今日はサーバ保守についてのちょっとした小話をご報告します。
サーバ保守ってメーカの保守を契約するものですが、このサーバ保守、実はメーカ外のサーバハードウェアについての保守もやってくれることがあることはご存知ですか?
IBMのサーバ
IBMのサーバはSystemXシリーズが既にLenovoに事業移管されて、2016年現在ではLenovoから販売されるようになって二年ほど経過しています。
ThinkPad同様に時代の流れとはいえ、IBMという巨大企業から切り出される技術を見るたびに栄枯盛衰というものを感じます。
そのIBMのサーバ保守メニューには二種類あって
- IBM製品のハードウェア保守
- IBM製品以外のハードウェア保守
の二種類のハードウェア保守があります。
※IBM製品以外のハードウェア保守
簡単に言うと、HPやDell、富士通のようなIBM外のメーカ製サーバハードウェアを利用していても、IBMが保守するように契約ができる、というサービスです。
PowerEdgeとかProliantとかPRIMERGYなんかをIBMのメーカ保守に入れて、例えばハードディスク交換とか、電源ユニット交換とか、メモリ交換とか、そういうハードウェア故障交換をIBMサーバ保守契約の範囲内で実行してくれるサービスです。他社製サーバ筐体だからって尻込みすることなくやり切ってくれます。
狙い
これ、なんで他社製のサーバ筐体を保守するんでしょうか?
縁があって昔契約したことがあったのですが、その時に気になったところを元々IBMと繋がっていた企業の担当営業に聞いてみたことがあります。
答えはなんとなく分かるような分からないようなものでした。
※セリフは断片的な記憶を元に当方で再構成したものです。
素朴な疑問ですが、IBMはなんで他社のメーカ製品を保守しようと思ってるんです?
「ああ、これですか。これは、IBM以外のサーバを保守するってことは、逆に言うとそのサーバの情報を把握しておかなきゃいけなくなりますよね。
そうなると、他社製のサーバを入れ替えるような提案もやりやすいじゃないですか。やっぱメーカなんでサーバ売ってナンボなところはありますし。」
続けて、苦しいサーバメーカの状況が、説明されます。
「実際サーバ売ってナンボなんですけどね。SystemXって売ってもそれほど利益にならないらしいんですよね。これだけ低価格競走が激しくなっちゃうとサーバ売っても得る利益は微々たるものってのもありますよ。
そうなるとどこで取るかといえば、保守サポートの部分ですよね。実際自社製品だけじゃなくて他社製品も自社保守サポートで囲い込めれば、ある程度サーバを薄利多売で市場に出したとしても、どうにか利益は出せるってところなんじゃないですかね。どこも苦しいってことですよ。」
90年代末のミレニアム付近のIT景気/IT特需と呼ばれていた時代が懐かしいですね。
これを聞いたとき、サーバは製品を出荷しているサーバメーカの保守しか入れない、という固定概念が頭にあったので、ちょっと新鮮な気分になりました。