treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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PC移行作業のためにバックアップ、Win8.1ではWindows転送ツールが使えなくなっていた話

PC移行作業を実施しましたが、今更なことに気づきましたのでご報告します。

昨日の記事「OutlookのバックアップをWindows標準機能だけで簡単に自動実行する - treedown’s Report」ではバッチファイルでOutlook設定などをマイドキュメント内にD2Dしましたので、D2Tに該当する他メディアへのバックアップをやってみようという主旨にも近いです。

作業の発端は

AさんのA-PC(Windows8.1)がAさん退職につき空いたので、BさんのB-PC(Windows7)と入れ替えて、BさんがA-PCを使うようにデータ移行をする、というシチュエーション、企業では結構ある話ではないでしょうか?

PC移行に限って言えば、いつもはWindows転送ツールでB-PCからA-PCへとデータを移行していたのですが…、今回はちょっと違いました。

いつも通りWindows転送ツールを使おうと思ったら…

Windows8.1ってWindows転送ツールの機能が削減されているんですね。
図:Windows8.1のWindows転送ツールの画面

f:id:treedown:20160105145521p:plain

通常はこの画面で書き出しか読み込みか(つまり移行元PCか移行先PCか)を選択する画面になるはずなのですが、Windows8.1は無情にも読み込みしかできないようになっています。
いままではWindows7同士でデータ移行ばっかりだったのでWindows転送ツールを便利に使わせてもらっていたのですが、Windows8.1からはWindows転送ツールでデータのインポート(別PCのWindows転送ツールで書き出したデータを受け入れること)はできても、Windows8.1からWindows転送ツールでユーザプロファイルをエクスポート(移行先PCへデータを移すためにHDDなどに書き出すこと)というのはできなくなってしまったようです。

残念ですがOSの標準機能は新設されてはすぐ提供中止、という機能も多いです。例えばWindows10では「バックアップと復元」というOS標準のイメージバックアップ機能がなくなってしまいましたのでVHDイメージでバックアップ取得する方法が標準では提供されなくなってしまいました。
Vista時代に目玉機能として持ち上げられたデスクトップガジェットもWindows7をもって廃止となっています。
別の使い方で便利に使っていたATコマンドやエクスペリエンスインデックスなどはWindows8で廃止に追いやられています。
と、このようにOS標準機能というのはバージョンアップによって廃止されることも多いので、最初から入っているという点においてOSの標準機能は便利だけど、OSバージョンが変わればそれによって使えなくなる機能もあるという点、注意が必要ですね。

代替はBunBackup

さて、使えなくなったWindows転送ツール、代替となってくれるのはやはりBunBackupしかないだろう、ということでざっくり設定しファイルコピーです。
BunBackupが次点になり得るのは(汎用的になるように)設定を作りこんでおけば他のPCでも設定ファイルを利用してワンタッチでバックアップ収集が可能です。
汎用的にするにはBunBackupの間接指定方式でパスを設定します。

■バックアップ元の間接指定
http://homepage3.nifty.com/nagatsuki/project/bunpiece/indirect.htm

マイドキュメントなら、<WIN_マイドキュメント>
デスクトップなら、<WIN_デスクトップ>
環境変数を使うときは<ENV_(環境変数)>と説明があるので、
%USERPROFILE%を指定するには、<ENV_USERPROFILE>という指定にします。
設定するとこんな感じになります。
図:設定の図

f:id:treedown:20160105162908p:plain

バックアップ設定の「マイドキュメント」なら
バックアップ元=<WIN_マイドキュメント>
バックアップ先=D:\<ENV_USERNAME>\マイドキュメント
と指定します。
この指定方式だと、ユーザ名が「user1」なら、自身のマイドキュメントフォルダがDドライブの自分の名前フォルダにマイドキュメントフォルダを生成してデータをバックアップします。
(例:この例だと「c:\Users\user1\Documents(ドキュメント)」から「D:\user1\マイドキュメント」にコピーして保管するようになります。)
ほとんどのバックアップ設定はバックアップ場所の設定しか実施していませんが、ユーザ辞書バックアップだけは詳細設定でファイルをピンポイント指定しています。
図:ユーザ辞書バックアップのファイル指定

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こうして作った.lbkファイルをDLできるようにしておきます。もしお使いになる方がいればどうぞ。
https://drive.google.com/file/d/0BynC42NLK2xHb2FfcWhkRWpxZWc/view?usp=sharing

応用編⇒共有フォルダへバックアップの場合

NASを使っていれば、共有フォルダへバックアップしたい、というのはありますよね。応用するのは簡単です。
設定箇所の「バックアップ先=D:\<ENV_USERNAME>\マイドキュメント」とある「D:\」の部分を「\\サーバ名\共有フォルダ名\」に置き換えてやればOKです。
例えばNASで共有しているパスが「\\SHNAS\SHARE」(サーバ名=SHNAS、共有名=SHARE)でアクセスしているのであれば、「バックアップ先=\\SHNAS\SHARE\<ENV_USERNAME>\マイドキュメント」とBunBackupで指定しておくと、前出のユーザ名例user1であれば

「\\SHNAS\SHARE\user1\マイドキュメント」

という場所にマイドキュメントのバックアップが生成されるようになります。
バックアップファイルをユーザ毎にまとめたい方はこのようにユーザ名でまとめればいいですし、複数台のPCのマイドキュメントを一つの共有フォルダに一元化されているような場合には全PCのバックアップで「バックアップ先=\\SHNAS\SHARE\マイドキュメント」と指定してしまえば、このフォルダにマイドキュメントの内容が集約される、という動きになります。