前回「Linux版「Microsoft Edge」がやってきたのでLMDE4にインストールしてみる」では、簡単にインストールしてMicrosoft Edgeを使ってみるところまでやってみましたが、今回は違ったインストール方法でDebian環境でやってみたのでご報告です。
DebianにMicrosoft Edgeをインストールする
前回とは違って、コマンドで実施してみることにしました。内部を理解することはいざトラブルに遭遇したときに、トラブルシューティングに必要な知識として役に立つこともあります。
必要な知識は、前回も掲載の
■Microsoft 製品用 Linux ソフトウェア リポジトリ
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/linux-package-repository-for-microsoft-software#debian
このURL
ここには「Debian 10 (Buster)」の表記があります。これに沿ってやってみることにします。(※Debian 11(bullseye)でも同じような気はしますので、10と11の差はURL以外に違いはないだろうということで、気にせずDebian 11(bullseye)環境で実施しています。※10/11のバージョン箇所は読み替える)
apt-add-repositoryで指定されている
https://packages.microsoft.com/debian/10/prod
の10を11に替えると「Index of /debian/11/prod/」のページを確認できます。
https://packages.microsoft.com/debian/11/prod/
今回試したこの手順は<https://www.microsoftedgeinsider.com/ja-jp/download/?platform=linux-deb>で確認できます。
準備
まずは、aptでシステムを最新にしておきます。(apt updateとapt upgradeで最新にしておく)
次いで、Edgeインストールに必要なパッケージを入手します。wgetは既にインストール済だったので、他の必要パッケージを入手します。
$ sudo apt install apt-transport-https ca-certificates curl software-properties-common
と思ったら、ca-certificatesが既にインストール済だったよう。
Edge本体インストール前準備
インストール前準備として、GPGキーとリポジトリの登録が必要なので、手順に沿ってコマンドを実行します。
$ curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > microsoft.gpg
$ sudo install -o root -g root -m 644 microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
curlコマンドでダウンロードしたGPGキーを"/etc/apt/trusted.gpg.d/"にパーミッション指定で配置します。
キーの配置が完了したところで、Microsoft Edge リポジトリを登録します。
$ sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/edge stable main" > /etc/apt/sources.list.d/microsoft-edge-dev.list'
$ sudo rm microsoft.gpg
途中catコマンドで登録したリポジトリの中身(/etc/apt/sources.list.d/microsoft-edge-dev.list)を確認すると、
deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/edge stable main
という記載で登録されているのが分かります。
前回<Linux版「Microsoft Edge」がやってきたのでLMDE4にインストールしてみる - treedown’s Report>GUIでMicrosoft Edgeをインストールしたときに確認したリポジトリのエントリと同じ内容が登録されていることが確認できました。
※追記(2022/03/31)
ここで手動で追加したリポジトリファイル(microsoft-edge-dev.list)は、実際にMicrosoft Edgeインストール後に自動的に追加されるリポジトリファイル(microsoft-edge.list)と内容が重複しエラーを出すので、その場合には手動で追加したほうのmicrosoft-edge-dev.listは削除/移動などで参照されないようにします。
ディレクトリ内</etc/apt/sources.list.d/>が上記のようになって重複でエラーが出ていたら、片方は不要なはず。(追記ここまで)
インストール実行
ここまで完了したところで、一度aptを更新してみます。
$ sudo apt update
aptの実行結果に、
--------------------------------------------------------------
取得:4 https://packages.microsoft.com/repos/edge stable InRelease [7,343 B]
取得:5 https://packages.microsoft.com/repos/edge stable/main amd64 Packages [10.3 kB]
--------------------------------------------------------------
という感じで新たに追加したMicrosoftのリポジトリが状態:取得となっていることが確認できます。リポジトリの登録は問題なく完了したようです。
さっそく、インストールを実行。
$ sudo apt install microsoft-edge-stable
インストール対象として、Microsoft Edge Stable版と依存パッケージ(libu2f-udev)のインストールが表示されます。ここで[Y]-Enterで進めます。
インストールが進んでいき、
完了したようです。
確認してみます。バージョンの確認は、
$ microsoft-edge -version
で確認可能。
現時点のバージョンが表示されました。(現在:Microsoft Edge 98.0.1108.56)
起動確認
GUI環境のスタートメニューを見てみます。
最初、スタートメニューになくて、あれ?っと思ったのですが、ログインしたままでMicrosoft Edgeをインストールを進めた場合には、いったんログオフしてから再度ログインし直すことでスタートメニューのインターネット欄にMicrosoft Edgeの存在が確認できました。
起動すると、前回<Linux版「Microsoft Edge」がやってきたのでLMDE4にインストールしてみる - treedown’s Report>と同様の初回起動を経て、起動。
Delian MATE環境でもMicrosoft Edgeが 無事起動。
おまけ:アンインストール
実際に試していないけど使うかもしれないのでアンインストールのコマンドもメモしておきます。
$ sudo apt autoremove microsoft-edge-stable --purge
※未使用の依存関係があるパッケージも同時に削除されます。
各ディレクトリからGPGキーを削除します。
$ sudo rm /etc/apt/trusted.gpg.d/microsoft.*
$ sudo rm /etc/apt/sources.list.d/microsoft.*
以上で削除が完了する(はず)です。