treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Ubuntu 24.04 LTSで新しい標準RDP接続を試してみる

2024年4月25日Ubuntuの新バージョン「Ubuntu 24.04 LTS」がリリースし、新たな機能強化として「リモートデスクトップ接続の強化」が挙げられていました。ちょっと時期を逃しましたが気になったので動作を確認してみます。

以前のUbuntu 22.04 LTSで確認した<Ubuntu 22.04 LTS標準のRDP接続を試してみる - treedown’s Report>このときから、どのような改善がなされたかをメインに動作を確認していこうと思います。

デスクトップシェアリングとリモートログイン

今回大きな違いとして新たに「リモートログイン」という方法が機能として追加されまた。デスクトップシェアリングというのが従来の<Ubuntu 22.04 LTS標準のRDP接続を試してみる - treedown’s Report>で確認した手法のようです。

リモートログインが(想定通りなら)Windowsで使用しているリモートデスクトップのような接続方法のサポートのように思えます。期待通りの動作をしてくれるか、早速動作を確認してみることにします。

テスト環境

テスト環境はクライアントHyper-VにインストールしたUbuntu 24.04 LTSを使っています。

前回のUbuntu 22.04 LTSから進化しているリモートデスクトップ接続を確認していきます。

設定してみる

設定からリモートデスクトップの有効化を実施していきます。

設定画面で「システム」を選択して、画面上の「Remote Desktop」をクリックして選択します。

RDPの設定画面が表示されます。

設定画面では上部に「Desktop Sharing」が無効化された状態になっています。まずはこれを有効化したのち、その下の「Remote Control」も有効化します。

これで前回<Ubuntu 22.04 LTS標準のRDP接続を試してみる - treedown’s Report>と同等の設定になりました。

画面下部の、

ユーザ名とパスワードを確認しておきます。パスワードはRDP接続用のパスワードが別途設定されていますので確認して、必要なら変更しておきます。

ここまではUbuntu 22.04 LTSと同じ部分です。つまりVNCの延長みたいな機能のRDPでした。このためここまでの設定ではロック画面からRDP接続の開始ができなかったのが以前のUbuntu RDPでした。これが改善したUbuntu 24.04 LTS向けの設定をこれ以降に実施します。

リモートログインの設定

新しい設定は「リモートログイン」という画面で実施します。前述の設定画面上部に「リモートログイン」というタブ的な選択箇所をクリックして設定画面を開きます。

設定画面はロックされているので「ロックの解除」をクリックし設定可能にします。

画面が暗転して認証が入ります。

root権限が必要のようです。たぶんsudo的な認証だと思われます。ユーザパスワードを入力すると、設定画面で設定が可能になります。

まずは、

「リモートログイン」を有効化します。

接続方法とLogin Detailsの箇所はDesktop Sharingと設定を合わせておいたのですが、それだとDesktop Sharingと混同してしまいます。(正確には既存のデスクトップセッションを強制終了(Force Stop)するみたいな動きをするようです。)

そこで、リモートデスクトップ専用のユーザを設定することにしました。(ここではtestRDPuser)

これで設定は完了です。接続確認をしてみます。

リモートデスクトップを試してみる

さっそくWindows側からリモートデスクトップ接続を試してみます。

リモートデスクトップでUbuntuのホスト名かIPアドレスを指定します。

いつものWindowsリモートデスクトップのようにユーザIDとパスワードを入力します。

※ここではUbuntu設定画面のリモートログインで指定したIDとパスワードを入力することになります。

こうして接続を開始すると、

Ubuntuのログイン画面が表示されました。testuserを選択して、

パスワードを入力(ここはユーザログインのパスワードを入力)。

ん?なにか警告が表示されました。

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Remote login is not possible because a local session is already running for testuser. To login remotely, you must log out from the local session or force stop it.

testuser に対してローカル セッションがすでに実行されているため、リモート ログインはできません。リモートでログインするには、ローカル セッションからログアウトするか、ローカル セッションを強制停止する必要があります。

Force stopping will quit anu running apps and processes, and could result in data loss.

強制停止すると、実行中のアプリとプロセスが終了し、データが失われる可能性があります。

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あ、コンソールで既にログインしているから、ローカルセッションを止めてリモートデスクトップのセッションを開始していいかという警告のようです。既存のセッションに未保存のデータはないので、ひとまず「Force Stop」を選択してリモートデスクトップセッションを開始する様にします。(あとで試してみましたが、コンソールセッションなどで既存のログインがない状態でリモートデスクトップを実行した際にはこの警告画面は表示されませんでした。)

すると、WindowsリモートデスクトップでUbuntuのデスクトップを開くことができました。

これは良い感じです。

LinuxデスクトップにRDP接続できるのは便利

今回新しくなったリモートデスクトップ接続を試してみましたが、この機能だけ考えてもUbuntuを選択する動機が高まった感じがします。OS標準でリモートデスクトップの接続が用意されているだけでなく、前のバージョンではVNC相当だったリモート接続がWindowsでいう本来のリモートデスクトップ接続と同等の"ログオフ状態からRDP経由でログインする"ことができる様になりました。

いままで個人的にはLinux MintやDebianの方が優先順位が高かったのですが、GUI環境を使うならUbuntu、かなり有力な選択肢になったと思います。