treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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RaspberryPiに使うmicroSDを探す

RaspberryPiに使うmicroSDを探しているときに、ふと興味を引くmicroSDがあったのでご報告です。
ついでにRaspberryPiに使うmicroSDについて考えてみるという内容です。

通常のmicroSDと高耐久製品との違い

通常のmicroSDは手頃な価格で購入のハードルが低いのですが、RaspberryPiに使うmicroSDとしては高耐久と銘打たれている製品を利用したいと思って製品を選んでいます。

以下は手持ちのmicroSDです。

左の黒一色がスマートフォンやゲーム機で利用しているmicroSDで、右の二色で「High Endurance」と記載があるほうがRaspberryPiでOSをインストールして利用しているmicroSDです。

スマートフォン・カメラやゲーム機などのmicroSDスロットに挿入して使用することを想定された製品はそれほど読み書きの性能や書き込み回数の上限=寿命を気にしなくても結構使えるものですが、RaspberryPiではOSをインストールして日常的に読み書きが発生する関係上、やはり書き込み回数の上限という点には気を配って製品を選択したいかなぁと思っています。

MLC表記に注目して選定する

探すときの条件としているのは、容量もさることながら、MLC NANDフラッシュが使われているmicroSDであること、に注目して探しています。

最近はSSDでもTLCが主流になっていますが、MLCのSSDも少ないながら販売されています。
以前はさらにSLCという高耐久性のSSDも販売されていたのですが、SLCは一部のサーバ用SSD以外は姿を消しています。
耐久性はSLC>MLC>TLCとなり、MLCを売りにするmicroSDは概ねどの製品でも「高耐久」を謳う製品が多いです。

ただ、このMLCが使われているかどうか、を見極めるには、メーカの情報で「この製品はMLCが使われていますよ。」という仕様が公開されている必要があり、メーカによってその情報公開には差があります。

PanasonicやTranscendは情報が公開されているのですが、PanasonicはTranscendよりやや価格が高いため、割とTranscend製品を中心に探すことが多くなっています。

例えば、MLC搭載製品で実際に使っているmicroSDカードは以下になります。

jp.transcend-info.com

MLCタイプの製品で価格と容量の釣り合いを見て選択すると、Debianサーバとして動作するRaspberryPi(OSにはRaspberry Pi OS Liteを使用)ではMLCの16GBであるTS16GUSDHC10Vくらいがちょうどいい感じで使えています。

Amazon:トランセンド 高耐久 microSDカード 16GB MLCフラッシュ搭載 TS16GUSDHC10V
https://amzn.to/48Xq4ST

GUI環境が欲しい(Raspberry Pi OS with desktopをOSに使いたい)場合には、同じMLCの32GBであるTS32GUSDHC10Vか一つ上のTS64GUSDXC10Vを使うことになりますが、64GBのmicroSDはちょっと高価。

Amazon:トランセンド 高耐久 microSDカード 32GB MLCフラッシュ搭載 TS32GUSDHC10V
https://amzn.to/3v63D05

Amazon:トランセンド 高耐久 microSDカード 64GB MLCフラッシュ搭載 TS64GUSDXC10V
https://amzn.to/3PmmMla

価格を考えると、32GBくらいが現実的なところかなぁという感じがします。

SLCモード搭載のmicroSDカード

今まではMLC表記に注目してmicroSDカードを選定してきたのですが、さらに高耐久性を実現したとされる「SLCモード」という表記がされたmicroSD。

その製品は「USD230I」

■参考:USD230I製品ページ
https://jp.transcend-info.com/Embedded/Products/No-997

容量も16GB(TS16GUSD230I)や32GB(TS32GUSD230I)以外の容量もあってRaspberryPiによさそうに見えました。

SLCモードって、あのSLC?と疑問に思ったのでちょっと調べてみました。

■メーカTranscend公式のSLCモード解説ページ:
https://jp.transcend-info.com/Embedded/Essay-51

どうやら、ハードウェアとしては安価なTLCを使っているよう。ただTLCを制御によってSLCに準ずるパフォーマンスや耐久性を実現した、という技術のようです。安価で容量の増加が容易なTLCを上手く制御して真逆の特長を持つSLCの長所をTLCで実現した技術に思えました。
※ハードウェアとしてはTLCなのでMLCより耐久性は劣るはずですが、これを制御技術の力でMLC以上の高耐久を実現した、と言うことらしい。

Amazon:トランセンドジャパン 業務用/産業用 組込向けmicro SDHCカード32GB SLCモード TS32GUSD230I
https://amzn.to/49WcGzF

Amazon:トランセンドジャパン 業務用/産業用 組込向けmicro SDHCカード64GB SLCモード TS64GUSD230I
https://amzn.to/49TzUqf

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※追記(2024-03-18):

上記URLのSLCモード製品は終息品となっていて、新たに以下の製品にリニューアルしています。(容量が20GB/40GB/80GBとSSDのような容量でリニューアルしています。)

■Amazon:トランセンドジャパン 業務用/産業用 組込向けマイクロSDカード20GB [TBW:1,690TB] UHS-1 U3 A2 V30 SLCモード TS20GUSD240I
https://amzn.to/49XIKDe

Amazon:トランセンドジャパン 業務用/産業用 組込向けマイクロSDカード40GB [TBW:3,381TB] UHS-1 U3 A2 V30 SLCモード TS40GUSD240I
https://amzn.to/43qmkIn

■Amazon:トランセンドジャパン 業務用/産業用 組込向けマイクロSDカード80GB [TBW:6,763TB] UHS-1 U3 A2 V30 SLCモード TS80GUSD240I
https://amzn.to/49XIMek

※20GB/40GBでは\5,000を切っていますし、以前の64GBと同じくらいの価格で80GBのSLCモード製品が提供されています。

(※追記ここまで)

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値段はMLCよりもちょっとお高め。

次にRaspberryPiのためにmicroSDを購入するときは、このSLCモード対応製品にしてみようかなと思いました。