treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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とうとう終わった…PHS新規受け付け終了

今日は携帯電話・移動体通信における歴史の一ページを彩った「PHS」の終了についてご報告します。

ちょっと前にPHS新規受け付け終了が発表されていましたね。

PHSの新規契約受付終了の報

ちょっと前から静かな話題になっていますが、PHSサービスの新規受け付けが終了します。
機種変更の受け付けも終了、すべて来年となる2018年3月31日をもって新規契約ができなくなる、という発表です。
おそらく現在のPHS契約を維持している方はそのまま利用できると思いますが、徐々にサービス自体が終息に向かって縮小していくことになるだろうと予想されます。そうしてユーザへの影響が最大限小さくなったところでPHS自体が終了し使えなくなる、ということが考えられますね。停波ってやつです。

時代の流れかなぁ…

ドコモ(NTTパーソナル)、アステル、DDIポケット、と三社が展開していた時代は音声通話もPHSという風潮はあったのですが、次第にアステルが買収されてサービス終了、NTTパーソナルを吸収したドコモがサービス終了、DDIポケットがKDDIを抜けてウィルコムになって、頑張っていたのですが、次世代通信サービスCORE XGPが上手く進められずワイモバイルへ吸収、そうして、今回の終了となりました。
個人的にはWILLCOM CORE XGPが展開するワイヤレス通信が世の中にリリースされていたらどうなっていたかは気になっていました。最終的にSoftbank 4Gになってしまったので、あまり3G/4G/LTEとの差が分からなくなってしまいましたからね。

結局ソフトバンクグループに吸収されたウィルコムのPHSサービスはドコモに吸収されたPHSサービスと同様に終息してしまう結果になってしまった、というのは何とも寂しい限りです。PHS、いいサービスだったんですけどね。
結局のところ競争相手がPHSサービスを展開する他社だけでなくて、携帯電話会社であるドコモ、ソフトバンク、KDDIが大きな競争相手となってしまうところがPHSサービスを提供する会社にとっては大きな負担になったように思います。大手三大キャリアはやっぱ強すぎて競争相手としてはシンドイですよね、きっと。

PHSの思い出、AIR-EDGEとP-in Free

移ろいやすい業界において、もう化石のような扱いを受けるかもしれませんが、PHSといえばデータ通信、というくらい「定額データ通信はPHSサービスの独壇場」でした。
32k/64kのPIAFS接続でインターネットしていたころが懐かしいですね。そのうちPIAFSからパケット方式に変わり、進化は遅かったですが速度も128k、256kと増えていきました。

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何せ今では当たり前のように使えている「通信料金定額」という点がなんとも魅力的でしたね。なにせ当時はバカ高い通信料を従量課金でガンガン課金されていきましたから。1パケット0.315円、1パケットが128バイト、1MBでざっくり8192パケット、1MBの通信をしただけで2580円くらい課金されてしまいます。これを30回繰り返したら、77414円、何じゃこりゃ?
フロッピーディスク1枚分のデータを毎日やり取りするだけで、30日使えば7万円以上の高額請求です。パケ死って言葉はこういう動きから生まれてきたわけですなぁ。
これが、PHSなら定額通信なので、月額数千円で通信量無制限、通信し放題なわけです。常時通信しておきたい携帯端末を持っている場合には実質AIR-EDGEかP-in Freeの二択だったってことですね。
それに比べて今となっては、天井のバイト数こそ制限があるものの、月額数千円もあれば大手キャリアじゃなくても7GBとか10GBとか使えます。いい時代になったものです。
だからこそ、皆が認知する「PHSサービスはデータ通信」という点がメリットに見えなくなってPHSはより一層廃れてしまったんじゃないかという印象を受けています。ホントは音声通話にこそPHSのメリットが多かったんですけどね。

家電話が携帯電話

個人的なPHSの最大メリットはこの電話統一ですね。
家にいるときは家電話、外に出れば公衆モードに自動切り替わりで携帯電話、同じ規格のPHS同士はトランシーバーモードで直接通話、これが一台で完結するところがPHSの最大メリットです。

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家の子機電話が携帯電話の形状をしている、ってことですね。一台持ってれば登録されたすべての電話番号を待ち受けできるってところにPHSの最大の利便性があります。3G/4Gの携帯電話にはまねできない芸当です。
IP-PBXのオプションで構内PHSを対応させればPHSが内線電話になります。ビジネスホンで結構本体代金が高いんですよね。PHSで代用できるとその分コストを抑えることができたので。同じように携帯電話で構内電話システムを構築するPASSAGE DUPLE(パッセージデュプレ)のようなサービスより導入に掛かる投資額が抑えれていました。
もうそんな時代じゃないんですなぁ。