treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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Outlookの署名が消える⇒再作成が必要

Outlookの署名欄に設定していたシグネチャの値が消えてしまった、という話を受けて、調べたことと一次対処策をご報告です。
たぶんOfficeのUpdateがトリガになっていそうですが詳細はまだ不明です。

発生した環境

障害の発生をユーザから受けて確認することになりました。
対象の環境ではWindows11、Office 2016 Standard(LTSCのOffice)を使用しています。

Outlookの署名欄が空欄になっている

手持ちのOffice2016環境で確認してみることにしました。
起動してみると、見慣れないバーが増えています。このPCも気づかないうちにOfficeのアップデートが動作していたようです。
このバーはOffice365のOutlookを利用しているとおなじみの機能切替「Outlook ナビゲーションバー」というやつです。

元々はOutlookでは左下に表示されていたナビゲーションバーなのですが、アップデートによってナビゲーションバーが左下から左サイドに移動したということのようです。ユーザの話ではこのナビゲーションバーが上図のようになって、同時期に署名が消えたという症状が発生したように感じる、とのことでした。

確認してみる

手持ちの環境に上記の組み合わせがないので再現性はやや疑問はあるものの、確認をしてみることにしました。
まずは前述のWindows10でOffice2016の環境で確認してみます。

署名ファイルの保管場所は<%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Microsoft\Signatures>になります。

エクスプローラで確認してみると、ファイルはしっかりと存在していました。(不具合発生の環境でも署名ファイルは消えておらず存在していたとのことでした。)

しかし、Outlookで署名設定を確認(Outlookから「ファイル」⇒「オプション」と選択して、

Outlookのオプション画面で「メール」を選択後に右画面で「署名」をクリック)してみると、

(※画面はイメージです)

このように署名欄に設定してあったはずの署名設定がなくなっている、ということのようです。
Windows10のOffice2016(LTSC)ではOfficeのアップデート動作後でもしっかり署名設定は残っていたのでWindows11でOffice2016(LTSC)の組み合わせで発生するのかなと思いました。

試しに、Windows11でOffice365のOutlookの環境を確認してみると、ん?

いくつかのメールアカウントが設定してあるOutlook環境なのですが、そのうち一部のメールアカウントで署名設定に設定してあった署名が表示されていませんでした。

本来は、

このように署名が設定してあったアカウントなのですが、これが「Officeアップデートに伴って署名設定が消えている」という状況なのかも。

対処策(とりあえずの復旧)

調べてみても同じような症状の人は居ないみたいで、いくつかやってみたのですが、「署名を再作成するのが一番早い」という結論に達しました。

署名データ自体が消えているわけではないので、先ほど確認した<%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Microsoft\Signatures>に格納されている署名ファイルの.txt拡張子のファイルを開いて、

このファイルに残っているデータをコピペして「Outlookオプション画面」の署名を再作成します。

先ほどの署名設定画面で「新規作成」をクリックして、

署名を新しく作成します。このとき以前設定されていた署名の設定名と同じ名前を指定すると、

既に存在すると「入力した名前は既に使用されています。別の名前を選択してください。」というエラーが出てしまうアカウントがあり、署名を作成できませんでした。この場合には仕方なく、「署名230425」という感じで日付情報の数字を付加して再作成しました。

再作成後に署名ファイルを確認すると…

再作成した署名設定の確認としてメール作成の操作等をやってみましたが、問題なく動作するようです。

しかし、再作成した署名ファイルは以前のファイルとちょっと違っていました。

<%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Microsoft\Signatures>に格納されている署名ファイルは、

再作成した署名ファイルは、以前のような「%署名名%.拡張子」の形式でなく、「%署名の名前%(%メールアドレス%).拡張子」のファイル名に形式が変わっていました。どうやらこの辺りに秘密がありそうです。


この動きから考えた仮説は、「署名ファイルや署名設定が、アカウント設定別に紐付けられるようになったので、ファイル名にアカウント名(orメールアドレス)が付加されないと署名設定に読み込まれない」という仕様変更があった、ということじゃないかと考えました。

この辺りの真相はMicrosoftの公式情報を待ちたいと思います。