treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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(1/5)がんばっていればいいことあるさ

今日からしばらくちょっとした昔話にお付き合いください。
以前に<技術者・エンジニアはプライベートでも研鑽が必要な理由 - treedown’s Report>という記事でご報告しました、自己研鑽、これについてです。

自己研鑽を怠った結果、どういったことが起こるかを同期のカバ雄君(仮名)をモデルケースとしてご報告します。

と、思ったのですが、書いててちょっと特殊な例に思えてきました。

舞台は社内システム&ネットワークの運用に組織変更による一時的な人手不足が重なって、プロジェクトチーム的に人数が投入されました。そのチームに投入された一人が同期のカバ雄君(仮名)です。

主人公のカバ雄君

カバ雄君はチーム加入後同じサーバチームのUNIX担当に就きました。
私はWindows担当で、同じサーバチームですが別の担当となります。当時はOSで主担当が分かれていて、たすき掛けで副担当が兼務するような形になっていました。といってもカバ雄君はWindowsのことはあまり詳しくなく、しょっちゅう「私の担当外ですから!」と笑顔で断られていましたが。
カバ雄君は日々ターミナルソフトでUNIXの画面を開いてはアレコレ触っていました。
チームの定期ミーティングでの本人曰くに「研修でやってたんですけど、実際の業務環境は違いますから。」という理由から「私の主業務はUNIXのスキルを習得することです。」と公言していました。チームリーダーとしてもまだ担当に就いてから数か月ってところだからな、ということで納得していました。

そのタイミングで

レイアウトの変更が発生して、まとまった台数のパソコンの初期セットアップとLANケーブルを大量に作る作業が必要になってしまいました。チームリーダーとしては「これは全員でやるようにしよう。」とミーティングで全員に指示をし、「手が空いている者は優先的にやってもらいたい。」ということで話がまとまりました。
ちょっと手が離せないことがあって、カバ雄君に手伝いをお願いしたことがあります。

「いえ、私はログチェックとコマンド動作確認が忙しいので、それをやっている時間はありませんね。」

私の前に差し出した右手をフルフル振りながら、拒絶の意思を表明します。
どうやら取り付く島もなく断られてしまったようです。
「いやいやそんなこと言わないで、お願いしますよ~。」
下手に出てお願いしてみます。

「そもそも、私はUNIXの担当ですから。パソコンとかLANケーブルは担当外ですよ。」

うー、そういわれるとちょっと弱いです。
「でもチームリーダーからは全員でやるように、ということがミーティングで言われてたので、担当外、ってことはないでしょう?どうにかなりませんか?」
ちょっと粘ってみます。
するとちょっとフッとした笑みを作ったカバ雄君は…

「手が空いている人、がやるんでしょう?私は手が空いていないですからね。」

やられました、返り討ちです。
UNIXは当時業務の根幹にある重要システムが動作していたので、サーバの停止や障害にはかなりシビアな状況でした。UNIXで稼働するサーバが停止するとチーム全体がこっぴどく叱られてしまいます。
カバ雄君は明言していませんでしたが、UNIXのサーバに何かが起きるのは一大事です。UNIXサーバの通常業務は優先度としては高いように見えました。

結局カバ雄君の説得は諦めて作業は後回し、しょうがないので残業で片付けることにしました。二人ほど残業に付き合ってくれてその日の作業は完了することができました。どうもありがとう。

こうして

カバ雄君は理想的な職場を手に入れたように見えました。
しかしそんなカバ雄君には試練が訪れます。