treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ThinkPadなら大丈夫だった東西線の満員電車

不定期にThinkPadを褒める昔話、第二弾です。
ThinkPadと他のメーカPCを同じユーザが使用した時の差についてご報告します。

※前回の記事同様に「“Classic ThinkPad”」を褒める(笑)記事です。
■前回の記事:

treedown.hatenablog.jp


今日の主役はThinkPad X31です。(かなり昔の話ですね。)文中のThinkPadとある部分は概ねこのThinkPad X31を指しています。

 ある日薄型モバイルを会社から貸与されているユーザが、困った顔をして相談に来ました。
「これです、見てください。」
液晶の中央部、縦に上から下まで真っ二つにヒビが入っていて液晶の液が漏れ、画面は中央に真っ黒な液がシミ出していて描画不可、上部も液がしみているところで表示不可、かろうじて左下と右下の画面が表示されている、という状態でした。

”これはまた派手に液晶が割れていますね。どうしたんですか?”
って、当然質問しますよね。
その答えは、、、
「これ、ですね。いつものように東西線で出勤して会社に到着したら、こうなっていたんです。
たぶん東西線の満員電車で押されて鞄ごと潰されたせいだと思います。」
うーん。すごいな東西線。

このユーザはThinkPadではない、他のメーカの薄型モバイルPCを利用していました。
貸与後数か月~半年程度の期間での出来事です。

確かに東西線の朝の通勤ラッシュでの満員ぶりは(1度しか乗ったことはありませんが)想像を絶する込み具合です。
こうなると鞄に入れていたPCも人と人に挟まれ潰され、耐え切れず液晶部分がつぶれて割れてしまったのだと考えられました。

「で、質問の件なんですけど。」
改めて切り出した、そのユーザ。
「あのサーバにアクセスできないんですよね。、ほらエラーになってしまうんです。」
ん?
ちょっと待てよ?
質問は、”サーバアクセスのこと”なの?
いや、そっち?液晶割れじゃなくて?エラーが問題なの?
ちょっとしたパニックです。
こともなげに、ユーザは続けました。
「え?ああ、そうですよ。メッセージはこうすれば見れますし。」
器用なこと言うなあ…。才能を感じるわ。
いやいやそうじゃなくて。これじゃあ不便でしょう?
「あ、でも、この下半分はだいたい映っていますから、ここにウィンドウを持って来れば、スタートメニューも使えますし、一応メールは読めます。ほら。」
ユーザは器用に画面下半分の描画されている部分にウィンドウを移動させて、エラーメッセージを提示して見せた。

いや、そんな修行みたいなことはしなくていいですから。

とりあえずエラーメッセージの件は簡単なことだったんですよ。ただ、パスワードの有効期限切れだから、パスワード更新すればOKです。取るに足らない方法で解消可能です。
でも、この液晶の割れ、が一番問題ですよ。
液晶、直さないんですか?私が直すわけではないんですが。
「いやぁ、まあメールは読めるからいいかな、と思って使い続けてはいるんですけど…。」
使い続けている?

ちょっとまった。
この液晶割れたのって、今日じゃないんですか?
「ええ、いつだったかな…。先月じゃないんですけど数週間前くらいでしたかね~♪」
"くらいでしたかね~♪"じゃないですよ。これ故障交換の手続きしますからね。
「え?いいんですか!…あ、でもお高いんでしょう…?」
あのね、修理の心配はこちらでしますから大丈夫ですよ。(察するところ、上司に費用の件で絞られているから、修理を切り出せなかったのか…?)とりあえず外部ディスプレイにでもつなげて使っておいてください。

で、ここまで不自然に我慢しているってことは心配なことは一つだけです。
”PCを机から落下させた、とか鞄に入れたまま地面に落とした、あるいは故意にぶん殴った、ってことは無いですよね?”
ユーザ責任の破損では故障交換の適用に影響するので念のため確認です。
「神に誓ってないです。落としていない(落下していない)し殴ってないです。」
と言っていました。信じます。

さっそく交換手続きを実施しました。
液晶破損と満員電車中の事故ということ、加えてこのPCはレンタル契約だったので、レンタル会社が故障交換を実施してくれる契約になっていました。
ここが不幸中の幸いです。
レンタル会社では保険を適用させてPCの修理代金に充当します。保険適用のための故障時の状況を書類に記載して、故障交換の手配完了です。
で、くだんのユーザへは、故障交換手続きの間の期間が空いてしまうので、別のPC⇒ThinkPadを用意して環境・データ移行し貸与させることになりました。

その数年後

レンタル期間終了でPCの定期交換の時期にそのユーザのPCを見れば、
液晶周辺の枠(フレームとでもいいましょうか)がヒビと割れで一部なくなっており、液晶パネルの一部がむき出しになっている、
という状態。
ようするに、東西線の圧迫で、他メーカのPCが液晶割れしていたのと同じ圧迫される力が加わっているゆえの破損、ということなんですが、
壊れた他メーカーの液晶は、液晶画面にダイレクトに力が加わって液晶が割れてしまったのに対して、
ThinkPadの液晶は、液晶の周囲の枠(フレーム部分)がバキバキとヒビ割れ、ひび割れによって一部の枠(フレーム)がなくなっている状態、ではあるのですが、
重要な液晶自体にはヒビも割れもありません。もちろん正常に画面表示できる状態です。

液晶に負荷が掛からないように、液晶周囲の枠(フレーム部分)で圧迫される力を吸収して(犠牲にすることで)、枠(フレーム部分)を壊したとしても液晶は死守した、というところでしょうか?

このユーザのPCはこうして、ThinkPad X31から同じくThinkPad X61へ交換することが決定しました。

f:id:treedown:20151106021621p:plain※これはX60sですが…


前回の、<PC選定に…私がThinkPadを愛用するようになったきっかけ - treedown’s Report>で、IBMの営業からThinkPadの拷問試験と呼ばれるトーチャーテストの話を聞いたのは記憶に新しいところですが、

まさに、トーチャーテストの結果、いや成果を目の当たりにした体験談でした。

「他社の安価なモバイルでは満員電車に耐えられない環境でも、弊社のモバイルPCであれば耐えられる自信があります。」

IBMの営業担当者が自信もってこう断言していたのを思い出しました。

なるほど。あの自信はここからきているのか。

こうしてThinkPadがまた好きになった、という話でした。

※恒例のちょっと気を付けて欲しい点
この話はあくまでも10年以上前の、「IBM ThinkPad」時代の話であります。
現在はご存知のように「Lenovo ThinkPad」ですし、ThinkPadという製品もかなり裾野が広がってきている状況ですので、状況としては違う状況にあることはお知りおきください。
現在でいうところの“Classic ThinkPad”を指している、とお考えください。

また、私は東西線の満員電車でThinkPadが破損しないことを保証しているわけではありません。しかし同一人物が同じように満員電車で出勤してこのような結果になった、というのもまた一つの事実ではあります。