treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Ubuntu 22.04 LTS標準のRDP接続を試してみる

どんどん進化していくUbuntu、Windows標準のリモートデスクトップ接続(以下、RDP接続)がUbuntuでも使えるようになった、ということで試したことをご報告です。

小話:Linux環境では標準じゃないRDP

Ubuntuを含めて、Windowsからリモートデスクトップ接続するには従来xrdpで提供されるリモートデスクトップサーバ(ホストプログラム)が必要でした。
以前<Linuxで利用するリモートデスクトップの話 - treedown’s Report>にて話題にしたように、リモートデスクトップクライアントからの接続を受け付けるホストプログラムとして「接続される側」のリモートデスクトップサーバプログラムとしてxrdpが必要になります。

新しいUbuntuは、OS標準でWindows標準のRDP接続を受け付けるホスト機能を搭載した(つまりxrdpが不要)という話を聞き、さっそく試してみることにしました。

今回の対象はUbuntu 22.04 LTSです。

設定してみる

さっそくUbuntu 22.04 LTSの環境を用意して、RDP接続を試してみます。
まずはOS設定からRDP接続を有効化してみます。
ログイン後のデスクトップ画面から、


右上のメニューをクリックし、「設定」を選択します。
設定画面が開きます。設定画面では、左ペインのリストから「共有」を選択。


右画面が共有設定画面になったら、画面上の有効化ボタンをクリック。
すると、画面内の「リモートデスクトップ」欄がクリックできるようになります。


さっそくクリック。
「リモートデスクトップ」という設定画面が表示されます。


さしあたり「リモートデスクトップ」と「リモートコントロール」の二箇所を有効化、VNCは使わないのでデフォルトOFFのままにしました。

スクロールした下の方では、RDP接続に使用されるユーザIDとパスワードの入力欄があります。


とりあえずデフォルトではLinuxログインユーザと同じ値が入っているようです。いちおうは、RDP接続専用のユーザに変更して試してみることにしました。
ちなみに下の「暗号化を検証」ボタンをクリックすると、FingerPrintの確認が出来ます。

念のためここまでやったら、OSを再起動します。

RDP接続試してみる

有効化されたRDP接続を試してみることにします。
再起動後、コンソールでUbuntuデスクトップにログインした状態でRDP接続をWindowsから試してみます。


ユーザIDとパスワードをきかれるので、先ほどUbuntu設定画面で指定したユーザ名とパスワードを入力して、RDP接続開始。※たぶんLinuxなのでユーザ名の大文字小文字も厳密に区別します。
認証すると、


このようにRDP接続おなじみの証明書関連の警告(自己署名証明書使った接続だけどいいよね?という問いかけ)が表示されます。「はい(Y)」をクリック。
接続完了。

Windows同様にデスクトップが表示されます。
ただし、注意点もあるので、これ以降でメモ。

注意点

Ubuntu 22.04 LTSのリモートデスクトップ接続はVNCの延長みたいな機能で、ログオフ状態のUbuntuにサインインするわけではなく、あくまでも「ログイン中のデスクトップセッションをリモートデスクトップクライアントで開く」という機能のようです。
このため、例えば、この画面の状態のUbuntuにRDP接続を試行すると、

以下のようにエラーになってしまいます。


WindowsでいうところのRemote Desktop Services(TermService)プロセスが動作していないときと同じような状態になっている模様。

これを回避するには、起動時に所定のユーザで自動的にログインしてコンソールではデスクトップが開くようになっていなければならないため、


ユーザの設定で自動ログインを有効化しておく必要があるみたいです。でも自動ログインにすると、コンソールにアクセス可能な誰でも操作できてしまうのはイマイチ。
そういう場合にはOS標準のRDP接続でなく、xrdpのRDPサーバを素直に使っておくのがよさそうに思えます。
あと、複数のユーザをUbuntuに登録してユーザ毎に使い分ける場合も、xrdpのほうが良さそうです。

とはいえ、OS標準でWindowsからのRDP接続の入り口が用意されたことはかなり今後に期待を持たせる機能強化に思えました。

将来的にUbuntuユーザは、xrdpをわざわざインストールすることなく、WindowsなりRemminaなりからRDP接続でリモート操作が可能になっていきそうだな、と思わせるRDP接続の標準搭載に未来を垣間見た気分でした。