ちょっと前の話なのですが、家庭内のインターネット接続(光回線)に謎の速度低下が発生、調べたことをいくつかご報告です。
いままでになかった速度低下でちょっと調べるのに時間が掛かりました。
状況
テレワークが全盛となりつつある自粛期間中、ZoomやMicrosoft Teamsでミーティングすることが日常になっていました。
そんなある日、19:00くらいから21:00の時間帯にPCを使ってZoomで通信をしていた一人が通信の不調を訴えてきました。
「Zoomで向こうの画面が見えない。」
ん?画面に目をやれば、ネットワークの速度が低下とか品質が低下していますとかいう類いのメッセージが表示されており、いつもは画面一杯に表示されているZoomの表示が解像度低下で小さく表示されていました。
先方ではホワイトボードで何かを書きながら説明しているので、解像度が低下することによって、何が書かれているかサッパリ判別できなくなっているようです。
これは困った。障害ということで、さっそく対処に取りかかりました。
有線LANを試してみる。
Zoomの表示からネットワークの速度低下や遅延などの問題が出ているのかな、と考えました。
まずは、このPCではWiFiでLANに接続し大元にある光回線経由でインターネット接続をしているため、無線LANの電波に問題が出たか?と考えました。
802.11b/gの電波(しか使えないWLANのNICだったので)を使っているため、電子レンジを始めとする他の機器から干渉を受けて無線品質に影響するのはよくある話。
ならばと、有線LANで接続すれば問題は解消するだろうと考えて、さっそく長いLANケーブルを用意してスイッチとPCをLANケーブルで接続することにしました。
すると…
一瞬、解消したかのように画面は大きくなったものの、すぐに元の低解像度状態に。
どうやら原因は無線LANじゃないよう。
速度…?
日中には別のPCからZoomミーティングを普通に利用しているときには、特にこのような問題は起きていないらしい。
有線LANで接続した範囲はスイッチはギガビットイーサネットのスイッチを使っているし、ブロードバンドルータで100Mbpsに速度低下するけどそこまでは1Gbpsで通信するようにLANは構成されています。
て、ことは、内側じゃなくて外側の速度低下?
ちょっとインターネット速度計測サイトで試して見ることにしました。
そこには880kbpsと記載されていました。
あー…、遅い、遅いですね。110KB/sですって。
完全に下りと上りの速度が逆転しちゃうほどに速度低下してしまっています。
下りで880kbpsって、昔のPHSにちょっとプラス、位の速度しか出ていないようです。これは良くない。
逆に上りの回線速度は25Mbps出ています。上りの帯域は使っていないから、それはそうですが、に、しても25Mbpsもそんなに速くはないかな。
どうやら自身のZoom以外でも帯域を圧迫する要因がありそうです。しかも外的要因。
光回線だけどVDSL
使っている回線は、以前に通信障害があったソフトバンク光(Yahoo! BB)です。
ソフトバンク光(Yahoo! BB)で通信障害が発生した。 - treedown’s Report
「今回も障害なんじゃない?」なんて言われたのですが、どうもそんなことではなさそうな感じがします。(なんとなくだけど)
この回線は
<PC>---<LAN/スイッチなど>---<BBルータ>---<共用部:VDSL>---<公衆網:光回線>
と、このような感じでインターネット網内に出て行っています。
どうしても通信速度が遅いVDSL内が速度低下の原因としてあやしそうな…。
でも、共用部のVDSLが混雑している、なんてどうしょうもないですな。どうしようか。
とりあえずの対策
どうしよう、とうんうん考えていたそのとき、天の一声が、
「モバイルWiFiルータで通信すれば安定するんじゃない?」
全く頭の中になかった考えですがそれはよさそうです。格安SIMのIIJmioが入っているモバイルWiFiルータなので、パケットの容量には制限があるものの、外出自粛中でモバイル環境を使うアテはいまのところないので、多少パケットを使ったとしても大丈夫だろうと判断。
さっそく、有線LANで接続しているPCを操作し、WiFiの接続をモバイルWiFiルータのSSIDに向けて切り替えました。
狙ったSSIDに接続された無線LANのステータスを確認し、LANケーブルを抜き、通信の切り替えを実行。
上手く断なく通信経路は切り替わってくれたようです。
ひとまず、回線品質低下を示すメッセージは画面から消え、低下していた解像度も元に戻ってくれました。
一安心。(ただ10分で100MBくらいのデータ通信をするので、データ通信量の上限に到達する長時間は無理そうだけど)
その後調査
いちおう、速度低下の要因がVDSL内の問題だったのかを確認するために、速度を計測してみることにしました。
数時間後、2Mbpsくらいに回復、
上り40Mbps出ています。いやでも遅いような…規格としては終焉を迎えているFOMAのHSDPAで下り最大3.6Mbps出るんですから。
さらに数時間後の夜中、
5Mbpsまで回復していました。上りは32Mbpsになっていますがこれはこういうもんなんだろう。
いやしかし、それでも遅いぞ、光回線は100Mbpsなんですから。そもそも導入した直後の以前はもっと速度が出ていたはず。ADSLか、ってくらい遅いじゃないですか。ベストエフォートっていってもこれはなかなかヒドイ。
そりゃまぁ、ベストエフォートに速度を求めるのもどうかという考え方もあるけど、10Mbps位は欲しいような。
宅内共用部でVDSL回線が使われていることから考えて、他の近隣の部屋で大きな通信が発生しているのかなぁと思いました。それこそ同じVDSLを共有する他のユーザがZoom飲みをやっている、とか。
その日は諦めて、後日、調べて見たところ、
下り20Mbpsに回復していました。
日中Zoomミーティング中に計測してこの速度が表示されるってことは、やっぱこのときの速度低下は一過性のものだったなという確信の一方で、他のユーザの通信次第では時代遅れな感のある共用部のVDSLは簡単に帯域を食い潰してしまうんだな、と実感した出来事となりました。
私じゃないけど当家も日中はかなりの頻度でZoomの通信によって帯域を使っていますし。
結論
モバイルWiFi(格安SIMのIIJmio入り)の方が通信速度が速いこともある。
スマートフォンのテザリングで間に合うことが多いことから、出荷台数の減少がネットニュースになるも、それほどその記事も話題にならないくらい世間の注目度が下がっているモバイルWiFiルータというデバイスですが、今回はこのモバイルWiFiルータに救われる格好となりました。
次期5Gでは光回線を凌ぐ下り最大数Gbpsという速度が出るようになるのもあって、(今回のように外出自粛がまたあるようなら)いざという時に備えて一台用意しておくのもアリなのかなぁと思い始めてきました。
有線LANも使えるタイプだと、
Wi-Fi STATION SH-52A | データ通信製品 | 製品 | NTTドコモ
下り最大4.1Gbps、4G LTEでも1.7Gbpsの速度が出るようなので、これ良さそうだなぁ、とやや物欲が湧いてきます。高価ですけど。