いよいよInternet Explorer（IE）が終了、と公表されました。
廃止に伴って、代替策となるMicrosoft EdgeのIEモードを検証してみたのでご報告です。
Microsoft EdgeとInternet Explorer
現状Microsoftでは、Windows10にInternet Explorerを標準搭載し過去の資産（レガシーシステム）との下位互換を確保しています。
しかし、Microsoftからは「Internet Explorerは互換性ソリューションであって、新しいWeb標準をサポートするブラウザではない。」とか「もうInternet Explorerはつかうべきではない」という趣旨の話が以前から発信されていました。
つまり、
「困る人が多いから、やむなくサポートを続けているけど、新しい技術に適応できる状態じゃないから、次世代のブラウザを使ってね。」
と言っていたように思えます。
旧環境（Internet Explorerじゃないと開かない）サイトにアクセスするときに渋々やむなく利用するブラウザであって、メインで日常利用するようなブラウザじゃないよ、ってことです。
極端に言うと「もう消して（アンインストール）しまったほうがいいんじゃないか？」と提供者であるMicrosoftが自ら（明言はしていないものの）推奨しているようにも思えました。
移行先となるChromiumベースの新しいMicrosoft Edgeの存在。
<LTSB（LTSC）にEdgeブラウザがやってくる日 - treedown’s Report>
で以前試したように、今までMicrosoft Edgeを対象外としていたLTSC（LTSB）も対象として提供を開始していました。
IEが使えなくなる、この記事を下書きしていた2020年初頭の現時点では想像つかなかった話ですが、いよいよIE終了が公表され、IEを使わないように具体的に行動を起こさなければならない時が来たようです。
にっちもさっちもいかないようなセキュリティインシデントが発生したら急転直下Internet Explorer廃止という可能性もなきにしもあらず。
来たるべきXデーに備えて、Microsoft Edgeで代替可能な方法を学習しておくようにします。
Microsoft Edgeの機能⇒IEモード
Windows10に標準搭載のInternet Explorer以外の選択肢として（Internet Explorer廃止の布石だと思っていた）Microsoft Edgeに搭載されたIEモード。
この機能によってInternet Explorerが必要な旧式サイトの互換性がEdgeに提供されます。
しかし、以前はMicrosoft Docsで確認する限りではグループポリシー（ローカルポリシー）で設定しないとIEモードを有効化できないようでした。
※他の方法として、Microsoft Edgeの裏設定を実施して、起動時に" --ie-mode-test"を付加してMicrosoft Edgeを起動する、という方法もあったようですが、現状では幾度かのバージョンアップを経て、簡単にIEモードを有効化/無効化を切り替えることが可能になっています。
早速試してみることにします。
情報収集
まずは情報収集。
「公式：Microsoft Edge を IE モードで使用する」
https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployedge/edge-ie-mode
ここにIEモードを使用するための前提条件が（適用が必要となるKBをバージョン別に）記載されています。
自身の環境がどれに該当するかを確認して、条件を満たしているかどうか確認します。
加えて、「IE モードでサポートされる Internet Explorer 機能」と「IE モードでサポートされない Internet Explorer 機能」も目を通しておきます。
IEモードでサポートされる機能（以下抜粋）
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すべてのドキュメント モードとエンタープライズ モード
ActiveX コントロール (Java や Silverlight など)
ブラウザー ヘルパー オブジェクト
セキュリティ ゾーン設定と保護モードに影響を与える Internet Explorer 設定とグループ ポリシー
IEChooser で起動する場合、IE 用の F12 開発者ツール
Microsoft Edge の拡張機能 (IE ページのコンテンツを直接操作する拡張機能はサポートされていません)
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結構再現性は高そうに見えます。これは助かります。JAVAとかSilverlightといったActiveXコントロールまでサポートされているのはちょっと意外でした。
設定をやってみる
まずは、Internet Explorer専用のサイトをMicrosoft Edgeで開いてみます。
以前の記事<あるURLだけInternet Explorerを使うようにしたい - treedown’s Report>のブラウザ使い分けで確認したIE以外非対応のサイトページ。（イントラWebサイトのページなのでインターネット上にはありません。）
このページにIEモードを設定したMicrosoft Edgeでアクセスできるなら、検証は成功です。
いざ、設定。ちなみにEdgeはバージョン 90.0.818.66（64ビット版）で実施しました。
まずはMicrosoft Edgeのメニューを開いて、
開いたメニューから歯車アイコンの「設定」をクリックして開きます。
開いた設定画面から、
左上の設定一覧を開くアイコンをクリックして、開いた設定メニューから「既定のブラウザー」の項目をクリックして選択します。
すると、画面が変わります。
画面中の「Internet Explorer モードでサイトの再読み込みを許可」をクリックして有効化します。
有効化したら、画面の指示に従って、ブラウザを再起動。
再起動ボタンをクリックすると、Microsoft Edgeが閉じて、再び起動してきます。
これで設定画面を閉じても大丈夫です。
試してみる
さっそくエラーとなるサイトを開いてみます。
まずは変わらずエラー画面が表示。ん？IEモードを有効化したのに？と思うけど、トランキーロ。
ヘルプにもしっかり記載されているのですが、IEモードはいったんこの状態から追加で操作が必要になります。（以下抜粋）
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Internet Explorer モードでページを再度読み込むには、[設定など]、[その他のツール]、[Internet Explorer モードで再読み込み] を選択します。
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このため、
改めて、IEモードでページを開くために、「設定」⇒「その他のツール」⇒「Internet Explorer モードで再読み込み」を選択します。
※先ほどの有効化設定は、「その他ツール」にこのIEモードで再読込を表示させるための有効化設定です。通常は無効化されていて表示されないはずです。
選択すると、ページをリロードし、IEモードを使用した状態でページを再度読み込み直してくれます。
うまく表示されました。画面上部には「Internet Explorer モードに入りました。ほとんどのページはMicrosoft Edgeでうまく機能します。」とメッセージが表示されています。
※参考：画面中の詳細情報リンク先↓
この画面でいままでInternet Explorerで利用していたページをMicrosoft EdgeのIEモードで閲覧することができるようになりました。確認は成功しました。
画面上部の「終了」ボタンをクリックすると、IEモードが終了し、再びMicrosoft Edgeのモードに戻ります。（このため、画面はリロードされMicrosoft Edgeで開いた時のエラー画面に戻ります。）
IE終了に備える
IE要らないよ、という方はそのまま削除で構わないと思うのですが、IEは長い歴史を持つブラウザだけに、IEモード専用に作られていて逃れられない仕組みは残っているかもしれません。
IE廃止までまだ時間はありますので、まずはIEモードの検証から始めるというのがよさそうと思いました。
