久々にPC修理をしたのでご報告です。
対象のPCはThinkPad T61、故障個所はヒンジが破損した、という症状でした。
ヒンジが壊れた…
ある日の午前中、そろそろお昼休みだな、なんて思っていた時間帯に故障の連絡が入ってきました。
「とうとうThinkPadの液晶のヒンジが壊れましたよ。」
ん?壊れたのってもしかして…?
「そう、あのPCです。」
あのPCと指していたのは、前から液晶のヒンジ部分が破損していて天板を閉める際にもちょっとズレていたような状況でした。
「PCのユーザから連絡があって、"バキッ"という音がして液晶の部分が垂直に固定されなくなってしまったみたいなんですよ。
いまはブックスタンドを液晶の後ろに立てて液晶部分が倒れないように固定してなんとか凌いでいますね。
どうにかなりませんか?」
こんな感じ?
うーん、これは困りましたね。
と、その時、システムボードと液晶パネル表示が不調でどうしょうもない状態のThinkPad T61が倉庫に眠っていたのを思い出しました。
外装交換でいけるんじゃない…?そう思った直後、ThinkPad T61を手に取り部品交換を試みることを決意していました。
とはいえ、自信はあまりありません。最悪の場合にはこのまま使ってもらうとして、「できるかどうかは全く未知数ですので、期待せずちょっと調査ってことにしてお時間ください。」と伝えておきました。
さっそく交換作業開始
PCのユーザがPCを使わない日時を狙ってPCを分解してみることにしました。
まずは保守マニュアルを確保
https://download.lenovo.com/ibmdl/pub/pc/pccbbs/mobiles_pdf/42x3545_04.pdf
※昔は日本語の保守マニュアル「ThinkPad® T61, R61, およびR61i (14.1 インチのワイドスクリーン)保守マニュアル」(※ファイル名:42X3547_02J.pdf)ってのがダウンロードできたんですが、改めて探してみると見つからない、日本語のPDFなくなったのかな…。とはいえ図解だけ追っていくだけでも役には立ちます。
保守マニュアルに沿ってさっそく分解、キーボードやメモリの交換は慣れたものですので途中までは同じ手順です。徐々にいつもは外さないネジが増えてきます。(1160 LCD assemblyってところに記載のある分解をやっていきます。)
壊さないようにゆっくりとネジを外していき、液晶(いわゆる上半身)とシステムボード部分(いわゆる下半身)が外れました。
次に「2010 LCD front bezel and LCD rear cover (LCD cover kit)」という記載箇所を見ながら取り外した液晶(上半身の部分)を外していきます。
さっそく注意して液晶部分のベゼルを外すのですが、なにぶん古いThinkPad、プラ部分の劣化が怖いところです。目隠しシールをはがすのも一苦労でした。
天板と液晶ベゼル部分はネジに加え爪で固定されています。この爪がなかなかに曲者、ちょっとケガしてしまいました。痛い。
ケガにも負けず、壊さないようにゆっくりと天板と液晶ベゼルを外すとようやく目当てのヒンジ部分を露出させることに成功。
ん?
写真が暗くて申し訳ないのですが、ヒンジ部分の金属部品が完全に割れてしまっています。
液晶の逆側のヒンジも無残に金属の部品が割れてしまっています。経年劣化っていうやつですねぇ。
ベゼル部分にヒビが入ってはいますが、天板も含めて大きく破損はしていないようです。純粋にこのヒンジの金属部品だけが破損しているようです。
ちなみにまともな方(の左右)
金属部品が割れてないのできちっと一つの部品としてくっついています。
「…って、ことは天板とか液晶ベゼルとかは交換しなくてもヒンジ部分を交換すれば?」
さっそくヒンジ部分だけの取り出しを見てみると、向かって左側はネジ二本外すだけで取り外せました。
向かって右側は、液晶パネルと同化している?と思ったら、こんな部品でした。
なるほど。
ちょっと壊れたヒンジ部分と並べてみました。上が壊れた方、したが壊れてない(交換用)の方です。壊れた方はバラバラになっています。
こうして部品交換を完了させ、故障で起動しないThinkPadの部品を活用して、ヒンジが破損したThinkPad T61を復活させることに成功しました。
あとは、元通り外したネジや部品を取り付け⇒ネジ締めを地道に繰り返して、見事復活。
まだPCユーザが使ってはいませんが、これで不満が出ることはないだろうと思います。