treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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OSサポート期限と他のサポート期限の相関関係について

今日はOS、ならびに他のソフトウェアのサポート期限についてご報告します。

いまお使いのOSのサポート期限はご存知でしょうか?
近いところではDebian Squeeze(Debian 6)LTSのサポート期限が来月である2016年2月で終了となります。
Windows界隈ではInternetExplorerのサポートがいくつか今月1月で終了しましたね。

きっかけは

最近PCをキッティングして思うのは、キッティング時にOSのサポート期限に合わせたアプリを選択しておくと将来の手間が省けたり、将来の手間が増えたりするなぁ…、と思ったことがきっかけです。

具体的には、WindowsとOfficeのサポート期限についての相関関係です。
Windowsインストール後に、手持ちのライセンスからOfficeインストールを実行する方は多いと思いますが、いまインストールしようとしているOfficeに2010と2013の選択肢があったとしたら、どちらを入れますか?
オープンライセンスなどではダウングレード権が標準で行使でき、メディアもサイトからISOダウンロードで用意できますので、バージョンについてはあまり意識しないことは多いと思います。
これはある程度の規模以上にある企業では、OSの展開時期とOfficeの展開時期を分けて考えることが一般的なためです。ユーザのリテラシーやスキルに合わせて各々のバージョンアップを計画し企業内では展開をしています。
ですが、上記に当てはまらないような規模の法人やそもそもバージョンの選択肢が少ないSOHO&個人などでは、なんとなく選択しているケースも多くないでしょうか?
この選択をより合理的に選択する考え方はズバリ「サポート期限」です。

サポート期限とは

各々の製品には賞味期限に似た、その製品を安全に使用できる期間(メンテナンス期間)が設定されています。そのメンテナンス期間中は製品不具合やセキュリティアップデートが提供されることになっています。
WindowsOSでいえば、

  • 2001年リリースのWindows XPは2014年4月でサポート終了(ニュースになったことでご存知の方も多いですね。)
  • 2007年リリースのWindows Vistaは来年2017年4月でサポート終了(おそらくひっそりと終了)
  • 2009年リリースのWindows 7は2020年1月でサポート終了
  • 2012年リリースのWindows 8は(8.1にして)2023年1月にサポート終了
  • 昨年リリースされたWindows10は2025年10月でサポート終了(予定)

となっています。
これにOfficeのサポート終了時期を考慮してみましょう。
いずれのOfficeでも(上記Windows同様)ServicePackを最新のものを適用しWindows Updateで最新の状態で利用する、という前提での延長サポートフェーズの終了日です。

  • Office2007は2017/10/10でサポート終了
  • Office2010は2020/10/13でサポート終了
  • Office2013は2023/04/11でサポート終了
  • Office2016は2025/10/14でサポート終了(予定)

と、なります。
※あくまで、本記事作成時点ではサポート終了設定日です。詳しくはマイクロソフトサポートライフサイクルのページ<https://support.microsoft.com/ja-jp/gp/lifeselect/ja>で確認可能です。

Windowsに合ったOfficeがある、ということ

ここまでで察しのいい方は何を言いたいか大体想像がつかれているかと思いますが、
Windows OSのサポート終了日とOfficeのサポート終了日は半年差くらいで重なる」
という点です。
同時期にリリースされているので当然といえば当然なのですが、

  1. Windows VistaにはOffice2007
  2. Windows 7にはOffice2010
  3. Windows 8.1にはOffice2013
  4. Windows 10にはOffice2016

というペアがサポート終了日が相似する組み合わせとなります。

つまるところ、Windows7にOffice2013をインストールしている環境(Refurbished PCなどでは結構多いです。)では、せっかくOffice2013単体で言えばサポート終了日が2023年まで使える猶予があるのに、その基盤となるOS=Windows 7が2020年で使えなくなってしまうのです。つまり、使い倒す前提で言えば3年損してしまうことになります。これはもったいない。
しかも、OEMのOfficeであればプリインストール・バンドルされたPCでしかそのOfficeを使用する権利がありません。他のPCへ移行して使うことができないため、そのPCのOSをどうにかしてサポート対象内のOSに入れ替えないとOfficeを使い続けることが(事実上)できないことになります。
これは逆もまた真なりで、Windowsのライフサイクルが長いのにOfficeのサポート終了を先に迎えてしまうと、Officeを再インストールしなければならなくなってしまうので、これもまたひと手間必要になってしまいます。(台数が多ければなおさらのこと、手間が膨大です。)

だからといって、購入時にわざわざ古いバージョンのOfficeをバンドルさせて調達することを推奨するわけではありません。あくまでPCの初期キッティング作業(OSインストールとアプリインストール作業)で環境構築時に選択肢があるのならば、という話です。

つまり、結論はありきたりなのですが

どうせインストールする選択肢があるのであれば同時期にリリースされたOSとOffieのセットで極力使った方が、将来の再インストールの手間が省けていいですよね、ということをお伝えしたかっただけなんです。
キッティングするときはどちらにしてもサポート範囲内のOSにOfficeをインストールするだけの作業なので、さほど意識をしなかったことでも、数年の時を経て迫ってくるのが「延長サポートフェーズの終了日」です。延長サポートフェーズが終了するということは事実上の製品の終焉を意味しますので、ここがOSとOfficeでばらけている環境だった場合、個別に何年かに一回大規模な製品入替作業を実施する羽目になってしまいます。
これがOSとOfficeで合致しているのであれば、OSのサポート終了に合わせてOfficeの入替作業も同時進行することになりますので、こうなるとPC自体のリプレイス作業を全社プロジェクトとして展開する、という公算が大です。
意外とPCの入れ替えでOfficeのバージョンアップをしてしまう、ということはユーザもすんなり受け入れる(仕方ない、という温度感でもありますが)ことができるタイミングですので、入替え作業は「1回で済む」ということになります。

あ、もちろん、全社一斉展開前に先行ユーザなどをユーザ部門に依頼して先にトライアル導入や社内リソースの動作確認などは実施されたほうがいいですよ。

もし今キッティング作業に取り掛かろうとされているのであれば、この「未来の製品展開作業を考慮する」点、計算に入れておいて損はないと思います。