treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

※https化しました。その影響でしばらくリンク切れなどがあるかもしれませんが徐々に修正していきます。 リンク切れなどのお気づきの点がございましたらコメントなどでご指摘いただけますと助かります。

Lenovoリカバリメディアを使ってシステムを復元してみる

以前に、ThinkPadのリカバリメディアを作成したことがありましたが、そのときは実際にリカバリ作業は実施していませんでした。今回作成したリカバリメディアを使ってOSのリカバリのテストをやってみたのでご報告です。

リカバリメディア作成方法

対象は前回のThinkCentre M80q tinyです。ThinkPadも同様なのでテストとしては同じ動作になると思い、やってみることにしました。
リカバリメディアの作成方法は前回<ThinkPad E14のリカバリメディア作成 - treedown’s Report>でやった内容と同一の手順で作成できます。

今回用意したUSBメモリは二種類。どちらもUSB3.2対応の16GBです。容量は12GB弱くらいしか使わないので。

■バッファロー製のRUF3-K16GA-BK/N
f:id:treedown:20220120174357p:plain

■KIOXIA(キオクシア、旧東芝製)のKLU301A016GW
f:id:treedown:20220120174423p:plain

という二本から、とりあえずバッファロー RUF3-K16GA-BK/Nを使ってリカバリメディアを作成しました。

選んだ理由は、どっちもAmazonでは、1000円未満で購入できるという点と、あとでUSBメモリをバックアップするため32GBではなく16GBに絞って選定したいという動機からです。購入時に注意するのは、バッファローの方は32GBのUSBメモリページで16GBを選択すること、KIOXIAの方はUSB2.0とUSB3.2が全く同じ見た目なので混同しないように注意する、くらいでしょうか。

起動準備

USBメモリから起動するためにはSecure Bootの項目を開きます。

f:id:treedown:20220120175512p:plain
子メニューから「Secure Boot」欄を見つけて、

f:id:treedown:20220120175526p:plain
デフォルトのEnabledから「Disabled」に変更しておきます。後で元に戻しておきます。

※ちなみに
UEFIメニューはGraphicalとTextが選択でき、昔と同じ見た目のTextモードでの画面は、

f:id:treedown:20220120175541p:plain
このようになります。

リカバリのテスト、しかし問題が…

このステップでハマった…

最初はなんとなくでBuffalo製のUSBメモリを使ってリカバリメディアの作成をしました。(この時点でKIOXIAのほうは未開封)

f:id:treedown:20220120175621p:plain
しかし、UEFIでどのような設定を実施したとしても、USBメモリが認識することはありませんでした。
正確にはWindows10上では問題なく認識しますし、リカバリメディアの作成も正常に終了します。しかし、いざUEFIブートからUSBメモリを参照しようとすると、サッパリ認識しません。

f:id:treedown:20220120175701p:plain
起動前にF12キーを押下して起動するBoot Select画面でもこのように空欄になってしまいます。UEFIのブート順を設定する画面でも、

f:id:treedown:20220120175714p:plain

USBリカバリメディアが認識せず、リカバリを開始できないという状況に行き詰まってしまいました。

UEFIでUSBブートができるようSecure bootを無効にして起動していたので、ネット上ではこれだけでThinkPadをリカバリしているような例は見て取れました。しかしこちらの環境ではUSBリカバリメディアがUEFI上から見えず、リカバリメニューが起動してこないという。

切り分けのため、DVD(純正品)ドライブをUSB接続し、適当なブータブルCDから起動を確認したところ、問題なく起動してきました。

※注:このときは気づかなかったのですが、ブータブルCDによってもDVD(CD)ブートが出来ないケースがありました。このときにたまたま使ったAcronisのレスキューCDはブートする対象だったようです。自分の使いたいブータブルメディアが使えるかどうかは、いざという(故障時の)ときに検証できないため、正常動作時に予め検証しておく方がよさそうです。

原因がまったく分からなかったので、UEFIのUSBと名が付く項目を手当たり次第に設定したり、Secure Boot関係の項目をいろいろ見直したりしたのですが、関係ないらしく動作には全く影響しませんでした。つまり、USBリカバリメディアがブート項目として出てこない症状はかわらず。

ここで、ちょっと時間を置いてゆっくり考えてみることにしました。
何か要因があるのかなと、例えば「USBの差し込み口に違いがある=ブータブルメディア接続の口が決まっている」とか、余計なUSB接続は全部外した状態にしないと動作に影響する、とか。
もしくはUSBメモリーがダメということもあるかもしれません。

結構な時間を使ってしまっていたので、全部試してみることにしました。

USBはリカバリメディアとキーボード以外外して、未開封だったKIOXIAでUSBリカバリメディアを作成し直して、試しにBuffaloで失敗したポートに挿入。(ダメならポートを替えてみる)

f:id:treedown:20220120175736p:plain
起動前にF12キーを押下しておき、bootデバイスの選択画面を起動。
ん?

f:id:treedown:20220120175746p:plain
出てきました。「USB HDD:」の欄にKIOXIAのUSBメモリの名前が表示されています。UEFIのBoot Sequence画面でも、

f:id:treedown:20220120175756p:plain
きっちり認識しているのが分かります。
と、いうことはこれをこのまま起動すれば…?

と、いうことで、無事USBリカバリメディアからリカバリメニューを起動することができるようになりました。
結論として、Buffalo製はUSBリカバリメディアとして使えない(起動しない)、KIOXIAのUSBメモリはUSBリカバリメディアとして使える(起動する)、ということが分かりました。
試しに、手持ちのUSBメモリやMicroSD(のリーダライタ)でも試してみましたが、どれも起動しませんでした。

USBメモリによって動作に違いがあるなんて思いもよりませんでしたが、結論としては、「USBメモリによって起動するものと起動しないものがある」ということと、起動するUSBメモリを使っていても、中身(例えばLinuxイメージとか抹消ソフトとかTrue ImageのレスキューCD)によって、起動するものと起動しないものがある、という二点を学習しました。

実際のリカバリ

テスト用のSSDにリカバリが正常に完了できることを確認した手順です。リカバリ作業自体は簡単でした。

先のようにUSBリカバリメディアで起動後に、

f:id:treedown:20220120175838p:plain
言語選択画面になります。ドロップダウンリストから「JP [日本語]」を選択すると、

f:id:treedown:20220120175859p:plain
このように日本語で説明が表示されます。これ以降日本語で画面を進めることができます。
次へをクリックすると、

f:id:treedown:20220120175911p:plain

使用許諾条件に同意する画面になります。同意を選択して次へをクリック。

f:id:treedown:20220120175923p:plain
最終確認が表示され、(これ以降対象となる内蔵ドライブのデータが上書きによって消去され、工場出荷状態のOSへの)リカバリが開始します。「はい」をクリック。

f:id:treedown:20220120175935p:plain
リカバリ作業が開始します。しばらく待ちます。

f:id:treedown:20220120175955p:plain
しばらくすると、「リカバリー・プロセスが完了しました。接続されているリカバリー・メディアを全て取り外してください。システムを今すぐ再起動しますか?」
と表示されます。
USBリカバリメディアを抜き取り、「はい」をクリックします。ここからが長い。

PCが再起動すると、ディスク内にコピーされたデータからリカバリ処理が続行されます。

f:id:treedown:20220120180021p:plain
PCは何度も再起動し、処理が進んでいきますが、

f:id:treedown:20220120180041p:plain
ひたすら待ちです。
最終的に、

f:id:treedown:20220120180053p:plain
この画面となり、リカバリ作業は終了します。あとはWindows10の初期セットアップウィザードを進めていくと、工場出荷状態のOS起動直後の状態であることが確認できました。

これで、作成したUSBリカバリメディアの動作確認は完了

あとは正常にリカバリができたこのKIOXIAのUSBメモリのバックアップを、

f:id:treedown:20220120180108p:plain
DD for Windowsで取得してHDD内に保存しておくことにしました。

テストとはいえ、いろいろと学びがあったOSリカバリのテストでした。