Windows10における各エディションのサポート期限や、そのWindows10上で動作するOfficeについて、Microsoftのサポート方針に変更がありました。
最近別件で話題に上がったのでご報告します。
全体的に
Windows および Office のサービシングとサポートの変更【2/3 更新】 – Microsoft Partner Network ブログ
この内容です。
思ったこととか、個人の感想とか。
Windows10のサポートに変化
これはけっこう有名なので知っている人も多いと思いますが、エディションによってサポート期限が変わるようになりました。
HomeやProとEnterprise/Educationで差がついたようです。
現行のWindows10バージョンとなるFall Creators Update(バージョン1709)は、来年となる2019年4月9日にサポート終了⇒次のアップデートバージョンを適用しないといけない、という状況ですが、EnterpriseとEducationはさらに半年上乗せとなる2019年10月8日まで有効期限が延長されることになりました。
単純にEnterpriseとEducationは半年有効期限が長い(賞味期限が長いとでも申しましょうか)と覚えておくといいようです。
もともとEnterpriseとEducationは企業や教育機関向けにわざわざライセンスを追加購入して利用するエディションなので、その点を優遇したというイメージですね。
Office365が使えないOSが
上記のように好意的に受け入れられる変更もあれば、残念な話題としてOffice関連で二件ほどあります。
Office365でサブスクリプション型のOfficeを利用している場合、2020年1月14日に旧OSが切り捨てられてサポート対象外となってしまいます。
そのOSというのが、、、
- Windows8.1(加えてそれ以前のバージョン、例Windows7とかもそう)
- Windows Server 2012/2012R2、2016
- Windows10 LTSC(LTSB)
Windows10はLTSC(LTSB)じゃないと安定しないようなイメージがありますが、そのLTSC(LTSB)がOffice365の動作環境から切り捨てられてしまいました。うーん。
Windows8.1は今年2018年1月にメインストリームサポートが終了してしまい延長サポートフェーズに入ってしまいましたので、ちょっとやむなしな感じはしますが、Windows8.1のメインストリームサポート終了直後の現状で、Windows10のLTSC(LTSB)やWindows Server2016までが切り捨てられてしまうのは(個人的な感覚では)ちょっと厳し過ぎる(拙速な)んじゃないかなぁと思う足切りですね。
※ちなみにWindows Server 2016というのはWindows10のLTSBと同一視できます。Windows8.1=Windows Server2012 R2というのと同じです。
つまり、Windows10でも、WaaSに乗ってないOSはOffice365のサブスクリプションの動作基盤としては認めない、というメッセージを感じます。
極め付けはOffice2019
Office2019の永続ライセンス版(いわゆるボリュームライセンスで購入して利用する昔ながらのOfficeの2019バージョンのこと)では動作環境がリリース前からかなり絞られているようです。
※詳しくは前述のURLを
もうDVDなんて供給されないのね…。
一番クラクラ来てしまったのは、Office2019は延長サポートが2年しか提供されないということです。いままでメインストリームサポートと延長サポートフェーズを合わせて10年あったOfficeですが、7年に短縮されてしまったことになります。そうなると前バージョンのOffice2016と似通った感じのサポート期間になってしまいそうな。。。
サポート終了までのサイクルを短縮し、回転を上げようという狙いがあるんじゃ…?と邪推してしまいました。まさかね。
さらにOffice2019はWindows10 LTSC 2018じゃないとサポートされず、LTSB 2016はサポートされない、というように見えます。うーん。ここでもLTSB 2016は足切りのようです。それ以前のOSなどに至っては当たり前のように記載がないので、Windows10のWaaSに乗っているか、あるいはLTSCの最新版か、Windows Serverの時期LTSC(予定ではWindows Server 2019と呼ばれている)にしかインストールできませんよ、という変更点となっていました。
これもこれまでなら、ボリュームライセンスでライセンスを購入したOfficeならば旧OSで動作させることに技術的なハードルはなかったのが、Office2019では変化していることが読み取れます。
おそらく「Click-to-Runでのみ提供される」という点が大きく影響しているように思います。
こんなにユーザ側の環境を絞られると、Office2019にするために必要な周辺環境を整備する費用が掛かり過ぎて、導入のメリットってどんくらいのもんなの?と会社のエライ人に聞かれたときに、答えに窮してしまいそうで怖いです。
そしてWindows 10 LTSC 2018
Windows10 LTSB 2016の次期バージョン2017はリリースされていなかったので、「まさかこのままLTSBはうやむやにリリースされなくなるんじゃ?」と疑ってしまいましたが、2018年は無事名称をLTSCと変更してロングタームサポートチャンネルのWindows10がリリースされる予定となりました。
これはSAを保有しているユーザとしては非常に興味があるんじゃないでしょうか。
特にWindows8.1やWindows10はハイパーバイザーとしてしか興味がない、というユーザ向けには、LTSC(LTSB)はかなり検討の価値があるOSです。SAつけるかどうかはさておき。
いったん導入すれば10年はセキュリティアップデートの心配をしなくてよくなるので、Windows10を小規模のサーバ的な使い方をする場合には結構いい感じです。ちょっと高いけど。