いよいよNTTのメタル回線網がIP化するスケジュールが発表されたようですのでご報告します。10月17日の日付でいくつか情報が公開されていました。
基本的に契約者である我々は「何もしなくていい」という点がポイントです。
以前に
こんな記事で話題にしましたが、これが次のステップに進む具体的なスケジュールが出たようです。(技術者としては実に興味深い)
まず注意したいのは…
これですね。
サイトにも記載がありますが、
「NTTの電話網がIP化するので、古い回線を新しい回線に交換する工事をやります。今ならお安く…云々」
とか
「いまお使いのアナログ電話が使えなくなるので、デジタル電話への切り替え(工事)が必要ですよ。今ならお安く…云々」
とか
「ご近所一帯で回線の切り替え工事があるので、今までの電話が使えなくなります。今ならお安く…云々」
とか
「NTTの固定電話のご利用を継続するためには、切り替えや電話機の交換が必要になります。今ならお安く…云々」
とか、そういうセールストークがありそうです。
NTTがメタル網をIP網に切り替えるからといって、加入電話契約者は何もしなくていい、という点をいま一度アタマの中に留めておく必要がありますね。
※我々が何か作業・操作を実施することや代金を支払う必要はない、という意味で。
※こういう90年代の古い電話でも電話線がつながっていれば通話はきっちりできます。
切り替えスケジュール
NTTのサイトに切り替えのスケジュールが発表されています。
ここの
http://www.ntt-east.co.jp/release/detail/pdf/20171017_01_01.pdf
これを見ると、
現在検証段階で2021年1月のIP接続開始に向けてのNTT側の準備作業に入っていることが分かります。検証大変そうだなぁ。
ここから2021年1月からNTTのメタル網をIP網に接続していき、2024年1月の切り替え開始までおそらくNTT内部の網内がIP化していくようです。
2024年1月からIP化した電話網を使う始めることになり、2025年1月までで切り替え完了の予定で進んでいるようです。
副次的なメリット
ここで気になったのが、「通話料」の記載。距離に依存しないIP網を利用することによって、固定電話への通話は「全国一律」3分8.5円という料金形態になるようです。いままで市内⇒市外⇒県外といった具合に遠くに電話すると料金が高くなっていったのが、距離を問わず一律の通話料で通話時間だけの従量課金に変わる、という点は一つのメリットですね。実際家電話使わなくなった人は多いと思いますからどれくらいメリットを享受できる人が居るかは微妙なところですが。
ただ、契約者に複数回お知らせが来るらしい、このお知らせが別の(売り込み目的な)業者と区別がつくようになるかどうかはちょっと心配ですね。いかにもNTTのような顔をして電話網切り替えに伴う売り込みにフェードインしてきたりして。
時代の流れを感じるなぁ
PDF内のPSTNからIP網への移行の構成図を見ていると、長いこと交換機が維持管理されてきたんだろうなぁ、と思い、昔会社で古いPBXを「部品がなくて大変なんですよね…。」と言いながら必死でメンテナンスしている電話屋さんの姿を思い出しました。
INSネットディジタル通信モード提供終了、という文字も見えます。昔はインターネット接続といえばINSという時代があったもんですが、これも2024年1月で提供終了という予定になっています。現代では使うメリットがよくわからないINSですがISDNがネット通信回線の主役だった時代の人間としてはちょっと感慨深いものがあります。
こうして時代が変わっていくんですね。(しみじみ)