treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ThinkPadが2020年5月26日に新しいモデル番号で新たな船出

久々にThinkPadの話題。5月26日発表の2020年新モデル発表。
2020年モデルで三桁数字のモデル番号がガラッと変わりますので調べたことをご報告。

経緯

ちょっと前に

「在宅で作業するためにPCを考えているんだけど、ThinkPadってどう?どんなのがある?」

って聞かれて、ThinkPadのシリーズを説明することがありました。2020年の新モデル発表でこれがガラッと変わってしまったので、そのときの説明(個人的主観)を入れつつ、新モデルの命名規則を覚えるために調べた内容です。

プレスリリース
https://www.lenovo.com/jp/ja/news/article/2020-5-26-2
「16モデルを刷新」と記載があります。

メーカー公式に現時点のモデル一覧が掲載されています。
https://www.lenovo.com/jp/ja/jpad/notebooks/c/notebooks

これ以下の説明は2020年5月末現在の解説となります。

Xシリーズ=X1 Carbon Gen8

一番パッと分りにくいのがモバイルモデルであるXシリーズのような感じがします。

いままでは「X1 Carbon 2019モデル」のように西暦で世代を分けていたX1 Carbonシリーズですが、今回から「Gen?」表記に世代を統一、2014年(2014年モデル)で2世代目、そこから年一回世代を重ねて今年で8世代目となります。
初代からフラグシップモデルという不動の位置で、画面が14インチながら薄型で最軽量モデル、費用も性能もモバイルとしての使いやすさ(軽さ)も妥協しない選択肢となります。
世代を示すナンバーは違いますが、タブレット兼用を示すX1 Yoga Gen 5も同時に発表されています。

Xシリーズ=X13 Gen1

画面が13インチでX280の後継となったX390(インテルCPUモデル)とX395(AMDのCPUモデル)の後継機種となるのが「ThinkPad X13 Gen1」です。
X1 Carbonは魅力的なのですが、企業でモバイルPCとしてのThinkPadを一括導入するとしたらやっぱこっちだろうなぁという感じがします。
X1 Carbonほどじゃなくてもいいんだけど、ある程度の性能を確保して費用を抑えたモバイルPCを用意したい場合の選択肢は、スタンダートなモバイルノートであるこのシリーズになります。
昔、X300/X301がMacbookと対抗していた時期に、二世代だけで終わった13インチモバイルという存在は「もっと需要があってもいいのに」なんて個人的には思っていましたが、時を経て薄縁のベゼルが採用されることで13インチモデルが主流になってきそうなThinkPad Xシリーズです。
そして、タブレット兼用を示すX13 Yogaの記載もモデル一覧には記載があります。

Tシリーズ=T14 Gen1/T15 Gen1

Tシリーズも健在、T400からT490/T495まで続いたA4ハイパフォーマンスモデルは「ThinkPad T14 Gen1」とリニューアルしました。Tシリーズはある意味一番付き合いが長いシリーズなので今後も変わらず残っていって欲しいものです。
社内で持ち運ぶのに十分な携帯性とA4ノートならではの作業のしやすさを兼ね備えたシリーズがTシリーズのいいところです。またT500からT590まで続いた15インチモデルはT15 Gen1としてリニューアルしていました。
内蔵キーボードでテンキー付属モデルが必要なユーザならT15 Gen1を選択することになります。個人的には使わないけど、テンキーが欲しいユーザも結構いるみたい。

あと、最近省略されがちな有線LAN(RJ-45のコネクタ)がオンボードで内蔵しているのもポイントです。他のスリムなモデルだと「ThinkPad イーサネット拡張ケーブル」を別途用意しなきゃいけないのが、このモデルなら内蔵しているから不要。

Tシリーズ=T14s Gen1

薄型A4サイズといえば昔はX1 CarbonよりT400sから始まってT490s/T495sまで続いたA4ハイパフォーマンススリムモデル、と言われるこのシリーズでした。昔からワークステーションを持ち運ぶという表現が使われています。
個人的にいまだにT420sを愛用しています。個人的にはピッタリくる価格と性能のバランスを取ったモデルが「s」付きのA4 ThinkPadです。
ただ、今回の「ThinkPad T14s Gen1」では、以前にディスクリートGPUがNVIDIA Optimus Technologyとして搭載されていたように外部GPU搭載オプションがない?ようです。
持ち出し頻度はそれほど高くないけど、いざという時には持ち出すノートPC、でも性能も妥協したくないしある程度費用は(X1 Carbonよりは)抑えたい場合の選択肢になってくれます。

Lシリーズ=L15 Gen1/L14 Gen1/L13 Gen1(Yoga)

メインストリームノートPCと位置づけられているのがLシリーズ、昔はなかったけど、L420くらいからスタンダートノートとしてシリーズが継続、「ThinkPad L14 Gen1」としてリニューアルしました。
L490の時からそうですが、L495はないのでAMDのCPU搭載モデルはこのシリーズにはなく、IntelのCPU搭載モデルだけ…、だったのですがなんか今回のモデルから「Intel」という表記が付いているので、もしかしてAMD版のLシリーズも出てくるのかなぁと思いました。最近ThinkPadにAMDのCPU採用が活発ですね。

ある程度安価で、かつThinkPadのA4ノートとして必要な性能がすべて搭載されており、RJ-45コネクタも内蔵しているから有線LAN(LANケーブル)もアタッチメントなしで利用可能、とオフィス据え置きがメイン利用の事務作業用ThinkPadとしてはかなり有力な選択肢となるモデルです。
テンキー付属なら15インチモデルのL15 Gen1を選択することになるのはTシリーズと同様。
企業一括導入のモバイルじゃないユーザだとココなんだろうなと思います。

気がつかなかったけど、13インチのL380/L390(このモデルだけYogaモデルもあり)ってのもいつの間にか出ていたようで、その後継となるThinkPad L13 Gen1もリリースしています。「ThinkPad L13 Gen1(Yoga)」ってのもそのうち発売されそう。

Eシリーズ=E14 Gen2/E15 Gen2

昔はベーシックスタイルとか言われていたスタンダードノートPCというシリーズがEシリーズ。ただ、Lシリーズからいろいろ削って安価にしたようなイメージのシリーズがEシリーズって印象があります。E420から始まってE490/E495(15インチモデルはE590/E595)まで続いた廉価モデルと言える存在。

ThinkPad E14(E15も同様)でもパッと見は同じに見えるのですが、「microSDカードリーダー」や「Nano SIMカードスロット」、「ドッキングコネクタ-」といったTシリーズやLシリーズには当たり前に搭載されているポート類が省かれて、シンプルにUSB3.1ポートと外部画面出力に使うHDMIにマイクロフォン/ヘッドフォンコンボジャックとRJ-45という具合にポート類は必要最低限に抑えられています。なぜかこの中にUSB2.0ポートが1ポート謎に存在しているのもコストカットの影響なんじゃないかなぁ。

単体で利用するからそれほどThinkPadの拡張性を利用しないし、とにかく安価にThinkPadを調達したいということならEシリーズの選択肢も検討の余地があります。
安価に、短期サイクルで買い換える業務利用のPC、という考え方をすると、下手に高価なPCを一括導入よりは、安価なEシリーズを一括導入ってのも企業目線ではアリになりそうです。廉価モデル故に1台あたり10万円超えないなら消耗品費の勘定科目で経費を落とせますし。

ただ、スマートカードリーダーを使っている企業だと、このEシリーズや一つ上のLシリーズでもスマートカードリーダーは内蔵していないため、Tシリーズを検討しなきゃいけないということも。

Pシリーズ=P15s Mobile Workstation / P14s

前述のプレスリリースには言及されていなかったのですが、Pシリーズも改称。
モバイルワークステーションモデルと銘打たれたハイスペックなモデルで、あまりなじみがないシリーズです。CADエンジニアのためのノートPCというイメージがあって、あまり選択肢に入らないのがその要因。
2020年5月26日ではP15s<ThinkPad P15s 製品仕様書 20T5000AJP/20T5000CJP | レノボジャパン>とP14s<ThinkPad P14s 製品仕様書 20S50007JP/20S50009JP | レノボジャパン>の二機種が詳細スペックが掲載されており、ワークステーションモデルも番号が割り振られているのが見て取れます。そのうちGen1も付くんじゃないかと。

おまけ:ThinkPadトラックポイント キーボード Ⅱ

同日(2020年5月26日)ThinkPadトラックポイント キーボード Ⅱの日本モデルが発表されました。これも楽しみな製品。
プレスリリース:
https://www.lenovo.com/jp/ja/news/article/2020-5-26

Androidに正式対応となりホームボタンなどの操作がキーボードのキーに割り当てられているとか、デュアルワイヤレス接続採用で従来BluetoothモデルとUSB有線モデルは別の製品だったのが、ThinkPadトラックポイント キーボード Ⅱ一製品に統合され、USBレシーバーの独自通信とBluetooth通信の両方が内蔵された無線キーボードとして生まれ変わったとか、ポートがようやくUSB Type-Cになったとか、なかなか後継機が登場しなかったがゆえの時の流れを補完してくれるようなイマドキの仕様に財布の紐が緩んでしまいそうです。