treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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続・Win7ロールアップパッケージ適用してみて思ったこと

昨日の続きです

blog.treedown.net今日も思ったことを所感・雑感としてご報告していきます。

あくまでも私見でありますので、何も確証のある内容はありませんことご承知おきください。

はじめに

本記事を作成した後に読み返してみて思ったのでいちおうお断りしておきますと、個人的にMicrosoftにネガティブな感情はありません。もちろん批判する気もありません。
むしろ、市場とユーザに振り回されている感、といいますか、徐々に失われている自社製品のシェアに対する手当てが、「大丈夫か?」と心配にさせるような方策が多いように思えます。
一ユーザとしては心配している、というほうが大きいです。

Windows7サポート期限で変な対応

Windows10への移行をしきりに勧めてくるのも、Skylake搭載PCでのWindows7と8.1のサポート期間を2018年7月で打ち切るというのも、全ては
自社製品であるWindows7をメンテしきれなくなったことからの脱出を図ってのことではないか?
と邪推してしまいます。特にSkylake搭載PCでのサポートポリシー変更は最初の発表では2017年7月、とVistaの延長サポートフェーズ終了とほぼ同じような時期にWindows7のサポートを(Skylake搭載PCだけ)打ち切る、というトンデモナイ発表をしたのち、いつものように2018年3月に延長し譲歩、さらに延長し2018年7月までの一年延長で再譲歩、ちょっと迷走気味です。
※注:この迷走はSkylake搭載PCだけの話です。旧プロセッサ搭載PCのWindows7は従来のサポート期限である2020年1月まで延長サポートフェーズが存在します。

最新PCで古いOSをわざわざ使わんといて!と主張する意味も分からなくはないのですが、レガシアプリを抱え込んだ企業がどこもかしこも、どれもこれもで、最新OSを使える環境にある、とはちょっと思えないのが個人的な感覚です。レガシアプリほど投資額が大きくて簡単に減価償却し切れない、という一面もあってなかなかに困った存在と言えます。クラウドが流行り出してから数年しか経っていない状況ではこのオンプレミスのレガシアプリが減価償却できていなければ、なかなか次のシステムへリプレイスというのは企業としても二の足を踏むところがあるんじゃないかなぁ、と勝手に思っています。
完全にユーザ企業側の都合だけの話ではありますが、機械の故障を人間がコントロールできない以上、最新ハードウェアでWindows7が使えるという逃げ道は残しておいて欲しかったな、というのが個人的に思ったものです。

賛否ある世の意見

サッサとWindows10にしちゃいなよ、という意見もちらほら散見されます。
確かにWindows10にアップグレードしてもさほど差し支えない環境であれば、無償アップグレード期間内でWindows10にアップグレードしたほうがトータルで見ればお得です。これは間違いありません。
Windows10についてこれないソフトウェアやハードウェアがあっても、Windows10を購入する実価格10000円~20000円より安価なのであれば、ついてこれないソフトウェアをリプレイスしてしまってWindows10を無償アップグレードで手に入れた方がトータル安価に済みます。
私個人としては、OSはPCに付属するモノではなく自分に必要なOSを買うもの、という意識がようやく理解できて来た昨今だったのですが、再び「OSはデバイスに付属するモノ」という構図になってきているのがなんだかなぁ、と思います。
2000年初頭からOpenLicenseとSA(Software Assurance)で10年以上掛けて、ユーザ企業に「OSは必要な機能を有した製品を買うものですよ~」という考え方を根付かせてきたMicrosoft自身の努力を自分でぶち壊しにしているように見えてしかたないものです。
無償で利用できる、ということはそれだけ我々ユーザ側の負担が減ることになりますから、歓迎するべきことではあるのですが、
でも、企業内で「Windowsも無料になったからここのコストカットね。」などと言われて困ってしまうシステム管理者の方が居ないかどうか、というのもいささか心配です。

期待(?)のLTSB

こうしてWindows10が企業内のシステム管理者として持て余すような存在になってしまうとなると、希望の星はEnterprise Edition限定で用意されているLTSB(Long Term Service Branch)で影響を最小限に、という点も考えておきたい選択肢ですね。
従来のWindowsのように使うためにWindows10に次々提供される新機能更新を実行することなくひたすらセキュリティ更新プログラムと修正プログラムのみを提供してくれるエディションの一つ(?)です。
これならWindows10リリースから最大10年は同じイメージを利用することがサポートされますので、企業内の長い周期でのリプレイス計画であっても使用に耐えうるように思えます。新機能更新で○GBものアップデートの適用のため一時間や二時間PCが使えなくなる、と言うタイミングが企業内で利用するPCに許容できるのか?という疑問の一つの答えがLTSBなのかなぁ、というのが今のところ一つの答えです。
PCのほとんどの機能はサードパーティー製ソフトウェアで固めていて、なおかつ企業内でユーザのPCをきっちり作り込んでいる企業であれば(作り込んでる度合が大きいほどに)LTSBは検討したほうがよさそうに見えます。
逆にOS標準機能をきっちり使い切っているようなPCの作り込みをしているような企業では、OSの新機能をアテにしたくなるのでCBB(Current Branch for Business)となる通常版を利用したほうがよさそうに見えます。

市場をコントロール?

これまでMicrosoftは一企業ながらOSとOfficeの市場をコントロールしてきた、という感じはしています。
自社製品で独占して市場をコントロールしてきたのが、近年コントロールし切れなくなってきた、というのと、自社製品と世の中の流行りが合致しなくなった、という噛み合わない感も感じます。

Microsoft、大丈夫でしょうか?以前のAppleのように没落することなく存在感は保ってもらいたい、と思っています。

願わくば2020年まで、Windows7のWindowsUpdateは平穏無事に使わせて欲しいと祈っています。

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