前回<(1/2)Security Suiteによってサポートが変わることもある>の続きです。
いったん復旧作業を中断、サポートからの提案で開発元の知見に頼ることとなり、二週間後の連絡を約束し、その日がやってきました。
※なお、文中の会話はニュアンスを元に再現したフィクションとしてお読みいただければ幸いです。
開発元が全否定
その日、電話が掛かってきました。
さあ、ようやく復旧だ、結構業務ソフトでやっている処理が溜まっているんで、よろしく頼みますよ、と期待を持って電話に出ると、開口一番、その期待を打ち砕く話が出てきました。
「お客様の環境は、セキュリティソフトが原因でサポートされません。」
ん?どういうこと?
「申し上げにくいのですが…、開発元から言われたことをお伝えしますね。
"お客様のお使いのセキュリティソフトは、見たことも聞いたこともないソフトウェアであり、そのようなソフトウェアをお使いであるため対処方法は分からない"
とのことです。」
え?ソースネクストのセキュリティソフトなんですけど…。
「開発元の回答としては、ノートン(Norton)やウイルスバスター(TrendMicro)のような有名なセキュリティソフトであれば、このような動作の問題は発生しない、と申しておりますので…」
そういって、言葉に窮した電話の向こう側、私が悟ることをまっているようでした。
"それは、使っているセキュリティソフトがノートンやウイルスバスターじゃないから、今回の障害は解消できません、ってことですか?"
って質問したら、電話の向こう側では"よく分かってくれました"というトーンの声で、
「そうなります、開発元としては、お使いのセキュリティソフトは見たことも聞いたこともないセキュリティソフトなので、どのように対処したらいいかは"全く分からない"と…。」
ある意味スゴイ開発元だな…、と思いつつも、このセキュリティソフトは決してマイナーではなくそれなりに世の中に出回っているモノであることを簡単に説明してみたが、暖簾に腕押し、電話の向こうからは、
「とは、申しましても、開発元としては"そのセキュリティソフトが問題の原因"と判断しているようでして…。」
どうにもならないらしい。
スーパーセキュリティZEROは「安全です」って言ってくれてるけど、別の意味では安全じゃなかった(脅威となった)ってことに?
そして話はあらぬ方向へ。
OSが悪いって?
スーパーセキュリティZEROなど聞いたことも見たこともない開発元からの言葉を伝えるサポート担当者からはさらに別のサポートできない要因があることが分かりました。
「さらに、お客様のOSは最新ではないことも関係してる可能性が高いと申しております。」
え?最新じゃないって、Windows10のLTSB(Long Term Servicing Branch、現在の呼称はLong Term Servicing Channel=LTSC)なんですけど。
Windows10 LTSB 2016はWindows10 バージョン1607と同等のOS、ですが、2016年から10年間のセキュリティアップデートが保証されている、Windowsのオープンライセンスで利用可能なEnterprise Editionの一つですよ?
「はぁ、そうですか…、とはいえ、開発元としては、Windows10が最新ではない環境ですから、何が悪いか分からない、という回答なんですよね。」
うーん、この原因って、セキュリティソフト(スーパーセキュリティZERO)がこの業務ソフトの自動アップデート機能で(誤検知だけど)ウイルス検知したことが発端じゃないですか。てことはOSは問題と関係してないのは明白ですよね。
「そうですね。でも復旧できませんから。」
うーん、こりゃあどうにもならないぞ…。
とはいえ、この業務ソフトウェアがなくては業務が進まない、アレコレと説明しても結局開発元がサポートに言わせているという関係上サポートの人に納得してもらってもどうにもならないと考えるようになっていました。
私にできる選択肢は
"諦める"
という選択肢以外が残されていないことにようやく気付きました。
スーパーセキュリティZEROでサポートされていないソフトウェアだったんだ
そう、考えることにして、大人しく別のWindows10 ProのPCにインストールすることにしました。
サポートにも"それはWindows10 Proにインストールして、ウイルス対策ソフトはWindows10標準のウイルス対策かノートンかウイルスバスター以外のセキュリティソフトは使わないようにする"という解決策しかないってことですよね?"なんてことを、ため息交じりに質問した結果、
「そうしてくださいますか?当方としてもこれ以上のサポートは出来かねますし。」
みたいな、安堵のコメントをありがたく頂戴したため、諦めてサブ環境となるノートPCのWindows10 Proに業務用ソフトウェアのインストールを始めている自分が居ました。
なんか…釈然としないものがありますけど…。
教訓?
スーパーセキュリティZEROというセキュリティソフトはそれほど有名じゃないらしい。それこそソフトウェアの開発元である開発会社から「見たことも聞いたこともない」って言われてしまうほどに。
Windows10のLTSC(LTSB)つまりWindows10の長期サービスチャネル(Long Term Servicing Channel:LTSC)を利用している環境で、ソフトウェアのサポートを受けようとした場合、直接的に関係なくても悪者にされてしまう場合がある。
ちなみに、マイナーなソフトウェアであってもWindows10のLTSC/LTSBできちんと動作することを確認しているソフトウェアも世の中にはあります。つまりLTSC/LTSBで動作を確認しサポート対象としているソフトもあるので、一概にダメと言われるわけでもないのは注意ポイントですね。
こういうこともあるんですね…、やっぱWindows Defender使っておきなさい、ってことなのかなぁ…、となんかちょっと複雑な気持ちになりました。