treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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昔話:スケジュール厳守、それは守ってない?

社会人にもなれば、不条理なことの一つや二つあるものです。
あるものですが…、やっぱ嫌ですよね。
スケジュールを守らない人がこちらには「スケジュール厳守!」とプレッシャーを掛けてくる…。こんな昔の体験談を一部フィクションを交えてご報告です。

スケジュールを守らない

「おい、あれ、どうなってる?」

ある日の午前中、上司から声を掛けられた、といってもお昼休憩直前の多少切羽詰まった時間帯だ。そのとき何をやっていたか思い出せないが、何か作業に追われていたと思う。

詳しく話を聞いてみると、起案しなきゃいけなかった稟議がまだ出てないんじゃないか、って話だった。
あれ?その稟議って前に「見積もりを取ったら私に出しなさい、妥当かどうか判断する。」って言って、見積もり持っていきませんでしたっけ?
見積もりはだいぶ前に提出済み、見積もりを提出したから、もう自分の手は離れた、ってことで記憶から抹消していました。忙しいとあるよね、あるある。

しかしそんな心の声を非難するかのように上司は語気を荒げた。

「見積もり渡したから終わり、ってか!そんなの通用すると思っているのか?」

いやいや、だって見積もり渡したときに「見ておくから置いておけ。」って言ってたじゃぁないですか。
渡したら見ておくだろうな、って思いますよ、そりゃあ…。
でもこういう状況説明ってやつは言い訳にしか聞こえないらしい。ぴしゃりと返された。

「言い訳はいらない。こういうのって渡したから終わり、じゃないんだよ、上司が確認したかどうか必要に応じてそちらからアクションしないと。」

ううっ、なんだかお説教が始まる予感だ。
その予感は間違っていなかった。

「私はスケジュール厳守に人一倍こだわっている、ということはミーティングでも良く言っているだろう。進捗が遅れるということは他の業務や他の部員にも影響を与えるということだ。分かっているのかね?」

つづく…

「納期、ってのはなんとなく定めているんじゃないんだよ。マイルストーンだよ。分かる?」

続く続く…

「その納期にきっちり完了しているからこそ、別の業務、他の部員がそれの完了を元に次のアクションができる、そんなことも分からないのかね。何年やってるんだよ、いったい。」

…はあ。
もうこうなると、特に何も言うことはないだろう。
一言
「すいませんでした。」
と言葉少なに謝罪の意を伝え、いかに早く自席に戻るか、その方法を探るしかなかった。

でもな…何か矛盾してないだろうか?

その後、冷静なアタマで先ほどの出来事を思い返す。
ちょうど昼食時のことだ。昼食時に思い出してしまったせいか、食べている昼食の味がボンヤリぼやけてきた。

味も頭の中もボンヤリした中で、機械仕掛けのように昼食を口に運ぶ、サラリーマンとは辛いものだなぁ…、などと考えている最中、急に頭の中に光が差しこみ、何かが固まるようなイメージが湧いた。

「あれ?スケジュール厳守、ってどういう意味なんだろう…。」
一人で昼食を取りながらそう呟いていた。
頭の中でなにか釈然としないものが蠢いてきてしまった。

スケジュール厳守、これを大切にしたい、それは分かる。そのために日取りを決めてここまでに稟議を提出し、必要期間内で承認を得たい。これも分かる。
これを達成するために、妥当な期間内で稟議を出さなきゃいけない、これは一つのスケジュール厳守に必要な行動、これも分かる。
そして、この稟議を提出するスケジュールの見通しが甘かった、ということを責められた、ということと認識した。
しかしその稟議の前提条件となる見積もりを確認する、というプロセスは、曰くにある「スケジュール厳守」に含まれないのだろうか、見積もりを確認するという段階なくして稟議を作成し提出する、というアクションはあり得ない。しかし、その前段階のスケジュールは特に不問に付されたようにしか思えない。正直勢いで飲まれた格好だ。

「しまった…、やられた…。」
気づいてそう呟いた時には既に遅かった。結局勢いに押されて「状況確認しない部下が悪い」という格好になってしまっていた。

こういうの、ホントは考えちゃいけないんだろうなぁ…。って思う。

口の中にかきこんだ昼食に本来感じないはずのほろ苦さを感じながら、午後の仕事に向かっていくのであった。