treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Acer Aspire S3-951にWindowsクリーンインストール

今回はお手伝いしている企業のPCで障害発生につき、トラブルシューティングしました。その結果をご報告します。

事業用PCのうち1台が故障したようです。
メーカはAcer、機種名:Aspire S3-951というスリム(薄型)のPCです。

依頼者の方の話によると、
「エラー頻発(メッセージは覚えていない)のため、データをUSBメモリに抜き出して、リカバリをしようとしたんです。」
なるほどなるほど。手っ取り早いですよね。
※この時点でファイルベースでのデータバックアップは出来ている。
※メールデータはIMAP利用のため大丈夫

「で、リカバリしようとしたんですけど、「予期せぬエラーが発生しました」とメッセージが出て停止してしまうんです。
もうどうしたらいいか分からない、いっそ捨ててしまおうか。」
ちょ・ちょ・ちょっと待って、落ち着いてください。
突然盛り上がらないでください。
エラーはどんなメッセージだったかほんとに覚えてないですか?何かヒントでもいいんですよ。
「覚えてないです。動かなくなったりもしましたからリカバリすればいいかな、と思って…。そしたらこの状態です。やっぱりいっそ捨ててしまおうか。」
診察して直せそうなら私の方で直しておきますから。持ち帰って様子見ますね。故障であれば実費で必要な部品を購入することになりますしお時間は故障の状況によって短期長期あるいは修理不可となりますけどいいですよね?
「もう使えないとあきらめていたPCなのでかまいません。」
ではそうしましょう。

PCを預かってさっそく持ち帰り検査を開始。
まず言われた通りのリカバリエラーメッセージを確認してみる。
リカバリ自体は始まるけど確かに途中で「予期せぬエラーが発生しました」と表示されてリカバリはそこでストップ。結局リカバリもなにもできない状況。なるほど。
エラー頻発、と言っていたエラーが指すところがディスク破損の類なのではないか?と疑ってかかります。
つまり、リカバリタスク自体は始動するのでその処理に辿りつくまでの処理上の問題はない、ということになります。で、いざリカバリを開始すると、ディスクの破損している部分を読み取るか書き込むかするが破損しているからそれが成功せず「予期せぬエラー」を出力して処理中断、となっているように見えます。(ディスクのアクセスランプもそのような点灯に見受けられる。)
まずは分解。慣れないAcerなのでいつもより慎重にいつもと同じように丁寧に、分解していきます。結構分解しないとストレージが出てこないような作りになっています。。
ディスク破損の仮説が正しいことを確認するため、慎重にディスクを外して、2.5インチディスクだけ取り出します。
USB変換をつけ、別のPCにUSB接続、ディスクチェック。
案の定、不良セクタがちょっとだけ出てきたのだが、不良セクタの場所はパーティション容量から数えるとちょうどリカバリ領域の部分が損傷しているように見受けられます。これではどうしようもないです。

リカバリディスク…は、もちろん作成してないよね。CDドライブレスのモデルだし、そもそも作成しているのならDtoDアテにせず最初から光学ドライブ使ってリカバリ掛けますよね。
※確認したら作成していないと回答がありました。

で、次なる手は、Windows7クリーンインストールです。会社保有のメディアを使ってインストール、OSのバージョンとエディションは同一だし、ライセンスもあるから問題ないよね。
リカバリディスクは諦めて、さっそくSSDの購入を承認⇒手配し調達。不良セクタが出たHDDと換装します。
Windowsクリーンインストールのための情報収集を…と。
メーカサイトで確認すると、提供ドライバ×15のうち使いそうなのは…7種。こんなに少なくて大丈夫なのかと不安になります。
ちなみにサポート情報へのアクセスはPC本体のシリアル番号が必要になります。本体のシリアル番号なしでサポート情報やダウンロードはできませんので、遠隔地でサポートする場合には現地からPC本体シリアル番号を入手する必要があります。
サポートサイト自体は情報量もそれほど多くなく、サイトの説明もシンプルそのもの、これ大丈夫か?と不安になる感じです。
Windows7を外付けDVDドライブでクリーンインストール後、ドライバを順番にインストールしました。
1)Chipset_Intel_9.2.0.1016_W7x64_A
2)AHCI_Intel_10.6.0.1002_W7x64_A
3)VGA_Intel_8.15.10.2476_W7x64_A
4)Audio_Realtek_6.0.1.6433_W7x64_A
5)CardReader_Realtek_6.1.7601.39013_W7x64_A
6)TouchPad_ELANTECH_11.6.2.1_W7x64_A
7)Wireless LAN_Atheros_9.2.0.474_W7x64_A
※ちなみにチップセットドライバ以外は順番は特に関係ないはずです。(経験則ですが)
ドライバ適用が無事完了したので、バンドルしているOfficeをインストール実行。
ここまでで特にエラーもなければ、不具合も怪しい動きもなくいたって順調に完了しました。ダウンロード直後の不安はどこへやら、予想よりすんなり終わってむしろ驚きを隠せません。
これって、メーカの設計というか製品自体がシンプルでいくつかの国産メーカのようにゴテゴテあれもこれもと機能を詰め込んでないことが功を奏してWindowsクリーンインストールもすんなり終わってしまうという感覚でした。
Acer製品で初めてSSD換装とクリーンインストールをしましたが、とても素直にすんなり完了して予想より早くPCが仕上がってしまいました。

余分なものがいろいろ入っていないということは限りなく素のWindowsに近いということになり、シンプル構成は再インストールにおいてもそれほどの困難なくメーカの用意したツールをDLしてインストール(それすら数が少ない)するだけで元通りに戻る、という結果となりました。

シンプルなPC、というのはある意味一つの価値である、という言うことを実感したクリーンインストール体験となりました。

結論:
AcerのAspire S3-951はWindowsクリーンインストールが非常に簡単です。