treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

※https化しました。その影響でしばらくリンク切れなどがあるかもしれませんが徐々に修正していきます。 リンク切れなどのお気づきの点がございましたらコメントなどでご指摘いただけますと助かります。

発注先の選定で注意していることはありますか?

システムの担当者、という立場ですと、どこに発注するか、という選択を迫られる場面に出くわすこともあるのではないでしょうか?

今回はどこに発注するか、ということを考えるときに、私が日頃から気を付けていることと思っていることをご報告します。

※このエントリは、あくまでもこのブログを書いている私の考え方です。
世の中にはいろいろな考え方を持っている担当者の方が存在していることは心得ております。
こんな考え方・選び方もあるんだな、という程度でご覧ください。免責事項にもありますが、この通り実行したら損害を被ったとしても私には何もできませんし、何かを保証するものではありません。

見積もり依頼時に、

(1) 信頼できる担当者、信頼できる見積もり、だが金額が高い
(2) 信用できない担当者、信頼出来る見積もり、金額が中程度
(3) 信頼できない担当者、信頼できない見積もり、金額が安い

どれを選びますか?

立場によって違うかもしれませんね。
見積の執行内容(業務)に直接かかわらない社員(や経営者)は(3)信頼できない担当者、信頼できない見積もり、金額が安い、を選択すると思います。

業務に関わる担当者視点では見積内容が信用できない、ということが分かっている場合(3)は選択せず(2)信用できない担当者、信頼出来る見積もり、金額が中程度、を選択すると思います。

担当者が信頼できないのに見積もりが信頼できるケースというのは、合い見積もり(セカンドオピニオン)をするからです。記載されている内容が他の信頼できる見積もりと同一であればそれは信頼に値する見積書内容と言えます。
ベストは当然、信頼できる担当者が信頼できる見積もりを一番安価に提示してくれることです。
でも世の中ベストな結果ばかりではないことが現実です。

この3つの選択肢しかない場合には、ぜひとも、「(1) 信頼できる担当者、信頼できる見積もり、だが金額が高い」を選択できるようになってもらいたい、という話を訴えかけたいです。

ここでは担当者も見積もり内容も信頼できる状態が前提です。(つまり、高いというのは合い見積もりの結果として相対的に高い、という意味合いでお考えください。)世の中には堂々と株式会社がボッタくるケースだってあります。くれぐれも見積もり内容が妥当かどうかの見極めはご自身でできるようになってくださいね。
私が話したいのはもちろんボッタくり業者の推奨ではありません。
不当に高いのは批判の的になるのに、不当に安いことは批判の的にならないことに疑問を感じています。

それは合い見積もりした後に、基準金額が一番安い見積もりから開始するからです。(安いことが正義ということですね。)

安いのは企業努力の賜物です。大多数のまっとうな企業は少しでも安くなるように(涙の出るような努力の成果として)様々なコストを削減し価格競争力のある商品やサービスを届けてくれます。

ですが、不当に安いところにはブラック企業に象徴されるような暗黒面が存在していることも一面としてあるはずですよね。
(一部のニュースがそれを証明してくれています。)

商品やサービスが安価に提供されることは喜ぶべきことですが、安価に提供されるが故に、担当者であるあなたが損害や不利益を被るとしたら「安いことは正義」でなくなってしまうと考えています。
担当者であるあなたの業務は安かろう悪かろうの尻拭いではなく、社内業務とベストソリューションをつなげるより建設的な、ステップアップしたら創造的な業務こそが担当者の業務であるべきじゃないでしょうか?と、常々考えています。

信用できない担当者の持参してくる見積もり内容が信用できるかどうか、を目利きできるようになるべきだと考えるのも「社内業務とベストソリューションをつなげるのは取引先ではなく担当者であるあなた。」だと考えているからです。
それでも、経験や知識が物をいうところは現実としてあります。
なので、失敗の確率を少しでも下げるため「極力、パートナーや取引先の担当者は信頼できる担当者で固めておく」ことでリスクを極小化できるよね、という主旨です。
こうなると、金額が高く見える見積もりを持ってきた発注先の価格こそが適正だということがきちんと説明できるようになる必要があります。
また不当に安価な見積もりを提供している発注先は「安物買いの銭失い」になりかねないリスクを抱えている、ということをきちんと説明できる必要もあります。
ズルい業者は支払(入金)さえ受けてしまえば後はどうでもいいと考えるのが通常です。(普通の企業はそうかもしれません。)後は着信拒否しようがメールを無視しようが、難しい技術用語を並べてごまかそうが、構わないという温度感です。彼らは、なんとなくフェードアウト出来れば勝ちです。
残された社内の担当者としては、何としても形にしなければなりません。
こうして追い込まれた担当者の一人デスマーチが始まります。
稟議して予算通して、それで発注して金払って導入したものが、かえって社内担当者の負荷を高め、いったい何のために発注したのか分からないことに。

長くなってしまいました、、、すいません。それだけ恨みが深いんですね。

ここまでをまとめますと、こんな感じです。

  1. 発注先として複数のパートナー・取引先と信頼できる関係性を築いておきましょう。
  2. 見積もりの妥当性を検証できるセカンドオピニオンを用意しておきましょう。
  3. 見積もりの真贋を目利きできるよう、普段から実力を磨いておきましょう。

…なんか月並みな話ですね。でも意外とできている人は少数派だと思っています。


ようやく具体的な話です。
信頼できるかどうかを切り分けるために、業務上の影響が少ない発注や少額の(かんたんな調達のような)発注を実際にお願いしてみることで、その担当者に変な動きや言動がないか、普段からチェックしています。
で、相手側にミスがあった時に隠ぺいしたりウソをついたりするかどうかをじっくり見極めてみましょう。
金額の大小に関わらず、こちら側の疑問は納得がいくまで説明してくれるかどうか見極めてみましょう。
こちら側にミスがあったときに、どれくらい親身になってくれるか(一緒に考えてくれるか)、という部分もポイントですね。
親身になってくれるか、というのは具体的な解決をしてくれるかどうかとは違います。
面倒なことは極力関わらずに、自分の利になることだけにしか興味ない(労力を掛けない)、というビジネスマンは一定の数存在します。
本当に困った時には解決策がないドン詰まり状態に陥ることが多いですが、パートナーとの信頼関係はこういったドン詰まり状態のときにこそ生きてくることが多いです。


信用できない担当者、から私がいままで実際に受けた仕打ちを書いてみましょう。

  • 名前を間違える(だけならまだしも宛先まで間違える)
  • 見積もり(や発注書)を出した後、連絡が取れなくなる(電話がつながらない、メールの返信がない)※何があったのかは未だ謎のままです。
  • 親会社のシステム部の管理職に取り入って、商談のたびに自慢をする
  • 親会社のシステム部の管理職に取り入っているので、こちらの要望を何も聞かない。
  • 商品説明にウソがあって数年後に後悔するも既に退職している。
  • 発注書を取るまではなんでも「できます、やります。」と言う(往々にして意味不明に安い)が、いざ発注すると「これは出来ません、これはやりません。」、障害が発生すると「御社の環境依存ですので当社は関係ありません。」と理由を付けていろいろ拒否する。
  • 初期不良の対処を会社としてやらないことになっている、しかも担当営業が堂々とそれをのたまい、もう一個購入するための見積書を送り付けてくる。
  • 社長に取り入ってセキュリティ製品を売りつけたが、そのセキュリティ製品をインストールするとActive Directoryで公開している(共有)プリンタが全てオフラインになるという謎のバグが発生した時の発注先担当者の一言「プリンタサーバを使っているせいです。」
  • 1つの製品で複数の種類のライセンスがあったのでその違いについて質問すると「メーカーとしては、とにかく買ってくれ、ということなので安い方でいいですから、買ってください。」というトンデモナイ比較。※のちにライセンスが理解できていないことが判明。
  • レイアウト変更(フロアプラン変更)の際に発注業者を執拗に値切ったプロジェクトの主管部門。結果、発注業者がLAN配線と電話配線をやらないという暴挙に出てしまい、システム部門がフロア内の配線をやる羽目になった。

いっぱいあるなぁ。。。信じてくれなくて構いませんが全部実話です。

組織は1人の力だけでどうにかなるものではないです。
他の担当者と力を合わせてはじめて大きな業務が達成できると心得ます。
自分も信頼されるように誠実な応対/誠実な業務を普段から心掛け、大きなプロジェクトは自分も信頼できる人と一緒に参画できるといいですね。