今日はとっても古いPCにUSB3.0を追加するとどれくらいのイイことがあるか、この辺についてご報告します。
人によっては「新しいPC買いなよ…。」って思うかもしれませんね。おっしゃる通り。
取りい出したるこのPC
古いPCをバックアップの保管場所にしよう、という狙いの元、以前Windows10のセットアップを検証したPentium 4のPCを使ってちょっとしたバックアップ用のPCを用意してみました。
ThinkCentre A52(8289-49J)は古いPCなのでWindows10を動作させ常用するには多少荷が重い感じがあります。
そこで、バックグラウンドでバックアップデータを保管するような処理を自動化しておく、という使い方ならどうかな?と思ってちょっとやってみようと思った次第。
問題はストレージ読み書き
通信はオンボードNICがGigabit Ethernet対応のNIC搭載なのでこれで通信するとして、問題になるのはストレージですね。
- SSDは速いけど、容量が少ないしデータの長期保管という点でも疑問
- HDDは容量が多くて(容量あたりの単価が)安価だから使いやすい、とはいえ読み書きが遅い。
一長一短があります。
特に古いPCだと内蔵SATAは当然のように1.5Gbpsです。HDD買えば6Gbpsの製品しかないこのご時世ですが、内蔵SATAの速度が遅いのは仕方ない。ただしHDDはSATA2の3Gbpsの速度を超えて性能発揮することはほとんどない(はず)なので、もうちょっと読み書きの速度を頑張ってくれればイイことになります。そこで考えたのが、
「ThinkCentre A52(8289-49J)はPCI Express x1使えたんじゃなかったっけ?」
調べてみると確かにあった、白い昔ながらのPCIの下に黒いPCI-E、ここにx1のボードを用意すれば…
というわけで、ちょっと買って検証。
手ごろな価格で「オウルテック USB3.0増設ボード 外部USB3.0×2ポート+内部19ピンコネクタ×1ポート増設 PCI Express 1xインターフェースボード」という製品を。
このボードに使えそうなSATA用電源ケーブルもなかったので合わせ買い。
さっそく届く。
じゃあ接続して確認してみます。
接続するのは、
このセット。2TBと3TBの価格差がなくて思わず購入したWD Red。もともとRAID1のミラーリングで利用していたものですが、今回はケースにこのHDDを2台入れてRAID0のストライピングにし、読み書きを多少速くしつつ大容量に。もともとバックアップデータを保管するストレージだからRAID1で保護するよりは、バックアップの収集時間を短時間に短縮しつつ、バックアップデータは大量になりがちなのできっちり一台で保管することができる容量を実現したい、という狙い。
内蔵ドライブはイメージバックアップで故障に備えることにしたので、性能は低く割り切る、外付けHDDのバックアップ用ストレージはバックアップデータ(大事)なので新しいディスクで速度も速めに、って使い分けです。
さっそく速度を調べてみた。
まずは内蔵SATAで接続されたディスク×2台の計測結果を。
いずれも1.5Gbpsでなおかつ古いディスクを再利用しているものですから速度はそれなりの速度。
次に、WD Red 3TB×2台をRatocのケースに入れてRAID0構成後に、オンボードUSB2.0接続で速度を調べたら
内蔵SATAより遅いのは当然ですが、いやでもまあまあ早いなぁと思いました。HDDが新しい世代だからですね、きっと。
USB2.0接続でも結構速度が出ていることがわかります。
これを、PCI Express x1のUSB3.0ボード経由の接続に替えて速度を調べたら…(当然WD Red 3TB×2台をRatocのケースに入れてRAID0構成後)
速い。これはいいですね。たぶんこの古いPCのPCI Expressの限界速度が出ている(はず)。
読み書きが速度向上、リード34.60⇒167.9、ライト27.23⇒139.5、動画やVHDのような1ファイルの容量が大きいデータもありますから、そういうデータをバックアップするにあたり、効果を発揮してくれそうな感じを受けます。
というわけで、まだ大量のファイルを実際にバックアップジョブとして試したわけではないのですが、古いPCだけどPCI Expressスロットのおかげで結構期待できそうな結果になりました。