treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ファイルサーバをLinuxで作ったきっかけ

数年前のことです。友人が勤務している会社から電話が掛かってきました。
「最近共有フォルダにアクセスできないんだよね。ちょっと見てくれないか?」

なんとも漠然とした話ですが、詳しく話を聞いていくと共有パソコンでネットワーク共有しているフォルダへのアクセスがエラーになる、という内容でした。
「OSなに使ってる?」って聞いても分からないので見に行くしかない。
ということで見に行きました。

WindowsXP(当時)が10台、別の部屋ではWindows7が7・8台、棚の中にはではノートPCが5・6台…
「これで共有しているんですよ。」と指示されたPCはデスクトップPC(買ったばかりみたい)でCorei5とシールがきらめくなかなかよさげなメーカー品。
起動するとWindows 7 Home Premiumが起動してきた。
パーティションはCとDに分かれていてD:\配下に集約してあるらしい。
PCに詳しい社員の方が前職でやってた方法を用いて、PCのフォルダをプロパティから共有設定して使っているとの説明。
設定自体は悪くないし、試しに他のPCから共有フォルダにアクセスしてみてもエラーは発生しない。
なんだろねー。とか言ってるうちにふと思い出した。
「そういえばWindowsは10台(正確には10ユーザ/セッション)までしかつながりませんよ。」
っていうと高速反応で反論が返ってきた。
「いや、いままでは大丈夫だったんだって。これほんとに。つい最近エラーでちょくちょく使えなくなってきたんだって。」
えぇ~。
もともと10台以上で使ってきたのだから、その制限に引っ掛かっているわけではないだろう、という主張だ。

この時点で記憶の話を重ねても不毛なので、ちゃんと調べてみることにした。

Windows 7でファイル共有、20ユーザーまで可能。”

あ…そう。Windows7で20ユーザまで引き上げられたんですね。(知らなかった。)
現在のオフィス内PCの台数は最大22台~24台くらいか。ギリギリオーバーしているんじゃないですかね?

ようするに、今までは20台の接続までしかされなかった、最近コンピュータ全台が一斉稼働するようになって、前のセッションが解放される前に新しいセッションが共有フォルダへ接続してくる⇒これが20台超えるのでエラーになっている。
整理すると、こう。
問題:既存の共有フォルダ用PC(Windows7HomePremium)がWindowsClient(正しくはHomePremiumEdition)のため、接続するユーザ数が最大20ユーザまでしかアクセスできない。このため21ユーザ目の接続が発生すると、既存のセッション切断待ちあるいは新規セッションが受け付けられないのでエラー発行という状態となっている。

こうなると、20ユーザという制限を超えられないWindowsPCでは共有できなくて、サーバを用意しなくてはならない。
1) WindowsServer+WindowsServerCALを導入
2) OEM筐体でWindows Small Business ServerかStorage Server導入
3) Linux Samba導入

これらで新設する共有フォルダであればサーバベースでのファイル共有となりますので20ユーザの制限はありませんよ、と。
Windows Serverを他のサーバでも使う必要があればCALとセットで導入したほうがいいのですが、ここではファイルサーバ以外ではクラウド環境でサーバを用意していたので、CALはコストパフォーマンスが悪いようでした。
そこで最初はCAL不要のWindows Small Business Server Essentialsに興味を示していたのですが…。
む、予算がないんですって。。。では「Linux Samba導入」一択ですね。

冷静に考えれば、最大25人(25ユーザ)までという制限があったWindows Small Business Server Essentialsではユーザ数がすぐに頭打ちになっていた可能性は高いですよね。そもそもWindowsPCのファイル共有20ユーザで引っ掛かっていたんですから。
予算がなかったのは結果オーライ、Linuxで構築してよかったという結果にはなっています。
Windows ServerはCALの効率的な購入方法が難しいですよね。
手間やサーバの扱いやすさ、Active Directoryが利用できることを考慮すると業界標準として優れた製品なのは間違いないのですが、OSSの完成度が高い昨今では「労働者ならば手を動かし、汗をかけ。」(by中小企業の経営者)となるのでしょうか?

同じ要件に出会ったシステム部のあなたの環境では、Windows ServerでActive Directoryを導入できるといいですね。