ユーザが使用しているThinkPadが故障したということで複数台のThinkPadが持ち込まれて調査を依頼されたのでご報告です。
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故障したというThinkPadには、いずれも天板には付箋で「故障中です!」とか「電源が入りません!」とか目立つように付箋が貼り付けてありました。
うーん、では早速手持ちのACアダプタを接続して、とりあえずはBIOS起動を確認してみます。
…。
アッサリ起動。
ん?天板で派手に主張している故障とか電源入らないとかの文字とは裏腹に、アッサリとBIOS起動してきます。預かった台数分確認してみましたがどれも電源入るけど…。
うーん、なんだろうこれは。
そういえば昔
うーん、と考えると、ふと思い出した過去の出来事。
が関係しているかなぁ、と思ってBIOS設定を見てみたものの、この事例には該当せず。(設定が既に「Security Chip」設定値=「Current settingでActive」となっている。)
それならば、と
も関係あるかなぁ。
原因=ACアダプタが故障していた
ACアダプタも調子悪いかもということで、預かったACアダプタを別の(手持ちの)正常なThinkPadに接続してみると、特に問題なくコンセントLEDが点灯します。
これも違うかなぁ…、と思ってACアダプタの線をちょっと動かすと、ん?、何かLEDが消えました。
「断線か…」
画像は現物ではなく、再現のイメージ図なのですが、
通常の使用状態でACアダプタを接続すると、コンセントLEDが点灯し、バッテリも充電状態を確認してLEDが点灯します。
これが、ACアダプタの線の角度を変えると(断線とおぼしきところを曲げると)
こんな風に、コンセントLEDとバッテリLEDが消灯してしまいます。
このACアダプタの動かした部分の線が断線している、と考えられました。
バッテリが無事なら…
バッテリが無事ならバッテリで電源がONになってPCは起動し、バッテリ残量不足となってPCがダウンするという動きをするので、ACアダプタが故障していますよ、という症状は分りやすいのですが、対象のPCでは1台を除いてバッテリが寿命となり、バッテリLEDはコンセントにつないだ状態でもオレンジ色の点滅になっていました。
バッテリ寿命のPCでACアダプタの故障によってPCの電源が入らない、とユーザ側で判断されたのかなぁ、と結論づけることにしました。正常なACアダプタだと特に問題なくOSの起動までが確認出来てしまいますし。
バッテリ寿命に端を発しているような気はしますが、念のため、
たまにThinkPadの電源が入らない - treedown’s Report
も可能性があるので、電源ボタン押下時の注意点をユーザ側に伝えることにしました。
あと、「電源が入らない」じゃなくて、「電源が入るのにOSの起動(正確にはBIOS起動)が遅い、という動作を総じて「電源が入らない=故障」と判断された可能性もあるかな、と思い、このPCに設定してあったIntel AMT設定を無効にして様子を見ることにしました。
古いPCなのでIntel AMT有効化状態でPCを起動する時にTPMアクセスに時間が掛かるという動きをすることがあったので。
この場合、AMT設定を無効化しOS起動時にTPMアクセスが発生しないようにBIOS設定してしまう、というので切り分けができます。Intel AMTは使えなくなっちゃいますけど。