継続した給電がアダプターに対して行われないことからマジックパケット(起動コマンド)を受信できないため、S5からのWoLには対応しません。
Intel AMTを用いたS5からの遠隔起動のサポート(vProモデルのみ)
Intel vProでは、インテル® アクティブ・マネジメント・テクノロジー(Intel AMT)と呼ばれる遠隔起動の仕組みが定義されています。RJ-45ポートを搭載しないvPro対応モデルにおいてAMTを用いた遠隔起動が必要な場合、Intel製NICを搭載し、Intel AMTをサポートするThunderbolt 4接続の純正ドッキングステーションをご利用ください。Lenovo USB Type-C – イーサネットアダプターやトラベルハブ、また純正のUSB Type-C ドックではIntel AMTによる遠隔起動はサポートされません。
--------------------------------------------------------------(※抜粋ここまで)
と、いうことは付属の「Lenovo USB Type-C - イーサネットアダプター」を使用してIntel AMTがDHCP経由でIPアドレスを取得しない動きは仕様の範囲と言うことになります。vPro遠隔操作を使いたいならドッキングステーションを使わないといけない、という結論です。その際にUEFI(BIOS)で「MAC Address Pass Through」(マックアドレスパススルー)を有効化すると使える、ということだと読み取れました。
うーん、現状ではX13 Gen4では有線LANによるIntelAMTは諦めるしかなさそうです。Wi-Fi経由では利用可能なので、Wi-Fi設定だけ入れておくということになりそう。
なんだか、どんどんRJ-45を使った有線LANは扱いが悪くなっています。Wi-Fiがあるからいいよね、ということなのかなぁ。でも有線LANの良さは電波という見えない存在に左右されない安定性、個人的には捨てがたい魅力ですが、これも時代の流れ…。