Outlookの不具合対処を実施したのでご報告です。
本文に改行がなくなってしまうという謎の症状でした。
ある日舞い込んだ相談
「メールの送信後に、改行が全くない状態になってメールが送られているんですよね。」
という相談を受けました。
「先方から受信したメールを開いて返信ボタンをクリックして、返信メールを普通に(改行も入れて)文面を作った後で、送信をしたら、改行が全部なくなった状態でメールが送信されていたんですよ。」
うーん、なんでしょうね。
「BCCで自分にも送信していたので気づいたのですが、起きたり起きなかったり。何が問題か分からないので、どうしたらいいですか。」
という。
問題を調べてみる
問題は、先方から送信されてきたメール。
本来はこう表示されているはずのメールだったはず。
なぜ、想定した改行が一切合切取り払われた状態でメールが送信されたのか、という謎に取り組むことになりました。
環境:
環境をざっくり箇条書き
- Windows10のOffice2016
- メールは全て同じPCのOutlook(Office2016のOutlook)から送信している
- Outlookはデフォルト設定で使用している(らしい)
- 新規作成のメール(デフォルト設定HTML形式)では発生しない
- テキスト形式で送られてきたメールに返信すると、発生する
- 上記でも、添付ファイルを付けたメールでは発生しない
なんか傾向が見えてきたかもしれませんぞ…。
ヘッダを比べてみる
⇒症状が発生したヘッダ
-------------------------------------------------------
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain;
charset="iso-2022-jp"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Mailer: Microsoft Outlook 16.0
-------------------------------------------------------
⇒症状が発生しない(添付ファイルを付けた)メールのヘッダ
-------------------------------------------------------
MIME-Version: 1.0
Content-Type: multipart/mixed;
boundary="----=_NextPart_000_000A_01D7A4DF.EE23E0F0"
X-Mailer: Microsoft Outlook 16.0
-------------------------------------------------------
「Content-Type」の箇所が、「text/plain;」と「multipart/mixed;」が相違しています。
このほか(新規作成後送信した)HTML形式のメールでは「Content-Type: multipart/alternative;」となっており、症状が発生するメールのContent-Typeは「text/plain;」である、ということが傾向としてあるようです。
■参考URL:Outlookオプション設定
Outlookテキスト形式で行われた投稿では、改行が削除
ここでは
「既定では、既定では、[改行の自動削除] 機能Outlook有効になっています。 これにより、改行が削除されます。 連続する 2 つ以上の改行は削除されません。」
と記載されているのですが、改行コードまるっと全部消されているんじゃないですかね?
そこで、
「余分な改行を削除する機能を無効にする」か、もしくは
「HTML 形式またはリッチ テキスト形式を使用する」
のいずれかを選択して対処することになります。
テキスト形式でわざわざメールを送ってくるのは、そういう意識の送信元なので、返信メールもテキストで返信するほうがいいだろう、ということで、「余分な改行を削除する機能を無効にする」が良い、という結論に達しました。
実際の設定
設定はOutlookオプション設定から実施します。
まずはOutlookの「ファイル」から「オプション」をクリックして選択します。
Outlookのオプション画面が表示されたら、「メール」を選択、下の方にスクロールしていくと、
上図「テキスト形式メッセージ内の余分な改行を削除する」というオプションがあります。
このオプションは、デフォルト有効になっているのですが、これを
オフにしておきます。
しかし…、解消せず
オフにして、Outlookを再起動、テストメールを(問題となるテキスト形式で)送信して、くだんの環境で受信し、返信メールを(いくつか改行を入れて)作成します。
作成後、そのメールを送信すると…
一瞬だけ、メール本文の改行が全部消えた状態のメール本文が表示されて、(送信されたメールの)ウインドウが画面から消えました。
…。
どうやら、この設定じゃないみたい。実際に、送信済メールボックスを確認してみると、改行が全て取っ払われた状態のメールが残されていました。テストメールを受信してみると、やっぱり改行は全てないという問題の状態が再現。
Outlookオプションは関係していないのかな。
なんとなくそんな気がしていました。
McAfeeの設定が関係ある?
ここでふと目にとまった
「Scanned by McAfee and confirmed virus-free. Find out more here: https://%短縮URL%」
という表記。McAfee使っているんだなぁ。
まてよ?OutlookオプションじゃなければMcAfeeじゃ?と考え、動作を確認してみたところ、McAfeeの設定で「メールが安全であることを示すため、マカフィーの署名を追加」というチェックボックスをオフにすることで、現象がおさまることが確認できました。
以下手順。
McAfeeのホーム画面左上に「設定」があるのでそれをクリック、下にスクロールすると出てくる「迷惑メール対策」という項目をクリックします。
McAfeeの迷惑メール対策設定画面が起動してきます。
この画面をスクロールして下の方に目的の設定箇所があります。スクロールすると…
下の方に、「送信メールのスキャン」という項目があります。画面では設定が隠れているため、クリックして設定画面を開きます。
開くと、
このように「送信メールをスキャン」という項目が有効化されていることが分ります。
これをオフ(チェックを外す)にします。
オフにしました。
これで、テストメールを(もちろんOutlookは念のため再起動し)送受信してみます。
そうすると、いままで起きていたテキスト形式の返信メールで改行が全て削除されてしまう現象はまったく発生しなくなり、返信でも思い通りのメール本文が送信されることが確認できました。
念のために、McAfee設定前に実行したOutlookオプション設定である「テキスト形式メッセージ内の余分な改行を削除する」の項目もデフォルトと同じに戻してメールの送受信を確認してみましたが、動作に影響はありませんでした。(つまりOutlookオプションは今回の現象に関係していなかったと切り分けができました。)
これで、メールに返信すると改行が全て削除されるという謎の現象は対処完了。ただ、McAfeeのバグで機能を無効かすることで対処完了となっているので、どうなんだろう、と思いながらもユーザと相談してこの設定のままでしばらく使い続けることにしました。
McAfeeがこの不具合を直してくれば全て解決なんですけどね…。