バッテリに充電制御ファームウェアが内蔵されているから、ソフトウェアで制御はしないんだ、という話も聞いていますが、今日はその動作について垣間見ることがありましたので、ご報告したいと思います。
本ブログには定期的に省電力マネージャで省電力機能のコントロールなりバッテリ充電閾値の制御をされたい方が訪問なさっておいでです。
ただし、Windows10のあるアップデート以降になってからというもの、この省電力マネージャーの充電閾値設定は定期的にクリアされるという動作が標準となっています。
残念です。
残念ではありますが、一ユーザではいかんともしがたいのがこのようなメーカの仕様の部分です。
Lenovoのバッテリ関連アップデート
バッテリファームウェアのアップデートユーティリティにまずはその兆候が見て取れました。
■バッテリー ファームウェア アップデート ユーティリティー (Windows 10/ 8.1/ 8/ 7/ Vista/ XP) - ThinkPad
http://support.lenovo.com/jp/ja/products/Laptops-and-netbooks/ThinkPad-T-Series-laptops/ThinkPad-T420s/downloads/DS001322
リリースレターに気になる記述がありました。
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CHANGES IN THIS RELEASE
Version 1.15
[Important updates]
- Added support for Microsoft Windows 10.
Note:
Refer to marketing materials to find out what computer models support
Microsoft Windows 10.
[New functions or enhancements]
Nothing.
[Problem fixes]
- Updated the Full charge capacity calculation algorithm for the following
batteries:
FRU P/N : 45N1749 (ASM P/N : 45N1748)
FRU P/N : 01AV403 (ASM P/N : SB10J79000)
- Improved battery life for the following batteries:
FRU P/N : 45N1103 (ASM P/N : 45N1102)
FRU P/N : 45N1067 (ASM P/N : 45N1066)
FRU P/N : 45N1071 (ASM P/N : 45N1070)
FRU P/N : 45N1087 (ASM P/N : 45N1086)
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バージョン1.15
[重要なアップデート]
- MicrosoftWindows10のサポートが追加されました。
注:
どの機種がどのデバイスをサポートしているかは、カタログ等を参照してください。
[新機能または機能の拡張]
ありません。
[問題修正]
- 以下のバッテリーのために完全なチャージキャパシティ計算アルゴリズムをアップデートしました:
(以下FRUの記述略)
- 以下のバッテリーのための改善されたバッテリ寿命:
(以下FRUの記述略)
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記載されたFRU番号が合致しないので当方の環境に合うかどうか全く不明なのですが、これを適用してしまうとバッテリが自分で(ファームウェアの力で)寿命を延ばすための充電制御を実行するんじゃないのか?という気がしなくもないです。
最近購入したバッテリの動作
どちらかと言うと、最近購入したバッテリの動作で気になる点があったのが、本記事の動機です。バッテリだけ純正品を新品で二台分購入してセットアップしていたのですが、省電力マネージャーの動作で気になる動作を発見しました。
まずはバッテリの状態をご覧ください。
図1:バッテリプロパティ
状態:動作なし となっているのが確認いただけるでしょうか?でもこれは特に省電力マネージャーでは充電制御はしていません。
図2:バッテリ詳細情報画面2
このバッテリが「サイクルカウント:1」と表記されていることで新品、ということが分かります。
Windowsの電源表示画面でもこのように、
図3:充電されないの図
現在のバッテリ容量は78%ですが充電はされません。これ数時間使っていますが、全く充電される気配はありません。
一番気になるのはバッテリメンテナンス画面だと思います。設定はこのようになっています。
図:バッテリーのメンテナンス設定画面
ここの設定値は自動で調整を行う、という設定値になっています。(してあります、と言う方が正しいかもしれません。)
以前の動作ではこの自動で調整を行う設定は「常に満充電を行う」と動作自体はほとんど変わらない動きをしていました。元気な(使用開始直後の)バッテリでは特にいたわり充電のような効果もなく、結局100%まで充電してしまう設定だったものです。(数年前の確認ですが)
ですが、ついこの間購入したバッテリは人間が充電閾値を決めることなく、78%の充電量があればバッテリが充電されることがありません。むしろ100%の満タン充電をしたいのであれば手動で指定しなければいけない、というほどです。
本件は、PCをキッティングする数日間の一日数時間の使用でバッテリの充電がされなかった、と言うだけの話なのですが、今までのバッテリと動作自体が違っているように見受けられました。
新しいバッテリは動作が相違する?
もしかするとWindows10にアップグレードしたPCで利用するバッテリが新しい規格のファームウェアを搭載しているバッテリの場合には、頑張って省電力マネージャーをインストールしなくてもOS標準の電源管理機能でよろしくやってくれるような動作の違いがあるのかもしれません。(OS標準の電源管理機能だけで満充電しない、とか)
残念ながら私に確かめる術はありませんが、もしご利用のバッテリが寿命、とか新しいシリーズのThinkPad(もちろんOSはWindows10の)を購入する機会がある羨ましい環境にある方はぜひ着目してみていただきたいポイントですね。