treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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VivaldiがProtonVPN対応したので試してみた

Vivaldiのアップデートで「新たにProtonVPNが使えるようになったよ」というメッセージが表示されてちょっと興味が出たので試してみることにしました。
浅く試したことをご報告です。

VPNって何?を簡単に

VPNは技術の名前なので、実際の使い方としてはいろいろな構成がありますが、今回のVivaldi向けProtonVPNというのは、Vivaldiで発生した通信の送信元(自分自身)を隠すことでプライバシー保護を実現する機能となります。
Vivaldi向けなのでVivaldi以外の通信ではVPNの影響を受けることがありません。

Vivaldiの通信で、通信元である自分自身を秘匿したい場合にはこのVPN機能を使う価値があると言えそうです。
(実際はたぶん人間がON/OFFを適宜切り替えて使うことになると思う。)

使用準備

使うためにはVivaldiアカウントが必要になります。前提としてVivaldiアカウントが既にセットアップされていることが条件となります。
今回は、以前に同期のために<Vivaldiのバージョンアップ=Vivaldi Sync - treedown’s Report>でセットアップしたVivaldiアカウントを使います。

対応したVivaldiのバージョンでは、画面右上に「VPN」と表示されたボタンが追加されています。

このボタンをクリックして、

画面中の「Vivaldiでサインイン」の箇所をクリックしてVPNの使用を開始できます。

別のタブでVivaldiのログイン画面が開きます。

ここにVivaldiアカウントとなるユーザ名とパスワードを入力して「ログイン」をクリックします。

すると、次の画面で、

このような画面が表示されます。

--------------------------------------------------------------
PROTON wants to access some of your account information
Do you agree to share the email address used to sign up for your Vivaldi.net account with PROTON?
--------------------------------------------------------------
PROTONはあなたのアカウント情報の一部にアクセスしようとしています。
Vivaldi.netアカウントの登録に使用したメールアドレスをPROTONと共有することに同意しますか?
--------------------------------------------------------------

Vivaldiアカウント内でProton VPNの提供元であるPROTONがアカウント情報の一部にアクセスすることが必要になるので、それに同意してくださいね、という主旨の同意を求められます。Proton VPNを使うために、ここは「Allow」をクリックして手順を進めます。

すると、以下のように

「ログイン中です」と表示され、Proton VPNを使用する準備が完了したことを示す画面になりました。

これでProton VPN経由でVivaldiのWebブラウジングができる状態になりました。

接続してみる

準備が完了したので、さっそくVPN経由でVivaldiの通信を実行してみます。

まず、画面右上の「VPN」ボタンをクリックします。

これをクリックすると、メニューが表示されます。

メニューの中に「接続」ボタンがあります。

これをクリックするとProton VPNを経由してVivaldiのWebアクセスを実施することになるので、VPNによる秘匿された通信でVivaldiが動作するようになります。

実際にクリックすると、

「保護されています」表示に切り替わって、接続先の国名(画面では日本)に接続されたことが分かります。

なお、前述の画面でVPNの接続先となる別の国を指定してアクセスすることができそうに見えますが、実際に別の国をクリックすると、

このような表示になって、有償プランへの加入を求められます。つまり、無償のVivaldi内蔵Proton VPNでは接続先はランダムに選択され、人間が指定することは出来ないことのようです。

無償と有償の見分け方はアイコンに「▼+」という感じの表示があるかどうかで見分けるようです。

設定画面を確認してみる

設定はシンプルなのですが、画面を確認しておきます。

まず、「VPN機能」とある箇所の設定画面です。

有償プランが必要な機能は「▼+」アイコンでトグルスイッチが有効化できないようになっています。
無償プランでは「自動接続」と「WebRTC漏洩防止」の機能が有効にできるようです。

次の画面(下にスクロール)では、

通知の有無を設定できます。

ここでは、ひとまず「自動接続」を無効化して、手動でVPNを使ったり使わなかったりを切り替えるようにしました。

また、画面下部の歯車アイコンの設定画面では、

「サブスクリプションを管理」というボタンと共に、関連付けしたVivaldiアカウント名が表示されます。

「Free」の文字もあるので無償プランで利用していることが分かります。

画面下部の「サインアウト」をクリックすると、恐らくProton VPNを無効にすることになると思われます。

有効化した場合と有効化する前で通信速度に影響があるかどうか

VPNを使って速度に影響があるかどうかを確認してみました。

結論から言うと、当方の通信環境が低速な回線のため、VPNによる速度の差が出ないという結果になっています。

VPN接続前のスピードテストサイトでの結果が、

こうなっています。VPN接続した状態で実施しましたが、

まった速度が変わることはありませんでした。(動作確認した回線は速度が10Mbps以上ゆらぐので、誤差の範囲と言えます。)

別のサイトでも、VPN接続前の速度計測は

こうだったのが、VPN接続後の計測でも

ほとんど変わらない速度での計測結果となりました。(もっと高速な光回線を使っている環境なら、違いが出てくると思われます。)

他のVPN機能と比べてみる

Vivaldiが導入したProton VPNは無料で通信容量が無制限で利用できます。通信の量によって何か制限が発生することはありません。

これがMicrosoft Edgeだと、1ヶ月の内にVPN経由で通信できる容量(通信量)が決まっていて、上限があるようです。VPN接続を使いたいタイミングだけ有効にして1ヶ月での通信量をある程度意識しながら使う、という利用方法になりそうです。

本家のChromeでは拡張機能での提供となっていて、標準機能ではないようです。(Chrome常用していないから知らない・分からないというほうが正しいのですが)

FirefoxにはMozilla VPN(旧名:Firefox Private Network)という機能はまだ(たぶん日本では)標準機能として展開されていません。
※参考:<https://www.mozilla.org/ja/products/vpn/>
機能の箇所に記載がありますが、「デバイス5台まで」という制限があって通信量の制限はない、という機能のようです。

Vivaldiに組み込まれたProton VPNは、<https://vivaldi.com/ja/protonvpn/>に記載があるように、容量無制限だし、広告なしの無料機能として提供されているのが他のブラウザと比較しても強みだと思います。

ただ、無料のプランなので接続先を選択できるわけではないですし、ブラウザ内蔵の機能なのでブラウザの通信以外にはVPN経由での秘匿された通信を使うことはできません。
より通信のカバー範囲を広げるには別途VPNのソフトウェアをインストールして、通信全体をVPN経由にする必要がありそうです。例えば、

セキュリティソフト付属のVPN機能はブラウザ内蔵のVPN機能よりちょっとだけ機能は上かもしれません。またProton VPNか他のVPN有償プランを検討しみるというのも手かもしれません。

無料で使える範囲、というだけでも十分な場合にはMicrosoft Edgeのような容量制限もなく、Firefoxに先んじてブラウザにVPNを内蔵したVivaldiのProton VPNはいい線をいっていると思います。