もう使えないと思っていたSSD、不良セクタが出ていたので諦めてお蔵入りしていたのですが、重要度が低い環境ならまだ使える、ということが分かってウレシイ復活、と言う話をご報告します。
しかし、過信は禁物、こういう事例もあるんだな、くらいでご覧ください。
不良セクタで使えなくなっていたSSD
PlextorのM6Sという7mm厚の2.5インチSSD。Hyper-Vサーバのシステム&データの両方を保管するパーティションに使ってきたんだけど、ある日不良セクタが発生し、一部ゲストOSのVHDが一部読み取り不可能な状態になってしまいました。
幸いなことに障害が起きたゲストOSがどうにか稼働していたのに加えて、VHDは(確かLinuxとWindows7だったと思う)諦めて再構築可能な環境だったので、交換用のSSDを調達してOS再インストール⇒設定を入れ直しで復旧可能でした。
で、残されたのは不良セクタが発生したSSD…。
これはダメだな…。
ってことでひとまず交換したSSD、メーカー保証期間なんてとっくの昔に切れています。しかしこのSSDをなんか使う方法とか使いどころはないものだろうか、と思ってお蔵入りしていました。
ある日、聞いた話
「…ってことで、去年(2018年)はSSDが次々に障害を起こして大変だったんですよね~。」
と、こういう話をしていると、会話の相手から意外な話が。
「あー、不良セクタ出ただけだったら、"クイックフォーマットじゃない方の"フォーマットをやってみるといいですよ。復活するかもよ。」
って話を聞く。
「記憶装置として認識しないとかボリュームにアクセス出来なくなる、って障害だとダメですけどね。どっかにちょっとした不良セクタが出てるだけなら可能性はあるよ。」
ほほう…、これは興味深い。実に興味深い。
さっそくやってみることにしました。
まずは改めて、不良セクタ確認
最後に調査したときには不良セクタが出てましたが、改めて不良セクタがあるかどうか確認。
調査にはいつもFromHDDtoSSDを利用しています。
やはり不良セクタが検出され、処理が進まなくなってしまいました。
そこで中断します。
不良だから調査データを破棄しますよ、ってメッセージ。
改めて、このSSDには不良セクタが発生しており、利用できる状態ではないということが分かりました。
そこで、通常のSSD(HDD)で実施するように、ディスクの管理(diskmgmt.msc)を起動して、パーティションをいったん削除し再作成、パーティションを作成するときにフォーマットするわけですが、その時、
「クイックフォーマットする」の箇所(デフォルトでチェックが付いている)をチェックを外す。
これがポイント。
こうしてフォーマットを実行します。クイックフォーマットじゃないフォーマットを実行するために時間が掛かりますが、ジッと待ちます。
終わったら、再びFromHDDtoSSDで同じSSDドライブをスキャンしてみると
不良セクタは検出されなくなりました。(正確には切り捨てられただけ)
実行結果を見ても…
おぉー、いい反応です。
それならば、と手持ちのSSDで不良セクタが発生したSSDを次々と試している自分が居ました。
注意点
そのあとも試してみた感触では、不良セクタが発生したSSDどれでもこの方法で行けるわけではない、ってのが注意点です。
不幸にも不良セクタが発生してお蔵入りしていたSSDが4台あったのですが、フォーマットで再び使えるようになったのは2台だけ、残りの2台はフォーマット途中で「フォーマットを正常に完了しませんでした。」というエラーが発生し、フォーマットが完了しないという症状でうまくいきませんでした。故障は故障ってことです。
不良セクタが発生した、というだけじゃない他の要素も絡んでいるようです。(何かは分からないけど)
とりあえず手持ちの問題SSDのなかでは五分五分でしたが、捨てるならその前にダメ元でやってみる価値はある(程度のもの)かも。
復旧したものは
Windowsでクイックフォーマットじゃないフォーマット(ちゃんとしたフォーマット)を実行すると、セクタの代替処理が実行され、Windowsで不良セクタを"使っちゃいけないセクタとしてマーク"する処理を実行してくれるので、このような動作をするそうです。※昔のScanDiskってのもそうでしたね。
今回復活したSSDもおそらく代替処理が実行されて、不良セクタが切り離されて正常に戻った、と考えることができます。
とはいえ、いったん不良セクタが発生してしまったという実績はあるSSDということで、あまり重要な(データ損失で被害が出る)用途に使うにはためらいます。信頼性が高く要求される用途に使うわけにはいきません。
ここはひとつ、データは溜め込まない(あるいは他でバックアップを持っているデータしか置かない)PCのシステムディスクとして利用するのがイイかな?と思っています。
※例:例えばWindows10の大型アップデート(に限らずWindows Update全般でもよさそう)を検証するためのPCとか
今度環境を作るようなことがあったら、使おう、と思いました。