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treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

(2/2)障害の意外な正体は?

アプリが使えなくなった、とクレームを受けたシステム部門の担当者。
関係する三人は大騒ぎ、関係ない他の大多数の社員は何事もなく平常運転。

この温度差の中トラブルシューティングが進みます。

原因

電話を代わったあとのアプリの担当者は一通り会話を終えると、イライラしながら電話を切りました。
「ど、どうしたの?」
私はちょっとおっかなびっくりで担当者に質問します。結局原因がなんだったのか気になった、というのもありますが。
担当者は頭を抱えながら、

「あのですね。もう言うのもバカらしいのですが…。聞いてください。」

前置きをしつつ、言葉をつづけました。

「一昨日、アプリのバージョンアップ準備としてCD-ROMを郵送で発送したじゃないですか。」

そういえば、そういうのやってたね。

「今週の週末に、バージョンアップ作業を実施する予定だったんですよ。
WANの帯域が足りないからあのメディアを使って拠点内のPCにインストールをする予定だったんです。うちの担当者が拠点に行ければよかったんですけど却下されちゃったから、リモート操作で拠点のインストールをやる予定だったんですよね。」

部内のミーティングでちょっと聞いていた話です。
WAN経由で全台インストールは難しいけど、インストールメディアさえ拠点内にあれば、あとは管理者アカウントでログインしてインストールの操作だけリモート操作で実行してしまおう、って計画だったような記憶が。

私の相槌を聞きながら、担当者は自分の額の真ん中を指で押しながら、痛みに耐えるようにこう続けました。

「そのCD-ROMを自分のPCに挿入して、setup.exeをダブルクリックしたらしいんです。最初は何もしていない、の一点張りだったんですけどね。ログを見たら対象のPCだけ新バージョンになっているという…。ログを元にしつこく確認したら本人がやった、と認めました。

…なんと。
私は絶句してしまいました。
まてよ?でも、ユーザ権限でインストールなんてできないじゃない?なんでアプリの動作がおかしくなっちゃうの?

「ああ、あのアプリ、ユーザ権限でインストールすると、ユーザプロファイル内にインストールリソースを保管してユーザモードでインストールが完了するんですよ。どうやら。」

最近ではChromeが同じような動作をしますね。ようするにインストール実行したユーザ権限によってどこにインストールを展開するかを自動的に判断してインストール自体は完了、使えるようにはなる、というヤツですね。
担当者も想定外だったようです。

「いつの間にか、アプリがそういう仕様になっていたみたいですね。で、不幸にもそれを実行しちゃうユーザが居た、ということです。でもなぁ…」

大きく深呼吸を一回すると担当者は続けました。

「郵送先の宛名になった社員はちゃんと、週末に使うから保管し置いて欲しい、ってくどいほど説明しておいたんですよ。宛名もその社員個人宛てに送ったんです。他人宛てに届いた郵便物、なんですよ。」

担当者は問いかける。

「CD-ROMが同じ拠点の社員宛てに郵送されてきたからって、その社員にも(CD-ROMを発送した)主幹部署にも全く話を聞くことなく、ですよ。
CD-ROMを自分のPCに挿入してsetup.exeをクリックする、ってことやります?いままでそういうことがなかったから、油断してましたよ。」

担当者が続けます。

「管理職会議でバージョンアップ日程を報告して、通達を出して、一週間前予告としてメール配信までしたんですけど、見てないんですよね。
だって
"CD-ROMが送られて来たら(自分宛じゃなくても)インストールするだろ!"
ってこう言うんですよ。」

これからは気を付けよう、堅く心に誓った二人でした。

この出来事で思うことは

このときのユーザ数からみると百数十分の一、つまり1パーセント以下の確率で起きてしまったすれ違いです。
この1パーセント以下の不安を消すためにもっとユーザへ訴求する方法を準備しなきゃいけない、ってのはなんだかなぁ、と思います。

後ほど、担当者は上司に報告したそうです。上司の反応は、
「ああ~、いいんじゃない、ほっとけば?」
ツレナイ返事でした。

過激な意見も部内ではでてきたんですが、あまり過激なことはユーザに直接いうわけにはいきません。

とりあえず、何をやるか分からない、そんな可能性を秘めているユーザが居る場合には、何事にも用心しておく、ということが教訓となりました。

ちなみに、この出来事について当のユーザは、問題だ!と騒いでいたのですが、周囲の誰にも相手にされていなかったそうです。

今日の教訓:
1パーセント以下の確率で、予想を超える動きをするユーザが存在する。

気を付けます。