今日は仮説の段階の話ですが記事としてご報告します。
「省電力マネージャー」です。ThinkPadでも多くのユーザの方がその使い勝手にこだわりをお持ちであり、使いたい・安定動作して欲しい、という方が多いのではないかと思います。
どんな仮説かといいますと
省電力マネージャはWindowsが32ビット(x86 Edition)であれば安定して動作するのではないか?という仮説です。
発端は、私が利用しているThinkPad&省電力マネージャ環境のうち、
今一つ安定しない(時々エラーやハングアップが発生する)Windows8.1とWindows10環境
かたや安定して何一つ問題が発生していないWindows8.1環境
と二通りの環境があります。安定している側は、2014年にOSインストール&省電力マネージャインストールを実行して以来、特にこれといって設定する必要もなく安定しておりエラーを一つとして吐き出していません。
この違いは何なのか、という点を比較してみると、「安定している環境のWindowsは32ビットオペレーティングシステムでx86ベースプロセッサで稼働している」という点でした。一方で今一つ安定していないWindows8.1とWindows10環境はすべて「64ビットオペレーティングシステム、x64ベースプロセッサで稼働している」という傾向がありました。
トラブルシューティングの一手として、安定環境と不安定環境を比較し相違点を洗い出す、という原則があります。
もし、注目度の高い省電力マネージャを利用したい方が今一つうまく動作していない場合に、安定して動作している環境の情報を提供することで、何かトラブルシューティングに役立つ情報があるかもしれません。
対象の環境は…
以前ご紹介した、当ブログの人気(?)コンテンツ
この記事にある、一つの環境が対象です。
- 本体:ThinkPad X60s
- OS:Windows8.1 Enterprise
図1:WindowsのOS情報
もちろんWindowsOSはクリーンインストールです。エディションが企業用のエディションですが、省電力マネージャの動作自体には影響しないという認識です。
安定稼働中の省電力マネージャ環境をご覧ください
稼働している省電力マネージャバージョン:
- 省電力マネージャバージョン=6.64.4
- 省電力ドライババージョン=1.67.09.03
(※)1.67.04.05をインストールしていたが知らぬまにアップデートされたらしい。
この省電力マネージャーバージョン6.64.4自体は対応OSが
「Microsoft Windows 7 32 ビット, 64 ビットおよびMicrosoft Windows Vista 32 ビット, 64 ビット」
となっており、Windows8も8.1もましてやWindows10も対象OSとして明記されているわけではありません。
尚、Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable はx86のSetupがインストールされています。バージョンは9.0.30729です。これは省電力マネージャバージョン6.64.4に同梱されているのもをそのまま利用しています。
図2:省電力マネージャバージョン情報画面
当然ですが、.NET Frameworkは3.5と4.5がインストールされています。
図3:.NET Frameworkの状態
インストールプログラム解凍後に生成される\readyapps\pwrmgrv\setup.exeのファイル情報は以下です。
図4:インストールに使用したsetup.exeのファイル情報
セットアップファイルのオプションを使っていないエビデンス
このsetup.exeには、以前ご紹介したような互換性設定はしていません。この環境では互換性設定なしでインストールが完了し、安定して利用しています。
図5:互換性設定画面
この状態でセットアップすると、実際にインストールされる
「C:\Program Files\ThinkPad\Utilities\」
配下に配置される動作ファイル(.exeファイル)にも互換モードでこのプログラムを実行する、というチェックボックスはOFFのままです。つまり互換モードOFFの状態であってもエラーを一つも出さずに省電力マネージャは動作しているのです。
尚、Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable はx86のSetupがインストールされています。
バージョンは9.0.30729です。これは省電力マネージャバージョン6.64.4に同梱されているのもをそのまま利用しています。
この環境では他の「Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable」は存在していません。アプリケーションをインストールしていくうちに「Microsoft Visual C++ Redistributable」はいくつか増えていきますよね。
これは何を意味するか?と考えたのは
32ビットOSを1つしか環境として用意していないので、絶対とは言えないところはあるのですが、32ビットOSならWindows8.1/10でも安定して省電力マネージャは動作するのではないか?ということを考えたのです。バージョンがWindows8.1updateでWindowsは最新状態だけど安定して動作する環境が現実に一つ存在しているから、というのがその理由です。
実際に上記のセットアップ環境の省電力マネージャは2014年からエラーなく利用しています。
省電力マネージャを利用するためだけにWindows OSの32ビット版を選択する、というのは多少本末転倒と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、省電力マネージャのフル機能と安定動作環境がどうしても欲しい環境というのは、モバイルPCに限定されるんじゃないか?という印象です。(家環境ならバッテリの充電範囲が決めれればそれでよい。)
割り切ってモバイル用PCはVPN&リモートデスクトップ用として32ビット版のWindowsをOSとして選択する、という考え方もできるのかなぁ、と思いました。
もし、空いているPCで検証ができる、かつライセンスが空いているOSをお持ちであれば、Windows10 32ビット版で省電力マネージャの動作確認をされてみるとイイかもしれません。