今年の4月にSoftEther VPNの新バージョンとなる4.44がリリースしていました。既存のSoftEther VPN Serverをバージョンアップしましたのでご報告です。
SoftEther VPN Ver 4.44のリリース
2023年から2年弱経過し、ベータリリースの変更を含むRTM版の新バージョン4.44のリリースが今年の4月に公開されていました。
※SoftEther:バージョン更新履歴 (ChangeLog)
https://ja.softether.org/5-download/history
上記URLの文中、「オープンソース版: SoftEther VPN 4.44 Build 9807 RTM (2025/04/16)」に記載の内容は一読されておくことをお勧めします。
VPN Serverのバージョンアップ
当方にはWindowsクライアントHyper-VのゲストOSでDebianベースのSoftEther VPN Server環境と、Raspberry Piに導入したSoftEther VPN Server環境の二種類があるのですが、今回も前回<SoftEtherのVer.4.42バージョンアップを実施 - treedown’s Report>同様にRaspberry Piに導入した環境をベースに記事に残しておきます。
稼働中のVPN Serverは作業前に停止しておきます。
インストール先へ、バージョンアップ版をコピーします。
# cp softether-vpnserver-v4.44-9807-rtm-2025.04.16-linux-arm_eabi-32bit.tar.gz /opt/
旧式Raspberry Piなので32ビット版のRaspberry Pi OSをバージョンアップを繰り返して現在に至っていますので、「arm_eabi-32bit」版のソースを使っています。WindowsPCを転用してLinuxにしている場合には64ビットOS環境であることが多いので、環境によっては「softether-vpnserver-v4.44-9807-rtm-2025.04.16-linux-x64-64bit.tar.gz」を使うことになります。
構築時にvpnserverをインストールしたのは/opt(/opt/vpnserver)配下にインストールしたため、このパスも使い続けています。
# cd /opt/
# cp -r vpnserver vpnserver4_42
現在のバージョン4.42にて動作している環境を</opt/vpnserver>ディレクトリのコピーで</opt/vpnserver4_42>に保存しています。
次は作業用ディレクトリを作成してそこにインストールソースを移動します。
# mkdir work
# mv softether-vpnserver-v4.44-9807-rtm-2025.04.16-linux-arm_eabi-32bit.tar.gz ./work/
# cd work/
カレントディレクトリ</opt/work>に存在するファイル名:softether-vpnserver-v4.44-9807-rtm-2025.04.16-linux-arm_eabi-32bit.tar.gzを展開します。
# tar -zxvf softether-vpnserver-v4.44-9807-rtm-2025.04.16-linux-arm_eabi-32bit.tar.gz
tarでインストールソースが展開されていきます。
展開が完了したらインストールに取りかかります。
インストール作業
インストールはmakeコマンドを使用します。(新規導入時に必要になるので、既にOS内には導入されているはずです。)
tarで展開した</opt/work/vpnserver>で作業します。
# cd vpnserver/
# make
makeを実行すると、処理が進んでいきます。
中略、最終的に、
この「make[1]: ディレクトリ '/opt/work/vpnserver' から出ます」表示になってmake完了です。
現在のカレントディレクトリにある新バージョンのファイルを、既存のvpnserverディレクトリに反映させます。
# cp -rf ./* /opt/vpnserver/
これで、バージョン4.44のファイルが既存の</opt/vpnserver/>へ置き換えになりますので、バージョンアップが完了します。
バージョンアップの確認コマンド。
# /opt/vpnserver/vpncmd /help | grep Version
画面上に新バージョン(今回は4.44)で表示されたらバージョンアップが完了しています。
これでバージョンアップは完了しましたので、VPN Serverサービスを起動して、WindowsPCなどで用意したSoftEther VPN Clientから接続確認をします。
後始末。
# cd /opt/
# ls -la
# rm -r ./work/
rm -rは実行時注意。
クライアントで確認し良好
WindowsPCにインストールしたSoftEther VPN Clientから接続確認したところ、接続情報のバージョン情報が4.44へと表示が更新されたことが確認できましたので、バージョンアップは完了と判断しました。
手持ちの環境×2台をバージョンアップしていて(バージョンアップと関係ないところで)気づいたことがあったのですが、後日記事にしたいと思います。