本日はWindowsPCのOS載せ換えポイントをPCに詳しくない人に説明してみた、
という主旨のご報告です。
以前、友人から以下のような相談を受けました。
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当法人でPCの寄付を受けたのですが、
これが結構古いPCでして…。
さしあたってOSがXPなのですが、
これってそのまま利用していいものでしょうか?
法人内にPC詳しい人いなくて…
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この友人は自宅にPCを2台ほど所有していて、個人利用でのPCについてはOffice利用やネットサーフィン、メール、くらいを利用しています。
まずは前提条件として下記があることをご理解の上、本記事をご参照ください。
- 回答する私は関係者でないためOSをアップグレードを強く指示できる立場ではありません。
- 内部事情については全く教えてもらっていません。
- 他者(他のユーザ)が被るセキュリティリスクはあまり考慮しないことになっています。
この時に回答した内容をご報告します。
(内容は多少編集しています。)
さて、まず問題なのはPCの搭載OSなのですが、その前に全体を整理しましょう。
状況としては、(ヒアリングしたところ)
- WindowsXPがOSの機器を寄付してもらった
- Windows7に載せ換えしようかと検討中
- 他のPCはすべてWindows Vista・7で無線LAN内蔵で通信している(らしい)
と言う状況です。
ここで(相談者が)伝えたかった課題は、
を心配している、という点です。
結論を言えば、ネットワーク環境で使うためにアップデートが提供されているWindows7などの現行OSに移行するというのはほぼ必須です。
オフラインクライアントで使用するから大丈夫、とはいえ、USB経由でデータの受け渡しはするでしょうし、USB経由でデータを受け渡しするのであれば、マルウェア対策(アンチウィルスソフト)くらいは必要ですが、このマルウェア対策はインターネット経由でのアップデートとなってしまうので継続性のある利用においては必然的にネットワーク環境で利用することになってしまい、オフラインクライアントで利用する、という方法もあまり安心・安全を保証するものではない、という点がポイントになります。
こうして出てきた判断基準は以下のとおりですが、ちょっと掘り下げて各項目ごとに説明します。
「お金をかけたくない(XPをそのまま使う)か、多少投資は可能(7に乗せかえる)か?」
Windows7と一口に言っても結構な値段がしてしまうこともあって、利用するかしないかは迷うところだと思います。
そこで、ひとつの指標を現実的なところで挙げてみます。
- 寄付PC全台にOSを購入するくらいの予算がある
- Windowsサーバを利用している(別の言い方をするとWindowsServerというOSがインストールされたコンピュータがネットワーク上にある)
- Windows7でしか動作しないアプリケーションを利用している(ウィルス対策プログラムや業務システムなど)
- PCは通信ができないと、業務に利用できない。
- 無線LANを利用しないとネットワークに繋がらない。
- インターネット接続を利用してWeb閲覧やメールを寄付PCでやるつもり。
上記のような理由のうちどれかひとつでも該当するようでしたら、7にしたほうがいいと考えられます。
Windows7に入れ替えよう!と決心したら次の一手は、
「寄付してもらったPCでWindows7が使えるかどうか」
です。
Windows7を利用するにも条件は確かにあります。寄付してもらったWindowsXPのPCで7が利用できるかどうかは重要なポイントになります。
Windows7インストール時の要件
- ハードウェアがWindows7対応である。本体にDesigned for Microsoft Windows Vista(Designed for Microsoft Windows 7)と書いてあるシールが貼り付けされているかどうかで見分けることができるという側面はあります。
ちなみにDesigned for Microsoft Windows XPでも一応OKな機器も存在しますが、あまりに古い機種だと7をインストールしても動きません - メーカが対象となるPCの型番でWindows7対応する方法を公開しているかどうか。公開されているようならその手順でWindows7を利用できることになります
このあたりは実際に寄付されたPCのスペック(機種・型番)からメーカーサイトなどで調べることが可能です。
「通信を利用したいかどうか?」
今回の質問で一番のポイントがここです。
そもそも通信を利用する必要があるかどうかでOSを乗せかえるかどうかはほぼ決まると考えていいです。
1. メールもインターネットもやらない
(ア) WORD、Excelなどを利用するだけで通信はしない
(イ) そのためデータはFDやUSBメモリなどで7のPCとやり取りする
2. 事務所内に通信を利用するシステム(Internet Explorerで操作するシステムなど)がない
「通信を利用したい場合、無線LANが必須かLANケーブルを利用場所で引き回しできるかどうか」
通信する上で無線LANが必須の場合には(おそらく)7にする必要があります。
1. 無線LANを利用しないと通信ができない場合=有無をいわさず7の導入対象です
2. LANケーブルで通信してもよい(通信可能)な場合・・・
(ア) WindowsXPで通信の設定が可能かどうか
(技術的な設定よりも法人内ネットワークの管理上の問題があるかないか)
(イ) セキュリティの問題(XPはWindowsUpdateができないため)がないかどうか
① WindowsXPで問題が起きると、Windows7にも問題が波及する=大丈夫?
② WindowsXPはセキュリティ問題を防ぐ手段がない=大丈夫?
3. LANケーブルを引いたとして、LANケーブルの差込口が寄付されたPCにあるかどうか?
ない場合には7にして無線を利用するか、LANケーブルの差込口を(USB)外付けのものを購入するかのいずれかになる
以上がざっと思いつく7に載せ換えする場合に必要な理由です。
条件に該当する場合にはWindows7に載せ換えしなければなりませんが、載せ換えるにもPC本体のハードウェアに条件があるため、そこで載せ換え可不可が決まります。
また通信するかしないかも重要な選択肢で、通信するにも無線か有線かで対応がことなります。
通信しない場合には、頑張って載せ換えしても「動作が遅い。そのままXPで使ってもいいんじゃないか?」という感覚を実際にPCを使う人が持つことが多いです。
(実際にPCを使う人は、XPを使ってはいけない理由を知らないことが多いので)
通信する場合には結構費用が必要になってしまいます。頑張って7を利用できるようにハード/ソフト(OS)両面で手入れをしなければなりません。
使う人(ユーザ)主眼で考えるとXPのPCを使えるようにするというのはかなりハードルが高い、というのが現在の状況ですね。安価な低スペックWindowsPCを購入する方が最近ではコストパフォーマンスが高い、とも言えます。